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2007-01-10

チェリーおじさん

| 13:56 | チェリーおじさん - 論理兵站 を含むブックマーク はてなブックマーク - チェリーおじさん - 論理兵站 チェリーおじさん - 論理兵站 のブックマークコメント

チェリーおじさんは、サラリーマンです。チェリーおじさんは、まいあさ5じはんにおきて、6じ15ふんにいえをでて、6じ23ぷんのバスにのって、6じ47ふんのでんしゃにのって、8じ16ぷんにかいしゃにつきます。でも、そのひのあさは、いつもとちがいました。5じ5ふんにめがさめると、おじさんは、にわにでました。

かいいぬのエドは、おじさんがサンダルをはいたおとで、きがついて、いぬごやをでてきました。おじさんはエドがすきでした。エドもおじさんがすきでした。

「エド、さんぽにいこう」

あさ、おじさんがはやおきをしなければならないくらい、おじさんのいえは、みはらしのいいところで、やまも、たにも、かわだってあります。だから、エドとおじさんのさんぽは、とてもすがすがしいものでした。くうきのよさと、みずのおいしさ、あと、まいつきのおきゅうりょうで、おじさんは、ここにすむことをきめたのでした。

「おじさんはね、きょうは、かいしゃにいかない。ふじのやまいってやつになっちゃったからね。さいごに、たびにでようと、おもっているんだ。なにしろ、ふじのやまいだからね。しぬまでにだびだたなきゃ、まにあわない」

やにわに、エドはたちどまり、おじさんのかおを、みつめています。

「どうした?」

「おじさん、ぼくもたびにつれていってよ」

おじさんは、もう、びっくり。だって、いぬのエドがことばをはなしたんですから。

「ほんとうは、ぼく、いぬぬいぐるみをきた、にんげんだったんだよ」

「うーむ。ははあ。いきていると、おもしろいこともあるものだなあ。それも、ふじのやまいになってから、すばらしくおもしろくなってきたぞ。よーし、よし。たびにつれていってやろう。いや、ぜひ、いっしょにきてくれ。おねがいするよ」

ありがとう、おじさん!」

エドは、ぜんそくりょくで、はしりはじめました。おじさんは、ひっぱられます。でも、くさりははなしませんでした。

「おい、おい。まってくれよ」

「ぜんはいそげだよ、おじさん。さあ、たびにでよう」

おじさんも、たのしくなってしまって、エドとおなじスピードで、はしります。ネルパジャマと、おくさんのピンクカーディガン、そしてサンダルをはいたおじさんと、いぬぬいぐるみをきたエドを、あさひがてらしています。

ところで、ぶちょうがカツラだということ、しょむかのみよしさんが、えいぎょうのたけだとふりんしていること、みよしさんはぽっちゃりしていて、いろじろのべっぴんさんだということ、そのほかいろいろと、にんげんかんけいのどろどろしたみにくいぶぶんを、エドにもらしてしまったじぶんが、おじさんはすこし「はずかしい」とかんじました。でも「そんなことはどうでもいいや」とも、おもいました。だっておじさんは、じゆうになったのですから。

extrameganeextramegane2007/01/10 13:5710年以上前のやつ。

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2007-01-01

おやじ対メカおやじ

| 00:06 | おやじ対メカおやじ - 論理兵站 を含むブックマーク はてなブックマーク - おやじ対メカおやじ - 論理兵站 おやじ対メカおやじ - 論理兵站 のブックマークコメント

登場人物
おやじ、奥さん、娘、息子、部下、女

01

   天気のいい朝。

   住宅街。

   電車が走っている町。


02

   一家団欒の食事。

   おやじ、芋の煮付けを箸でつかもうとするが、滑って落とす。

   おやじ「おいおい、この芋生きてるよ」

   息子「そんなわけないだろ」

   おやじ「そんなわけないか。はは、こりゃ父さん一本とられたな」

   おやじ、笑う。

   みんな笑う。

   タイトル

『おやじ対メカおやじ』


03

おやじ「おい、久しぶりに一緒に風呂に入ろうか」

   娘、振り向く。

娘「いいよ」

   脱衣かごの映像風呂桶の音。

おやじ「すごいぞー! 父さん一本とられそうだー。延長だー」


04

   おやじ、テレビを見ながらタバコを吸っている。

奥さん「あなた、お医者さんに止められてるじゃないですか」

おやじ「そうだったな」

   おやじ、タバコ消す。

奥さん「ねえ、あたし子供できたみたいなの」

おやじ「ホントか」

息子「ゴメン、父さん」

おやじ「初孫か!」


05

   ホテルからおやじと女出てくる。

女「課長、奥さんと別れてください」

おやじ「そんなこと言われても、課長困っちゃうなあ」

   そこに、部下、偶然通りかかる。

部下「あっ、課長」

おやじ「目撃されたら、課長さらに困っちゃうな」


06

   おやじの家。

女「あれしかありませんね、奥様」

奥さん「ええ、あれしかありませんわね」

おやじ「あれって」

   おやじ、視線を感じて振り返る。

   息子と娘がドアの陰からじっとみている。

おやじ「照れちゃうなあ、あんまり見つめられると」

   おやじ、タバコに火を付ける。吸う。むせる

奥さん「やめなさいよ。タバコは」

   おやじ、吸う。むせる

   奥さん、タバコ取り上げる。テーブルの上に、置く。

おやじ「いい機会だ。みんなにいっとく。驚くなよ。いいか。父さんな、不治の病に侵されているんだ」

   一同、おやじを見つめたまま、無言。暖かく見守るでもなく、軽蔑の視線でもなく。

おやじ「もし、父さんがどうにかなっても、お前たちは、無駄に焦ってはいけない。冷静でいろ。いいか。びっくりするな。父さんな、あと3カ月の命なんだ。いいか」

   イヤな、中途半端な間。

おやじ「いいか」

   おやじ、タバコに火を付ける。吸う。むせる。吸い続け、むせ続ける。

おやじ「いいか。人はいつか死ぬ。誰もがだ。お前たちも、考えておいた方がいい。いつかは死ぬんだ。執着するな。何物にも、とらわれるな。氷が水に、水が湯気になるようなものだ。父さんは、ここからいなくなるが、どこにでもいることになる」

   おやじ、床に倒れて、いつまでもむせている。皆の冷たい視線。


07

   回想。あるいは幻想

おやじ「父さん昔、宇宙飛行士になりたかったんだ」

息子「じゃあどうしてならなかったの」

娘「お父さんとお母さんとどうして結婚したの」

おやじ「二人ともお互いが必要だったんだ」


08

   回想。あるいは幻想

   若い頃のおやじ、泣きながら。

おやじ「結婚してくださいいい」


09

   回想。あるいは幻想

   裸のおやじ、鼻息を荒くして。

おやじ「め、目隠ししても、いいかなあ」


10

   回想。あるいは幻想

おやじ「父さん昔、宇宙飛行士だったんだ」


11

   回想。あるいは幻想

女「課長、お年の割にはタフですね。私びっくりしました」

おやじ「課長だなんて、キミ」


12

   回想。あるいは幻想

部下「いやあ、課長にはびっくりだなあ。ところであの女、けっこう床上手ですよね」

おやじ「は、あははは、ホントにびっくりだ」


13

   回想。あるいは幻想

おやじ「父さん昔、正義の味方だったんだ」

   正義の味方のおやじ、ポーズを付けていう。

おやじ「やー」


14

   回想。あるいは幻想

おやじ「父さん昔、神様だったんだ」

奥さん「あなた、世界は破滅なんて求めていないのよ。いくら待ってもメカおやじなんて現れないの」

   神様のおやじ、片手をひょいと挙げて一言。

おやじ「光あれ」


15

   朝。

   おやじ、布団にはいって、横になっている。遠くから、奥さんの声。

奥さん「あなた、ごはんできたわよ」

   おやじ、かっと目を見開き、さけぶ。

おやじ「畜生! 畜生! 畜生!」

   おやじ、枕元のタバコに火を付け、むせずに吸う。

おやじ「畜生


16

   ふたたび一家団欒の食事。

   おやじ、芋の煮付けを箸でつかもうとするが、滑って落とす。

   しばらくその芋を眺めるが、おやじ鼻で笑って、箸を芋に刺し口に運ぶ。


17

   電車。車内。

   おやじ、長椅子のはじに座り、死んだようにねむりこけている。あるいは死んでいる。

   クレジット

   エンドマーク

extrameganeextramegane2007/01/10 14:0310年以上前のやつ。

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