復活の呪文の切れ端

2008-01-28

ITAKO接続

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あるところにイタコがいた。少し遊んでやろうと思い、私はイタコイタコの霊を降ろすよう頼んだ。イタコは、いくつかの呪文を唱えた後、力が抜けたようにばたりと倒れ、ぼそぼそとしゃべり始めた。



「もしもし、あなたはイタコですか?」

「いかにも。」

「すいません、イタコの霊を降ろしてもらえませんか?」

「無理だ。」

「そうですか、ならばあなたは偽者ですね。」

「いいや、私は本物だ。イタコとはこの世とあの世をつなぐことが出来る者のことだ。しかし、今私がいるあの世のあの世にはイタコは存在していない。いや、霊がいるのかどうかもわからない。むしろ私の予感では、あの世のあの世につないだとき世界はどうにかなってしまうだろう。」

「いいですよ、責任は私がとりますから、どうぞ繋いでください。」

「まあいいだろう。わたしもそろそろこの世界に飽きてきたところだったからな。あの世のあの世につないでみよう。あとは野となれ山となれ。」

それから彼はいくつかの呪文を唱えた後、バタリと倒れ、この世のものとは思えない形相でのた打ち回った。



宇宙がこの世とあの世の二つしかなかったのなら、彼にとってあの世はこの世であり、彼から見ればこの世はあの世だったのかもしれないので、もともと無理な注文だったかもしれないし、この世のイタコの霊を呼び出すことが出来たかもしれない。そう気付いたのはずいぶん後のことだったので、今となってはイタコ達が本物のイタコだったのか演技にだまされてしまったのかはわからない。ただ、この目の前にある穴は一体何なのだろうか。