とある理系男子の書斎には、どうしても小説が少ない。っていうか無い。

        いろいろやっていければと思います.
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2008-02-19

安眠2 23:35 安眠2 - とある理系男子の書斎には、どうしても小説が少ない。っていうか無い。 を含むブックマーク はてなブックマーク - 安眠2 - とある理系男子の書斎には、どうしても小説が少ない。っていうか無い。 安眠2 - とある理系男子の書斎には、どうしても小説が少ない。っていうか無い。 のブックマークコメント

私は安眠を欲していた。

そうはいっても、ことはさほど深刻ではない。毎日夜更かし気味でも多少朝起きづらい程度で、特に不眠症の類ではなかった。それでも、睡眠の質が良くなれば、より短い睡眠時間で疲労の回復が望めるのもまた事実だ。時間節約になる。

近所の雑貨屋で、私はアイマスク耳栓を購入した。アイマスクはかなり大きく、小鼻まで届くような600円のもの。耳栓は今流行の、細く変形をさせてから耳の奥深くへ入れると中で膨らむ300円のもの。これら2つを買って、私は帰路に着いた。

ぬるめの風呂に長めに入り、普段は投げっぱなしの枕もきちんと用意した。そして、私はアイマスクをつけた。耳栓をどこに置いたか一瞬忘れ、しまった、先に耳栓だろ常考、と思ったが、まもなく見つけ、事なきを得た。電気を消し、布団に入る。電気を消すときに何かが割れるような音がした。電灯の紐を強く引っ張りすぎたかもしれない。しかし、今から私は眠るんだ、と決意をした以上、その確認はあまりに億劫だった。私は携帯電話を取り出した。彼の人が言うには、睡眠時間がおよそ3時間でいいのだという。3時間でいいにもかかわらずいつもどおり6時間も寝ては損なので、余裕を見て3時間半ほどで起きてしまおう、という寸法だ。その時どうしても眠たければ、そこからまた眠ればいいだけの話だ。取り出した携帯電話のメニューを開き、アラームを設定しなおす。よし。寝よう。眠る。

全く眠れない。気が付いた。全く視界が遮断されていない。聴覚についても同様だ。近所の猫がくしゃみをする音までよく聞こえる。薄ぼんやりではあるが、天井の板の境目も見える。なんだこれは。目に手をやる。石油繊維の布の感触。耳に指を突っ込む。ウレタン系の感触。間違いなく、私はアイマスクをしている。耳栓をしている。私は瞬きを何度となく行った。変わらない視界。もはや、まぶたを開いているのか閉じているのかさえわからない。石油繊維の布の感触。拭おうと思っても拭えない。私の手は中空をさまよっているはずだ。何が私に触れているのかわからない。変な味がする。今まで聞いたことのないような音が聞こえる。もはや音が聞こえているのか何か違う経路で脳へ響いているのかすらわからない。体の表面という表面全てを何かが滑っている。痛い。熱い。冷たい。苦い。うるさい。眩しい。痒い。甘い。臭い。眩めく。白い。黒い。空中を落ちているような感覚重力が倍加したような感覚。全身が圧迫されている。全身が吸われている。キンキンする。ボーっとする。痺れる。刺さる。揺れる。引き攣る。青い。しんどい。軽い。なまぬるい。怖い。悲しい。切ない。こそばゆい。辛い。苦しい。とげとげしい。赤い。高い。短い。高い。短い。

私は携帯電話アラームで目を覚ました。時刻は午前4時。目覚めは最悪だった。思い出すのも嫌になるほど、悪夢だった。感覚遮断をしたはずなのに、夢の中ではむしろ感覚の遮断が許されず、強制的にあらゆる刺激が入り込んできていた。世界感覚感覚と自分の区別が付かない状態がこれほどまでに気持ち悪いとは思わなかった。私はひどく痛む頭を両手で掴み、なんとか思考力を取り戻した。

なるほど、確かにこれなら3時間以上の睡眠は二度とごめんだ。

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