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見た?あの猫左目しかなかったよ。
「ふーん、そう。ってあんた見えてるの?」
んー、見えないけど、手つないでたら、なんだか分かるようになってきた。あ、ほら、また出た!あれ?なあんだ、つぶってただけか。よかった。
よそ様の猫のことなんか心配している場合じゃないだろ。あんたに比べたら、片目なんて問題じゃないぞ。妹の首の上にはあるべきものが無く、今はそこにあるはずのない丑三つ刻の深い深い闇が広がるばかりだ。よくものを失くすやつだったが、自分の首までどこかで失くしてくるとは。
「あのねえ、さっきからはしゃいでるけど、わたしには暗くて見えないの。あんまりうるさいと、手、離すわよ。」
わわ、ごめんなさい。
「ほら、もう帰るよ。明日も早いんだから。」
ふふ、知らなかった。猫もウィンクするんだね。
繋いだ手から、驚きと喜びの感情がそのまま伝わってくる。首にかぶせた大き目の白いレースのハンカチと、その上から柔らかに首を巻く薄いリボンの蝶結びが、闇の中でうれしそうに跳ねる。
「そりゃあ猫にだって、誘惑したい相手の一人や二人くらいいるわよ。」
Kunastrokius2006/07/06 03:36ついにサンデーにまで進出した目隠し萌えの先回りを試みた。しかし無惨にも散る。しかし筒井康隆が既に『母子像』でやってましたね。書いてから気付いた。