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2009-01-04

[]誰とでも寝る女 02:21 誰とでも寝る女 - missile++ を含むブックマーク はてなブックマーク - 誰とでも寝る女 - missile++ 誰とでも寝る女 - missile++ のブックマークコメント

彼女は誰とでも寝る女だ。正確に言えば「誰とでも」という訳ではなくて、「不特定多数の」とでも言う方が正しいのかもしれない。寝る相手には、彼女なりの基準があるらしく、彼女曰く、それは彼女趣味が(感性が)似ているとか、性格が穏やかな人とか(彼女体育会系人間が好きではない)、外見にそれなりに清潔感があるとか、適度にエロさがあってセックスの相性が良いとか、まあそういったことらしいのだが、私が聞いている限り、それは一定の基準をクリアした男とであれば、誰とでも寝る、というべきスタンスなのではないかと思う。私は彼女にそう言ってみたら「うーん、要するにセフレって事じゃないですか」と彼女は答えた。セフレ、発音してみると、軽薄で浅薄時代遅れ言葉関係性。

誰とでも寝る事を除けば、彼女はどちらかと言えば真面目な類の女性だ。外見的にも、内面的にも。仕事に熱意を持って取り組んでいて、他人の痛みには敏感であり、礼儀も弁えている上に思いやりもある。話し方は穏やかで、ちょっと舌足らずなときもあるけれど、思考は冷静そのもので、抽象的な話題も好んで取り上げる。フェミニズムに興味があって、そういった評論家の本を好んで読む。まさかこの女性が誰とでも寝る女だとは誰も思わないかもしれない……しかし、むしろそういった彼女の知性や好奇心が、そういった行動を導くのかもしれない。よく分からない。

かく言う私も、彼女と定期的に寝る関係だ。私の道徳観からいうと、基本的に人は好きな相手としか寝るべきでないと思っているので、そもそもこのような関係に陥ってしまった原因が自分でも良く分からない。私は彼女に、君が好きだから他の男とは寝ないで欲しいし、自分とだけ付き合って欲しい、と頼んでみたのだけど、よくよく考えてみると、彼女の事を24時間監視できるわけではないのだから、そんな事を頼んでみたところで無駄と言うものだ。

彼女はそういう女性によくあるように、ちょっとした嘘つきで(女性は大体ウソつきだというのが、私のやや偏見じみた持論だ)、「○○さんが一番好きだから、他の人は趣味で寝てるだけですよ」などと言う。掌で転がされてるのは分かっているのだけれども、それでも私はそんな言葉に安心してしまう。私は、そんな自分の心を少し腹立たしく思ったりもしている。

彼女が誰とでも寝る理由はよく分からない。彼女自身にもきっと分かっていない。ちょうど絡みあった毛糸の玉の様な、柔らかで複雑な回路がそこには存在するのだろう、と私は想像する。

こんな事は詮の無いことだ、と頭では分かっているけれども、私は携帯電話メール着信のイルミネーションに逆らえない。体が自動的に行動を開始する。曖昧笑顔仕事を早退。性欲か、習慣か、彼女への好奇心か、はたまた恋心か。私のアタマの中にも、解れて絡まりあった毛糸のくずが存在する。そのほつれを解くまで、私は、彼女と会話し、寝るのだろうと思う。徒な空気の振動と言葉のやり取りと、薄皮一枚隔てた皮膚の感触。とりあえずは、今のところその感覚だけが頼りなのだ。

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