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2006-08-04

萌えシンドローム

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始まりはあの子だった。

家庭科の時間あの子が一生懸命玉ねぎを切っている姿を見ていた僕は、胸が苦しくなって倒れてしまった。

そんなことは初めてで、これが恋なのだろうかと思った。でもそれは違った。僕は僕がかわいいなと思った人やしぐさや行為を見ると倒れるようになった。

病院に運ばれてベッドの上で告げられたのは絶望的な病名。

「特定心情喚起心筋梗塞、通称萌え症候群です。」

それは何かに萌えを感じてしまった時に起こる心筋梗塞

だから僕は萌えないように萌えないように生きてきた。かわいい女の子には近づかないように、萌えアニメは見ないように。

でも、萌えを回避しようとするあまり、僕はとても萌えに敏感になってしまった。人は言うに及ばず、動物や物にまで萌えを感じるようになってしまった。

猫なんかもってのほかだ。ハエが手をこすってるしぐさにも、雨の中、健気に点滅する信号にすら萌えてしまうようになったというのに。

でも僕は気付いたんだ、この世界には萌えがぎっしりつまっているってことに。でもそれは僕の命を脅かすものでしかない。

僕は何もない病室に入院することになった。

白い壁、白いベッド、白い服。

僕はもう萌えなくなった。

僕はもう命の心配をしなくても良くなった。

でも、全然嬉しくなんかなかった。

僕はもう一度気付いたんだ。

僕にとって萌えとは死ぬことだ。と同時に生きることなんだって。

そう、僕は萌えが「死ぬほど好き」なんだ。

僕は、湯飲みの中心に浮いている三本の茶柱に萌えながら、死んだ。

熱い暑い脱衣

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あーあつい。

なんなんだろうこの暑さは。汗だくになって家に帰ってきてドアの鍵を開けドアを開けドアを閉めドアの鍵を掛け部屋に入りエアコンスイッチを入れる。

動かない。

そうだった。壊れたんだった。絶望的な気持ちでソファーに倒れこむ。ソファーも熱を持っていて暑苦しい。あーもう。

ダメだまずは服を脱ごう。汗で重くなったTシャツ。ごわごわして脱ぎにくいジーンズ。脱皮するように脱ぎ捨てる。

まだ暑い

下着も脱いでしまえ。

真っ裸になり部屋の中で仁王立ちする。

物凄い開放感。お、これは素晴らしいんじゃないかい?

そのまましばらくテレビを見たり。

いや暑いよ。なんだよこれ。

あ、まだ脱げるのあるじゃん

裁縫箱から裁ちばさみを持ってきて髪の毛を切る切る切りまくる。

短くなったら剃刀だ。鏡の前に行き慎重に慎重に。汗が額から粒のように溢れてくる。

しばらく後、スキンヘッドの自分が目の前に現れた。そいつは言う。

「まだ剃れるとこあるんじゃない?」

そうだそうだ。眉毛、腋毛、脛毛、全身の産毛。そして陰毛。きれいにきれいにつるつるに。怪我なく毛がなくなった。

よし、これで少しは涼しいだろ。

やっぱり暑いんだってば。のび太クンも言ってた。夏は裸になっても暑いって。

なんといっても全身を伝う汗がうっとうしい。毛がなくなったから流れ放題だこいつら。汗を止められたらなあ。そうだよ皮膚があるから暑いんだ、汗が出るんだ。

新品の剃刀を持ってきて、胸元から下腹部まで切り込みを入れる。そこに指を突っ込んで、皮膚を脱ぎ始める。手がぬるぬるになってやりにくい。もう汗なのか血液なのか。なんとか皮下脂肪ごと脱いでやった。お、結構筋肉付いてるもんだね。バイトのおかげかな。

なんか眠くなってきた。寝よ。

そして私は、暑さも何も感じなくなった。

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2006-03-15

だじゃぐげん

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今日今日とて物理実験室。

授業も終わり、いつものように部活へやってきたんだ。がらりとドアを開けると、足元に違和感があった。見てみればそこには猫が丸まってすやすや眠っている。

「おいおい、どこから紛れ込んだんだ。」

といいつつ、珍しいことだからしゃがんで撫でてみる。ぐっすり眠っているのか、全く反応しない。自然と笑みがこぼれた。

そこへ突然耳障りな音。振り返ると、実験机から空き缶が落ちたみたいだった。まったく、実験室で飲み食いしたのは誰だよ。拾いにいくと、その隣にはみかんが一緒に落ちていた。季節はずれのみかん。手に取り立ち上がる。誰か先に来てるのか?

実験室を見渡す。

「……!!」

声にならない声なんて出したのは初めてかもしれない。だって普通驚くだろう、器具棚に布団が突っ込んでいたら。

おかしい。普段起こらないことが多すぎる。こんな日はあれを疑うべきだ。

あれって何かって? 先輩が来ていることをだ。


電話に出んわ!」


「ええっ!?」

じりりりりりり


思わぬ台詞に驚くと同時に、物理実験室の内線電話が鳴り響いた。どっちに反応すればいい? ええい、とりあえず近くにある電話からだ。電話に近づくと後ろから声。

「出ないでっ!」

準備室から先輩が出てきてそう言った。

「あー…… こっちで発生してたか。どうりで気づかないわけだ。」

教室を見渡してそんなことをのたまいやがる。電話は鳴り続けている。やはり先輩か。

「先輩がやったんすか?」

一応、一応聞いてみる。

「人聞きの悪い言い方だね。やったというか、なったというか。」

「先輩が原因なんですね。」

「完成したんだよ。」

「話を逸らさないでください。」

「駄洒落って好き?」

自分がやったことの後ろめたさはあるようだ。これ以上問い詰めても無駄か。

「駄洒落?」

「そう、駄洒落。んーたとえば『猫が寝込んだ』とか『アルミ缶の上にある、みかん』とかね。」

「で、『布団が吹っ飛んだ』ですか。」

そうだ、この部屋に起こっていた出来事はすべて駄洒落の状況そのものだったんだ。

「そう、飲み込みが早いね。さすがあたしの後輩。」

「先輩にはほとんど教えてもらってません。いつも来てないじゃないっすか。で、その幽霊部員が、どうして今日はいるんです?」

「いや、自宅で実験するとなると、いろいろ大変じゃない。」

学校でも大変ですよ! どうするんですか、この布団。あーあ、棚がへこんでるよ」

化学実験室だとガラスが多いからこっちにしたんだよ、だから大丈夫。」

「だから大丈夫じゃないって……」

「ねえ、こっち来て。」

準備室の前で手招きする先輩。満面の笑み。チクショウかわいい。

行ってみるとさまざまな場所からパイプが伸びた怪しい機械が……、というわけではなく、思った以上コンパクトな装置が。

「これ、なんですか」

聞いて欲しそうだったので聞いてやる。

「だじゃぐげん」

「え? なんですって?」

「駄洒落具現化装置。略してだじゃぐげん。」

「まんまっすね。」

「そう? いいネーミングだと思うけど。『ん』って不思議だよね、何に付けても名詞っぽくなるんだよ。」

「そんなことはどうでもいいです、ここのマイクに駄洒落を吹き込むとそれが具現化するって感じっすか。」

「なんでわかるの? もっと説明させてよ。まあ、その通りなんだけど。」

「原理は聞いてもわかんないので言わなくてもいいっす。」

「そんなんじゃ科学者とはいえないなあ。」

ちょっと不満げな顔をして、装置を調整し始める。

おれは柱にもたれて、先輩を見ている。しっかしほんとに楽しそうだな。

「なんで、こんなもの思いついたんです?」

「んー? 部屋でベッドにねっころがってて、布団が吹っ飛んだら面白いなって。」

ったく、この天才が。

「つめたーい あすふぁるとにひたーい をこすらせてきたーい はずれのあたしをせめた♪」

椎名林檎だ。こんな時に口ずさむ歌じゃねえだろう。あきれて頭を振ったら柱に軽くぶつけた。まったく。

実験室、先輩片しといてくださいよ。」

こらえきれずに言う。

「それ、わざと言ってるわけじゃないよね。」

笑いを噛み殺したような顔でそんなことを言う。

何を言ってんだこの人は、と思ったが、先輩が俺の隣の柱を指差している。見てみると、コンクリートのはずの柱が、一部だけアスファルトになっている。

「うそだろ。」

思わずつぶやく。さっきの椎名林檎か。確かに韻を踏んでいる歌詞だったけど。ってことは俺のさっきの台詞は、"言わされた"のか? いやいや。っていうか、コンクリートがアスファルトに変わっている方も一大事だ。これとんでもない装置じゃないのか。軍事的にも使えちゃうかも。

「よし、おっけ。わにが、わ……」

「うわあああっ!今なんて言おうとしました!?」

「え? わにが……」

「言わなくていいっす!スイッチ切ってください。」

俺が何を言いたいかわかってくれたようで、コンセントを引っこ抜く。

コンセントかよ。

「先輩、もう思いつきで発明はやめてくださいよ。」

「あたしに死ねって言ってるの?」

恐ろしく冷たい声。

「すいません。でも、迷惑かかってるのはわかってますよね。」

無言

「とりあえず、実験室片付けて帰りませんか。俺も手伝いますから。んで、帰り道にでも、原理とか詳しく聞かせてくださいよ。」

「ん、そだね。」


実験室を出ると、電話は鳴り止んでいた。

帰り道は、先輩の講演会だった。

一応、最後に実験は良く考えてくださいと釘を刺しておいた。

数日後、ニュースで「トリノで祝詞をあげる神主」が話題になるのだがそれはまた別の話だ。

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2006-02-10

はてなリング劇場 - 『Rの悲劇』(3):タグ

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承前(http://neo.g.hatena.ne.jp/comnnocom/20060112/hrg)

とまあ、たまには殺伐とすることもあるけれど基本的にはいい人ばかりなのが我が「豆腐リング」なのである。豆腐が好きな人に悪い人はいない。それは焼き豆腐党の面々だって同じことだ。僕はこんなにもたくさんの豆腐好きと出会えたことを嬉しく思う。はてなリングがあってよかったと思う。

今日今日とてリングアンテナを見て、更新されたサイトを巡回する。豆腐料理レシピを見つける。そうかケチャップか、なるほどね、今度試してみよう。はてブに追加しとこう。[レシピ][豆腐][あとで作る]と。もう二人もブクマしてるよ。これで、注目エントリー入りだ。

リング掲示板は……

新しい書き込みはない。今日は少し暇がある。はてなリングタグ一覧ページを見る。最近のお決まりコースだ。それにしてもはてなリングタグ機能はもうちょっと改善の余地があると思う。リング作成者しかタグを付けられないのはどうだろうか。ソーシャルタギングになってない。web2.0時代のウェブリングなのにね。

とまあそんなことを考えながら、暇なので閾値を1userにして、薄く広がったタグクラウドを眺めている。

一つのタグが目に留まる。

なんだこれは。


絞りカス


なぜかはわからない、異様な感じがした。

これは何を表すタグなんだ。

ネタにしてはこなれていない。

何のリングかわからない。

「絞りカス」のタグクリックする。読み込みが遅い。最近はてなは重い。少しいらいらする。読み込み完了。

そのリングは現れた。


おからリング

おから豆腐の絞りカスです。」


……?

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2006-01-12

はてなリング劇場 - 『Rの悲劇』(2):焼き豆腐党

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承前(id:comnnocom:20060109:hrg)

「焼き豆腐党」といっても、焼き豆腐がとりわけ好きなグループというわけではない。彼らは豆腐が好きすぎるのだ。豆腐愛が高じて他の食材を愛する人たちへの攻撃になってしまうほどに。

ある時、豆腐リング掲示板に「卵豆腐もおいしい♪」というスレッドが作られた。「あの豆腐とは一味違うぷるぷる加減がたまりませんよね」「私も好きー」「固める前に何か入れるとまた違う楽しみが出来ますよ」などと、実に和やかな雰囲気で書き込みが積み上げられていった。そこにである。

「君らの卵豆腐には、大豆は使われているんですか?」

焼き豆腐党の中心人物id:"yk"の発言である。この怒りをかみ殺して書き込まれたに違いない言葉を見たとき「これはまずい」と思った。

id:"yk"はその後理路整然と、大豆を使っていない卵豆腐の話題が、豆腐リング掲示板にいかにふさわしくないかを書き込んだ。彼なりに理屈は通っているので生半可な反論は出来ない。しても返り討ちにされるだけだろう。卵豆腐スレッドを立てた人がかわいそうで仕方が無かった。今でも過去ログを読み返すと少し悲しくなる。

id:"yk"と彼に賛同する数人のメンバーは、このような豆腐好きが高じたが故の行動を繰り返すうち、いつしか「焼き豆腐党」と呼ばれていたのだった。彼ら自らこの呼称を名乗ることは無かったが、内心では気に入っていたらしい。

つづく

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2006-01-09

はてなリング劇場 - 『Rの悲劇』(1):結末

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「こうするしかないよな」


そうつぶやいて、僕、id:"t"は「リングの削除」ボタンマウスカーソルを合わせている。はてなリングはいったん作ると削除するのは難しい。多くのサイトが参加している人気リングならなおさらだ。


豆腐リング


僕が主催しているリングである。

食材単品をテーマにしたリングにしては参加サイトは多いと思う。

いつの間にやら50サイトである。みんな豆腐が好きなのだ。うれしい。なんたって白いし。柔らかいし。熱くても冷たくてもおいしいし。

掲示板も盛り上がっている。今は季節柄、鍋物に関するスレッドが賑やかだ。僕は湯豆腐が好きで時々書き込んでいる。

そう、鍋物スレッドといえば彼らのことを忘れてはならない。

「焼き豆腐党」と呼ばれているメンバー達である。


つづく

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