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小説蛾螺倶璃砦

2006-07-29

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第三話「空飛ぶ円盤UFA」 (第一話)(第二話

 時は既に昼下がり。クラスメイト達は各々の好む場所で昼食をとり始める。

 それを横目で見ながら悪趣味ストラップに話かけているもの、一人。

「あのさ」

「ななんですか」

「ご飯。食べたいのよね」

「ははい」

「食べたいのよね」

「ははあ? 別に、そのようなことを私に言わずお食べになれば」

「ない」

「ははっ?」

今日朝5時起きしてまで作った弁当が無いの」

「ははあ。ならば学食や購買や近場のコンビ二などをお使いになればよろしいのでは?」

「私の分ならそれでいいんだけれど、駄目。あの弁当は代えがきかないのよ渡す分だから」

 ストラップがカチゥ、カチゥと怪しい音を鳴らし始める。なんとはなくしたり顔である。

「カチゥ。ななるほど。そういう事でしたか。いやはや驚きです。あなたに限ってそういう事があるとは」

「あるとはって、あんた、あたしをどう思ってたのかなぁ参考までに聞かせて欲しいんだけれど答えによっちゃあ針金があんたの口を永久に閉じる事になるからよろしいか」

「はは、はは。ままあ物騒なのはそれ位にしてですね、お弁当、どうなされるんですか?」

「そういえばそうね…。うーむ。今から家に帰ってたら昼休み終わっちゃうし…。うーーん、この際購買パンで我慢してもらうしかないか?」

 そこにストラップが目を原色にビカビカ光らせて、口を挟んだ。

「おお待ちを。ここは“マジカルゾンビ”の出番です」

「…」

「ままた嫌そうな顔を」

「だってさあ、腐乱死体に変身してなんとかなるような事態じゃないでしょうよ」

「だ大丈夫です。方法は、あります」

 ストラップの目がビカビカ光る。

 

 場所は変わって屋上。そのあちらこちらで生徒達が歓談の花を咲かせている。それを屋上でも一番高い給水等の上で、特に眺めるでもなく見ている一人の男子学生がいる。ちなみに彼は腹が減っている。いつもここに来るまでには弁当一つが手渡されておいるはずだが、今日はそれがない。

 たまにある事だ、と彼は思う。この場合、しばらくしたら学食に一緒に行くか購買のパンを渡される手筈になるので、しばらくの間ここで景色を眺めていればいい。

 暇だが、腹が減っている今は動かずにいるのが一番楽だ。

 と、いつものように空をみていると、何かがこちらに向かって飛んできている。

 「鳥」

 と呟いてみたが、それは飛んでいるというより風に流されているように彼は感じた。羽ばたきが無い。

 「滑空」

 それはこちらに向かってきて、来たと思ったら既に頭上を通り過ぎていた。

 その何かと一瞬、

 「目」が合った。

 「目?」

 疑念がわいたが確信はもてなかった。「それ」は既に過ぎ去っている。方向は裏山のほうだ。ふとそこから視線を戻すと、彼の手元に弁当箱が落ちていた。

 それを手に取りつつ、彼は最前の疑念を口にしてみた。

 「…首?」

 疑念は解消されなかった。

(つづく)