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2006-04-15

ねぶぅ

ねぶぅ - -N-t-S-d- を含むブックマーク はてなブックマーク - ねぶぅ - -N-t-S-d- ねぶぅ - -N-t-S-d- のブックマークコメント

「ねえ、ばあちゃん。ねぶぅの話してよ。」

「そうかい。そんなに聴きたいかい。そんならひとつはじめるとするかね。そこにお座り。」

「うん。」

「ええっと、どこまで話したっけね。」

「ねぶぅがたくさんいる山があったんでしょ。」

「おお、そうそう。その山だよ。その山にはねぶぅがたくさん住み着くようになったのさ。人間たちは、いつの間にか住み着いたねぶぅを気味悪がってあまりその山には入らないようにしていたんだと。


ところがある日、仕方なくその山で仕事をしていた男がおった。思ったより手間がかかってしまって、帰ろうとする頃には日が暮れてしまっていたんだよ。ねぶぅのことを聞いていた男は、急いで帰ろうとしてたんだ。ところが、悪い予感てえのは当るもんでねぇ、ねぶぅが現れたのさ、目の前に。」

「どんな奴? ねえ、ねぶぅってどんな奴なの?」

「慌てるんじゃないよ、落ち着いて聞きな。男は一目見てそれがねぶぅだとわかった。聞いていた通りの姿だったからね。耳は大きく広がり鋭くとがっていたし、足はカモシカのようにたくましい。背中には鷲に似た翼がついているし、なんといっても大きな大きな黒い目をらんらんと輝かせていたんだからねぇ。男は肝をつぶして座り込んでしまったのさ。ねぶぅはそれを見て、笑ったんだ。またその口の大きいこと大きいこと。もう気を失う寸前の男にねぶぅはこういったのさ。『おまえちっちぇえなあ』そうさ、ねぶぅは大きかった。その目は男を哀れんでいるようにも見えたんだよ。そしてねぶぅはおとこの耳元に口を寄せて……、なんて言ったと思う?」

「たべられちゃうよぅっ!」

「やかましい子だよ全く、なんて言ったのか聞いたんだよ。

ねぶぅはね、こう言ったんのさ。『お前、おれみたいになりたくねぇか?』 男は驚いた。まあもうこれ以上驚けないってほど驚いてたんだけどさらに驚いたんだ。もう命は無いものと思っていたからねぇ。何を言われたのか良くわからなかったらしいんだけど、男は助かりたい一心で首が千切れんばかりにうなずいた。そしたらそれを待ち構えていたかのようにねぶぅは男に噛み付いた!」

「やっぱり食べられちゃったんだ……」

「だからあんたは早合点だって言うんだよ。誰も食べたとは言ってないだろう。」

「え、じゃあ……」

今日はここまでだよ。早く寝ちまいな。」

「えぇええええ!そんなあ……」