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小説蛾螺倶璃砦

2006-08-03

[][] マジカルゾンビ・で☆かんぱーず大谷  マジカルゾンビ・で☆かんぱーず大谷 - 小説蛾螺倶璃砦 を含むブックマーク

第四話「は、はらが勝手に… うわぁああああああ」  (第一話)(第二話)(第三話

「あのさ」「ははい」

 授業が一通り終わり、校内は部活に帰宅にだべりに、生徒達が授業時間よりも遥かに騒がしい忙しい時刻。その賑わいから遠ざかるように、誰もいない裏山で一人と一匹は茂みに身を隠して語り合う。

「変身をさ、するじゃない私」「ええ」

「その時さ、口が上手く動かなくてなかなか喋れなくて不便なんだけど。なんとかならない?」

「ででも、今日朝は話し合えたじゃないですか。あの助けた青年にも、警察には我々の事は話さない、と約束できましたし。最後は笑顔でお別れだったではありませんか」

「あの笑顔はなんか死とか現実とか色々覚悟した笑顔だったと思うぞあの後すぐ早口に耐えられなくて血反吐はいちゃったしな。ってかさ、助けた相手に恐怖対象認定されてどうするのよ」

「そそういうものですか。この世界の人は難しい」

「んなこと言ってる間には、どうにかしろ。じゃないと…」

「は針金は勘弁ですね。わかりました、設定を変えておきます」

「設定? それでどうにかなるわけね?」

「ははい」

「じゃあよろしく」

 と、そこに、声。

「あ~、あ~、あ~。だ~あれかいませんか~。だ~あれもいませんか~」

 隠れていた茂みの向こうに、人が来たようだ。

「バカこんな時間にこんな場所に人なんかいねーよバカ」

「あ、あの、こんな場所に黙々とつれてきて一体何を」

「いんや特に何、って事は無いぜ。このまま黙々と有り金全部渡してくれれば終わりね」

 こうなっては、出るに出られない。とそんな所に。

「ここれは、お助けのチャンスですよ! 100ロメロ位ですよ!」

 と言い出すバカお供。その大声は山に響く程ではないが茂みの向こうには確実に聞こえた。

「あん? だれかいんのかだれかいんのかおい」

「あああばれましたね。やるしかありません」

「…ちっ。仕方がないわね」

 仕方無しに取り出した魔法の上腕骨を回して。

  「変身~~~☆」

   おうぇうぇえうええおうえぇえぇうえぇえぇうぇぇうえ

ばしゅ~~~~~ぅ

「なんだ煙が」「ごほ、げほ、く、くせえ」

 変身煙幕にむせる悪漢にまず一声。

「この愚か者共!」

 すっぱりと出る声に好感触。続けて第二声。

「自分の貧弱な懐具合に我慢が出来ず、他人様の物に手をつけるとは言語道断! そんな不届きな愚者にはこの」

「なんだこれう、うわうわうわうわあああああああ!」

まきついてく、うわくせええええあああああああ!」

「助けてたすけてたすけてたすけてたすけて助けて!」

「マジカル…、ちょっと! これどういう事よ!」

 口は確かにちゃんと動く。そして己の腹の裂け目からまろび出た小腸大腸もまた、動いて悪漢とついでとばかりにかつあげ被害者にも絡み付き、動きを封じていた。

「えええ、だから設定ですよ。マジカル吐血からマジカル腸結びに必殺技の変更を」

「なんで必殺技がそんなのばっかなのよばかああああ!」

「ぎゃああああ」「うわあああああ」「ひいいいいぃぃいい」

 

「…」

「…あいつ、何してる?」

(つづく)