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掴めそうで掴めない情景、淡く、うっすらと。

記憶の中にぼんやり灯る物語。

2009-06-03

[] 断片、散文、構築、自動化、Web 10:33  断片、散文、構築、自動化、Web - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  断片、散文、構築、自動化、Web - pour away

一言ログ、写メログ、ブックマーク、引用、イラスト、その日のニュース、占い、その日聞いた音楽、あらゆる表現、断片をWebに放り込む

その人というメタで結ばれたデータは柔軟に簡単に抽出、再構成できるようになったらいいな。

何月何日とか指定すると移動した場所、見た景色、食べたもの、一言とかが時系列に並ぶ。

結婚記念日とかでも、誕生日とかでも、親が放り込んだ断片や友達が放り込んだ断片すらも繋がる。

ああ、これって走馬灯って言うんだっけ。

  • Twitter、Wasserログ
  • 検索履歴
  • 移動履歴
  • ブックマーク
  • 携帯百景
  • Tumblr
  • ニュース、占い、出来事
  • iTunes、youtube、ニコニコ動画などの音楽、エンターティメント履歴

セマンティック・ウェブ

World Wide Webはそれ以前のハイパーテキストシステムを霞ませるほどの成功を収めたが、それらのシステムが持っていた多くの機能を欠いている。例えば、型付きリンク、トランスクルージョン、ソーストラッキングなどである。

ウェブは人間が読むための「文書のウェブ」から、様々なデータを自在に発見して利用できる「データのウェブ」へと向かいます。セマンティック・ウェブと呼ばれる分野では、このデータのウェブを実現するために、表現のモデルや交換・共有を可能にするオントロジー、そして推論や頼性検証といった各レベルでの技術開発が進められています。メタデータを適切に与えることで、文書情報をこの「データのウェブ」に組み込むことが可能になります。

  1. “Web 2.0”の主張
  2. Web 1.0からWeb 2.0へ
  3. AI/KRとセマンティック・ウェブ
  4. セマンティック・ウェブへの跳躍の問題
  5. Web 2.0による橋渡し
  6. Web 2.0とセマンティック・ウェブ
  7. 橋渡しの3つのテーマ
  8. テーマ1:microformatsのグローバル化
  9. 変換ルールの汎用フレームワークGRDDL
  10. GRDDLとhtmlプロファイル
  11. GRDDL変換の間接指定
  12. プロファイル文書でのXSLT指定
  13. もう少し進んだXHTMLとRDFの連携
  14. GRDDLの利用
  15. テーマ2:個別APIはスケールさせにくい
  16. RDFグラフへのクエリSPARQL
  17. ウェブの共通クエリとしてのSPARQL
  18. テーマ3:フォークソノミー・タグとオントロジー
  19. タグの論理処理の第一歩:データモデル
  20. 次の一歩:タグ・オントロジー
  21. タグ・オントロジーのグラフ
  22. タグのグループ化
  23. タグのグループと曖昧さ
  24. タグとWiki
  25. タグのグローバルな利用のためのサービス
  26. W20からSWへの道筋

URIと、httpというシンプルな仕組みによって、そしてまた比較的容易に習得できるマークアップ言語HTMLによって、Webは爆発的な勢いで普及しました。

しかし一方で、シンプルが故のセキュリティに関する問題や、Web上のデータ交換という新しい局面も見せていることは確実なことです。

W3C では、HTML をこれ以上拡張するよりも、既にある XML を基盤として、様々な「ボキャブラリ」を再利用し組み合わせることで、よりダイナミックでインタラクティブな、そして何よりもセキュアな Webの構築を目指しています。


WWWは成功したけれど当初の思想にあったもの、当初の設計にあった機能が足りない。

が…

なんか違う…と思ってしまうのは理解が足りないからなのだろうか。


2009/06/04 Add

Webがこう変わるではなく、仕組みや大枠としてはこんななんだけど、OS、ブラウザやWebサービスがこれを実現していくかなぁという気がしている。

今のWebは下水でまだ上水道は整備されてませんよ。弱い人は安心して飲めませんよ的な

意味っていうのは使う人によっても変わってしまう、それをカバーするにはその人用にカスタマイズされたツール。

GoogleサーチWikiのようなもの。この人にとってこの単語はこの意味、この文脈ではこう、とか。



OSSな文章ってあんまり

OSSなソースも読んだり、使ったりするけど、大抵同じAutorが書いてたりする。

趣向が合う人っていうのは本当に稀有。その人のソースがもっと読みたい。

それをやったとしたらクォリティがバラバラな攻殻機動隊 SACみたいになりそ。

コントローラがしっかりしてればまぁなんとかなるのか。タモリのやつとかもそれに入るのか。



Webは人のログを集めて人の影を作る



ペアプログラミングは条件が厳しい

同じレベルの書き手でないと始まらない。レベルが違いすぎると大抵はうまく回らない。

あとは互いに尊敬できている師弟とか。

しかも、あれの効果はFire and Motionでしかない。要は書き出すはじめ一歩を加速させるだけ。



Google Waveならそれぞれが同じテーマでも別のテーマでも、なにか書きつつ、それが互いに同時に読めるのは楽しいかも

コクピットみたいに。全員が編集者で読者で著者。

あー、この人はここでここの部分書きなおすんだーとか。

データの共有から機会の共有へ。



RSSやらのデータは単純なテキストを流すのではなく(RSSでなくともいいけど)、文の主語、区切り、例えばジョウントって単語があったらそれが最初に出てきたシーンへリンクするとかそーゆーの

文体や文章の構成から似たような文体、構成を探せたりすると楽しい、これ名前違うけど書いたのオマエでしょ?っていう。匿名はどーなるかな。


2009/06/04 Add

RSSリーダーはRSSを直接引っ張ってくるのではなく、ストックし差分を管理して欲しい。

どの文章がどう変わったのか。それが知りたい。贅沢を言えばバージョン管理というのは文書フォーマットに含まれて欲しい。

例えば文章を削除したらdelタグ、普段は見えなくて、履歴をみたいときにはその文章の箇所に現れる。



リンクで飛ぶっていうのは正直煩わしい

リンクっていうのはもう古い気がする。

画面の切り替わりはリンクではなく断絶。

クリックさせるな。スクロールさせろ。ジェスチャーさせろ。

何かを押して何かを得るっていうのは自動販売機よろしく不自然。


2009/06/04 Add

ゲームでnow loadingってあるじゃないですか、あれダメなんですよ。止まっちゃうからこっちからの入力と向こうからの出力が。気持ちが途切れる。音楽聴いてて途中でぶちっていうノイズしたら不快でしょ?youtubeで良いシーンでバッファ足りなくなって止まったら不快でしょ?どうして機械の都合でこちらが止められないといけないのか。

autopagerizeが流行ったのも、クリックして画面を切り替えるっていうのが人間に即してないインターフェースからかななんて。リンクをクリックして次のページがロードされるまでの間。強制されるまばたき。テキストに関してはそんなに情報量がないから問題ないのか。

ポータルサイトって訳でもなく、全てのページのリンク先や意味やWikipediaやらがポップアップするのもなんかなぁ…うーん。

仕組みも見せ方もマインドマップに近いようなインターフェース。マウスオーバーしたらそこから根や枝や葉が広がるような。

視線を使うインターフェースはアレなので、マウスの軌跡。それも今のようなジェスチャーするぞ!っていうのがあって起動するものではなく、マウスの移動速度や動き、過去のデータからジェスチャの察知。あ、今これがわからなくて迷っているな、とかこれを検索したがってるな、とか。インターフェースは空気読め。

ブックマークのタグ付け、ブクマコメントはちょっとおかしい、はてなスターで選択した部分にタグやコメントを入れるイメージ。

今自分がはてなブックマークを使っているのは賛成、反対の表明、感じた情動の表現、何年か後に何かの偶然で読み返せるかもという期待。今までの蓄積されたブックマークから去年の今日ブックマークしたエントリーを読むのが今は楽しい。ブクマコメントも去年はこう思った、今年はこう思った。みたいにできたら。



オレはオマエを知りたい

検索したいのはその人。


2009/06/04 Add

その人の思考の道筋、跳躍の仕方、バックグラウンド。

思考の実験。

Webは人を精神的に老いさせる。

ツール、使い勝手、手触りは思考を変える。

思考のカツアゲ。おら頭の中身出せよ。脳汁飲ませろ。皆レクター。



2009/06/15 Add

キャッシュに限らず, 閲覧履歴やブックマーク, メールも似たような問題がある. 結局 Web は "URL で識別できるページとそれに付随するメタデータ" みたいなモデルでかなり広い範囲が扱えてしまう. だから join できなくても, 中心のテーブルに (多くの場合 URL やホスト名を主キーとしたもの) ざっくざっくとデータを放り込める BigTable の方がありがたい気持はわかる. flino は内部にいくつかテーブルがあるけれど, 結局ほとんどの SQL はページ ID (URL と時刻の対だと思ってください)をキーにページのテーブルと別のテーブルを join している.

ついでに flino はタイムスタンプでの versioning もやっている. オープンソースの BigTable があったらこのへん一瞬なわけですよ. もう羨しくて仕方ない.

steps to phantasien t(2006-09-11)

2009-05-29

[] Processing Processing 10:06  Processing Processing - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  Processing Processing - pour away

  1. Webページとは何か?どこで始まり、どこで終わるのか?そのような概念は有用なのか、それともWebページを相互リンクしたドキュメントの大きなデータべースのひとつとして見た方が良いのだろうか?
  2. ブラウザはWebに適しているのだろうか?それはHTMLページを見る分には十分だが、私はむしろ、GoogleExcelに内蔵されているような、Webやローカルファイルを検索し、必要に応じてブラウザをポップアップするようなスマートなデータベース/スプレッドシートが欲しい。Webのコンテンツの大きな部分はメタデータだ。検索ボックス、目次、ナビゲーション、最近更新されたもののリスト。サイトがアドレスバーにファビコンを持つのと同じように、サイトの一番上のパンくずリストが役に立つ事はないだろうか?
  3. どうしてemがiより優れているのか?私が1901年からのコンテンツを公開し、それがイタリック体であるなら、それはイタリック体なのであり、強調(em)ではない。タイポグラフィというのは歴史によって微妙に変化し、情報を与えられ、深い意味を持つ。現在のWebの状況は、このことを多かれ少なかれ完全に無視し、タイポグラフィの基準とアイデアを木構造のデータベースへとねじ込む方法を延々と捜し求めている(例えば引用符qタグ)。
  4. なぜあるタグは他のものより特権が与えられているのだろう?なぜblockquote、em、strong、qといったタグは event、note、footnote、factのような存在しないタグよりも必要なのだろうか?それはHTMLがタイポグラフィの構造を受け継ごうとしたからだ。そしてそれらはほとんどの人に受け容れ難く、微妙で複雑なものになった。そしてそれに拘り続けている、ああ、Webとはタイポグラフィ的、セマンティクス的に未成熟という事を意味するのだ。…狂っている。
  5. どうすればコンテンツの本当の再利用ができるか?私はDocBook形式のXMLは本にでもWebページにもできるというような事を言っているのではない。私が言っているのは、個々の文やフレーズを取り出して時系列に並べることで、短編から脚本を自動的に抽出するような。そういう類のものだ。
  6. 単に「このページにリンクする」なんて言わずに、「このページはあのページの内容を拡張している」とか、「このページはこの著者のXという名前のリソースである」のように言ってリンクに意味を与えるべきだとして、それで私たちにどうしろというのだろう?つまり、それによって何が得られるのだろう?

テキストの本質とは何なのか。タイポグラフィーとは、物語とは、それらはWebの中ではどうなるのか。

それを理解するのにシステムを構築するのは手っ取り早い方法だ。

これは、古くからあるレトリックの伝統、ソフィストとアリストテレス派の葛藤を解決する方法だ。

画面に表示されるテキストはストレートな散文だ、スムーズに読めるようにデザインされ、磨き上げられ文彩の光沢を得る。

しかし、コンテンツを管理するために使用されるリンク等が単一の論理的な状態でしかない。


男はいつかは死ぬ。

ソクラテスは男。

従ってソクラテスは死ぬ。

ポール・フォードはこのエッセイを書いている。

従ってポール・フォードはライター。

このページは、そのページに関連している。


あなたが読んでいる何かの文章は歴史が試行錯誤してきたものだ。

ソフィストからデリダまでの文章の歴史の影響を受けている。

しかし、あなたをナビゲーションするものは唯の論理的な状態だ。

テキストや画像を選択、クリックしてファイルを取得したり、画面に表示したりしている。

テキストはレトリックの伝統に基づき、リンクは論理的伝統に基づいている、そしてそれのどこかに見定める価値がある。


レトリックの歴史家、ラーナムは欧米の教育学的理解の歴史はこれらの2つの伝統のゆらぎとして理解することができると指摘する、

一方は力強い言説(または批判)の為のコレクション。モラルと関係なく真実に根差さない、絡み合いもつれ合ったレトリックの伝統。

そしてもう一方は、プラトンの哲学やブール論理などの知識、エキスパートシステムや粒子加速器等を使って、宇宙に対する真理を探し求めてきた。

これら一方の伝統が正しいのではなく、これら2つの伝統の葛藤は、欧米文化に組み込まれていて、しばしばsprezzatura(難しいことを簡単に見せること)として議論される。

そしてこのサイトは「物語とロジックの関係とは何か?」という問題を私が取り組む場所なのだ。

Webにとってのsprezzaturaとは何だろうか?


私より賢い多くの人々が、言語学や小説の記号論に取り組み、それぞれを完全に分解し、ソール・クリプキのように名前とは何かを定義している。

彼らは方程式を使って、真実を追求している。

私はこれらのマシンの中で動作する物語を探している。

私を楽しませてくれるものを探している。

私は真実という言葉に騙され易い。

これは私が愚かという事を意味する、その愚かな私から深いギャップのある、人工知能コミュニティ、言語学の専門家、アルゴリズムのエキスパート、専門家、標準策定者、集合論の専門家、原典批評家、その他の解析者達、そして統計家を見ているが、しかしそこにあるのは羨望の眼差しではなく、ある種の絶望なのだ。

私はそれらのどれをも完全には理解する事ができない。私は彼らのようにはなれないのだ。


それでも私にも良い点はある。今では世界は4500語も手にしている。

それには何かの価値があるはずだ。稚拙な言い回しにせよ、誰かには反例として役に立つかもしれない。

それが専門用語だらけにも関わらず、誰かを愉しませる事ができるかもしれない。

私にはコンテンツマネジメントシステムがあり、機能し始めていて、私の散文の限界を示し、私の今後の道筋を見せてくれている。

このようなやり方ができる以前は見えなかったもの、それは今も読者には見えないが、書き手が文章を作成しているときの特別な経験とそこから生まれるアイデアがある。


これは新しいメディアにとってはもっとも痛い部分だ。どれほど多くのものがメディアそれ自体の為に使われているだろうか。

ブログが良い例だ。ブログを書く人の多くはブログ自体についてやブログで書く事について書いている。

新しいメディアで何をするかを探して、初めてマイクを持った人のようにマイクに向かって言うだろう。マイクの話です、と。

「マイク。テストテスト。わたしを。私はここよ。話してます。こんにちは、マイクです。私は話してます。私のブログをチェックしてください。」


幼児を持つ親達は教えてくれる。過剰な自意識は成長の段階に見えると。私たちのシステム全体からそれを取り除くのには時間が掛かる。

しかし、最終的には「私は何かを言っているよ」以外の事を言う価値に気付いて、前へ進むのだ。

メディアはメッセージになり得るかもしれないが、メッセージもまたメッセージなのだ。


他人からすれば私は愚かに見えるだろう。あの馬鹿が言っているように、だがそれは美しくもあるのだ。


Tuesday, September 2, 2003

Processing Processing

By Paul Ford

Ftrain.com

http://www.ftrain.com/ProcessingProcessing.html

2009-04-20

[] 仕事 13:18  仕事 - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  仕事 - pour away

「オマエの仕事を言語化しろ」

「ほあ?なんで?」



こらまた突然意味不明な事を仰る上司ですね。



「いやな?オマエの仕事ぶりはすげーよ?生産力もぴか一だし、早いし安いし上手い

「そのご飯の上に牛肉を載せるだけのお仕事みたいな言い方なんとかなりませんか」

「ただ、な?仕事を自分で終わったと判断して休まれるとな?困るんだワ。フォローとかあるし」

「う…」



…そう言われると言い返せない。

だーっと書き終わってテンション下がったから休んだだけなのに未だに根に持ってるのか。



「わかりました。やってみます。ただ結構大きいですよ。時間貰えますか?」

「ああ、いくらでも使っていい。ナルハヤでな?ハレルヤ!

「すいません!全然意味わかりません!



ナルハヤとかまだ使うやつがいるとは…

無駄に声だけでかいし、声がでかいと意見が通るっつーのもどおなっちゃってんだよ?

しかも語尾おかしいし、アタマオカシイんじゃーねーのか。大丈夫なのかなうち。あんなのが上司で。



どうする!?オレ!?







ワイルド系のカードでこんな事やっても何も変わらんか。

さて、あーやる気しねー…

まじめんどくさいんですkd。

自分の仕事を言語化つーか資料化つーか、其れ相応のモノにしなきゃいけないんだろうな…








めんどくさい…



ちょっと点在してるスクリプトとかバッチとか集めてみるか…








うげ、すげー量だ…コメントなんて残してないしなぁ。

ここのコードが何を意味してるかなんてファイル名からじゃわからんしなぁ…

うーん手抜くなよ過去の自分。

自分の仕事を他人にわかるように…これだけで一冊書けるんじゃねーか?「Work It!」とか「Art of Work」とかで。

あーダメダメ今はそんな暇ない。あいつのナルハヤは気分次第で明日にも一年後にでもなるからな。



あ!

これもコードにしちゃえばいいんじゃね?

うし、そうと決まったらやるか。プロジェクト名はシェムで行こう。申請は後にするとして。

手続きめんどいからなぁいつもいつも、先にモノ作っちゃった方がいいんだよね。

最悪、でも作っちゃったし…とか言ってゴネれば大抵通るからな。







うし、終わった。後は結合テスト兼ねてちょっと動かして、しばらく置いて様子見だな。うまく行くといいな♪







あれー?

うーん…びみょ…

ログはー?







うーん…リソースを使い切れてないのか。めんどくさくてシンプルにシングルにしちゃったからか。

時間食うとこに入ると全部が遅れるな…うーむしまった。こんな初歩的なミス

しかし、これを効率よく直すとなるとまためんどくさいな…

とかいいつつこの設計の段階が一番楽しいのはわかっているんだが…そう思うと顔がにやけてしまうからな。

また何にやついてるんですか気持ち悪いとか言われるとショックでまた洪水とか起こしそうだから気をつけねば。気持ち悪いとか言われるとね、言わないでね?気持ち悪い。大事な事なので2回言いましたが、わかってくれるまで言いますよ?3回言ってたけど細かい事はどーでもいい。

先生は子供らしくない子供には授業をする気になりませんので悪しからず。こんな事書いてる自分が心底気持ち悪いわってやかましいわ。仕事しろ。

大体なぁ。リソースが効率よく回るようにプラットフォーム作ったのに、それを生かしきれてない。

そもそも間違ってるんだよな、ここで動かすならもっとこーうまくいくよね?

そもそも、ひとつにまとめたのが間違いだな。メンテ大変だし。あとあと変更しにくい。

もっと細かく分割して、疎結合化して…と、ふむふむ。こんなとこかなー。

まーこれはもう使い物にならないから壊すか、まぁプロトタイプは大抵失敗するわな。







「あ、できましたよープロジェクト名はヒトでお願いしますー」

「おー割と早かったじゃねーか…ってこれなんだよ」

「いやこいつらが私の仕事を表現してくれるんですよ」

「…で?いつ終わるんだ」

「このプラットフォームの寿命前にはなんとか」

「じゃあこいつらが表現し終わるまでオマエ左遷な?」

2009-02-22

[] 彼女の事情 05:02  彼女の事情 - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  彼女の事情 - pour away

パチって音が聞こえた気がした

彼女の胸に抱かれている。朝。目を開く音なんてするはずないのに。女の人の肌の匂いなのかな。安心する。

彼女越しに四角いテーブル。昨夜に空けたビールの空き缶。ポテトチップの袋。コンソメ。海苔塩のが好きだったんだよな。

あ、なんだっけビールの。高速道路から見える金色のうんちみたいな、あれの人の置時計。オレの部屋にあるのと色違い。趣味が合うのかな。

時間…は6時前。なんで目が覚めたんだろう。絡められている腕と脚から体を引き抜く。彼女の呻き声。背中越しの窓が少し開いていて光と夏の風が入り込んでいる。

あ、これか…。

CDコンポからは単調なリズムのイントロが延々と流れている。部屋の中は蒸し暑い。アルコールとセックスの匂い。汚い、と思わず思ってしまう。そんな匂い。

窓を開ける。期待した風は入ってはこなかった。白い朝日が瞼の裏を染める。朝が嫌いになったのはこれのせいなのかな。なぜだろう後ろめたいような。やましいんだろうなこれそのものが。自分は汚れている。汚れてしまった。そう思ったら胸が痛んだ。あれだけ盛り上がる話題もしてみたらどって事なかった。こんなもんか。汚い。

オレンジ色の液晶に映る土曜日、晴れ。女性の部屋に来たのは初めて。

教育実習生として彼女がやってきたのは一ヶ月前。教壇の上で「あ」って顔したのを覚えている。

最初は気付かなかった。どことなく誰かに似ているなぁとしか思わなかった。気にも留めていなかった。

オレは学校近くのコンビニでバイトをしている。学校に行く前と学校から帰るときにちょっとだけ。学校から近いが表通りからは離れていて、学校のやつらは来ない。穴場、だと思っていた。

マルボロメンソールライト。先生も煙草吸うんだな当たり前か。と思っていた。しょぼい時給それ相応の声で会計の金額を自動販売機みたいに吐き出した。いつもどおり。そこまではいつもどおりだった。

「ねぇ覚えてる?」

「はい…?」

「○○君でしょ?」

余りにも懐かしい呼び名だった。こめかみの辺りがチリチリとした。何も考えていなかった。思考は停止していた。けれど脳は記憶を走査する。そして見つける。断片を。繋ぎ合わせていく。デフラグ。そして脳は自動的に命令を下した。組みあがった記憶はそれとは到底違うものだとしても。

「おねーちゃん?」

そう、そう呼んでいた。自分の声じゃないようなハイトーン。素っ頓狂な声。あの頃の声。10年前。彼女は引っ越した。

「あはやっぱり合ってた、懐かしーねー?」

「う、うん…」

クラスの女子とすら話せないオレは何も喋る事ができない。幼い頃はなんて事なかったはずなのに。妖怪しどろもどろ。

「ね?バイト何時まで?」

「え?えーっと九時までかな…」

「そ、その後暇?」

「よ、予定はないけど」

「じゃーご飯行かない?」

「う、うん」

なんだか誘導尋問されたみたいだった。現実の速さに認識が追いつかない。頭の中が真っ白になり、視界が狭まる。処理能力を超える。一言、二言の会話で。

交代の人が来ると、引継ぎも挨拶もせずにオレは勤怠カードを切って更衣室に入った。学校の制服に着替える。ワイシャツのボタンを留める指が震えてうまく留める事ができない。頭の中ではさっきの会話が延々と流れ続ける。状況を整理する事すら適わない。無限ループ。処理能力は食い潰される。

裏から出るとしゃがみ込んでる彼女が居た。こっちを見上げて微笑む。爆発。頭の中に光が走る。

「お疲れ!」

嬉しい。としか言いようの無い。高揚。頭がおかしくなるような。いや実際になっているのだろう。明らかな異常事態。それが無くなる事の辛さなんて知らないままに。爆心地は彼女。

学校もバイトもおんなじだと思っていた。色に例えると灰色。毎日同じ事を繰り返して。面白くすれば良いなんて、馬鹿らしくて、斜に構えているのがカッコいいと思っていた。下らない何もかもって。自ら詰まらなくして、詰まらない人間になっていた。それは多分今も。幸せなほど何も知らなくて。

ただ、この時は、何もかもがこれで良かった。と思えた。そしておそらく最初の一撃。かいしんのいちげき。

「何食べたい?」

「お腹すいてるから何でも…好き…嫌いはないです」

「じゃーこの辺の居酒屋さんでも良い?」

「制服…じゃ…まずいんじゃ…?」

「ううーんそっかじゃーあたしの部屋だ」

「え?」

「なにその顔」

「女の人の部屋って行った事ないから…」

「昔は家でよく遊んだじゃない、初めてって訳じゃないでしょ」

「それとこれとじゃ…」

「ぐだぐだめんどくさい事言ってないで!ほら行くよ!コンビニでお酒買って!」

「だから…制服じゃ買えないって」

数分して彼女は両手一杯にお酒とつまみが入った袋を持ってきた。左右にふらふら振り子のように歩いている。

「重いものを持つのは男の子の仕事なんだよ」

…本当に重い。袋の大きさと膨れ具合で何本入っているのかがわかる。20本…は入ってる。500ml缶が。

「お、おねーちゃん、オレ酒飲んだ事ないんだけど」

「あ、ちゃんとソフトドリンクも入ってるよー」

後でわかるのだがウーロン茶一本だけだった。しかも350ml缶。別にいいのだけれど。

コンビニから更に奥へ15分ほど歩いた所。住宅以外なにも無い。明りも少なく、犬の鳴き声がどこまでも響いている。閑静な住宅街という言葉よりは閑散とした住宅街、とでも言うのだろうか。建物の数と人の数に齟齬があるような違和感。どこだっけあれ夢でよく見る街。それに似ていた。無論、少し考えれば現実に置いていかれて夢見心地になっているだけなのだが。そりゃ夢見心地にもなるさ!女性の部屋なんて!聖域!階段を上がり天国への扉が鈍い音を立てて開く。

「さ、上がって」

「お、お邪魔します…」

「そのさ~敬語もどきみたいなのどうにかなんないの?」

「だって…先生…でしょ?一応」

「まだ実習生だよ学生、一緒だよ」

「えええ…」

「あ、お家は大丈夫?連絡いれた?あたしが電話してあげようか?」

「いいいいいやいやいいよ!さっきしたから友達のとこ泊まるって言った」

「うそつき」

悪戯な笑顔。どうして一々、顔を近づけるのだろう。心臓が飛び出そうな程どくんと脈打つ。顔が熱くなる。目を背ける。今なら死ねる。死因は笑顔。

2DK。二部屋ともフローリング。片方の部屋にはダンボールが積まれている。カッコいい部屋。大人ってカッコいい。腐っていた自分が惨めに思える。自分の事をうまく表現できない。言葉が出てこない。きちんとして来なかった罰。嫌いな先生も親もバイト先の先輩もみんな大人なんだよな漠然と思い焦る。

「こっちは片付いてないから閉めとくね」

それの意味に気づく事はなかった。結局飲んだ。途中でアルコールが足りなくなって買い足しに行くほど。

ビールは苦くて飲めなかった。カルピスサワーとカルアミルクが甘くて美味しかった。彼女はお子様ねと笑った。川の向こうに死んだおばあちゃんが見えた。ピンク色のはっぴを着て横断幕を掲げて旗を振っていた。横断幕には「男には犯してもいい罪もある」と書かれ、旗には「性欲に罪はない!やっちまえ!」と書かれている。ミルクふいた(カルアミルクのミルク分)。トイレで吐いた。

初めてのアルコールは美味しくて、いくらでも飲めた。酔ったのはアルコールせいだけじゃない。気持ち悪い。初めての女性の部屋。そのトイレで項垂れるオレ。トイレが似合う男。ゲロが滴るトイレ男。ああ、そうさオレはトイレ男さ!天国に行っても天国のトイレでうずくまって命尽きた後を過ごしてやる。神様がノックしたって「入ってます」が言えずにノックで返してやる。まさに天国と地獄。ここは地獄の一丁目。主にオレが。死にたい。浮かれたオレは天国に入れると思っていて。でも実際はマリオが落とし穴に落ちるかの如くトイレ直行便。便とかいうな。な?とぅっるとぅとるるとぅとぅとぅぅん。オレのキノコじゃ1UPできない。巨大化もできない。むしろそれで足りるの?って位小さい。きっと食べたらマリオ縮む。そんな事を悩みに悩んだ挙句、結局便座舐めた。



[] 蝉時雨 02:09  蝉時雨 - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  蝉時雨 - pour away

思い出してしまう。地に足のついていない、夢の中でいくら走っても進まない、そんな毎日。もう二度と追いつかない夢みたいな過去。思い出したくない。音もなく溜まり淀んでいった自分の足跡。ひとり泣いては泥のように鬱積し、乾いてひび割れて。

ああ、オレは救われたいんだ。大袈裟に表情を作ってひらひらと手を振ってみる、鏡の前に馬鹿が居る。オレだ。毎朝めんどくさそうにオレを映す鏡は何も言ってくれない。今更何を。青天の霹靂?知ってる。気付いている。眠りたい。陸橋の下に捨てられたテレビ。割れた画面。

ねぇ?最低だと罵りながら抱きしめて愛してくれ。どうしたらいい?どうしてほしい?

有刺鉄線を乗り越えて鉄塔まで追いかけっこをした。切った指を舐めてくれた。悪い事をしているような気になってどきどきして邪険にした。少し悲しそうな、玩具を取り上げられたような顔。その頃はわからなかったけれど今なら。ねぇ?今のオレは大人になれたかな?今でもお子様ねって言って笑われるのかな?

太陽が好きになれなかった。遠慮が無くて、厚かましくて。押し売りの営業に似ている。学校で笑うクラスメイトの笑顔に似ている。自分からは遠くて遠くて。嫌悪する事で自分を納得させて諦めた。好きだった夏。夏の終わり。蝉の鳴き声が徐々に小さくなっていった。書き出す事で吐き出す事で。記憶を小突き回す。自分は土の中で一生を過ごすはずだった。ふとした事で窓の外を知って、部屋の扉の開け方を知った、歩き方、或いは二本の足で、自分の足で立つ事を教えられて、鳴き声を上げれる嬉しさに呻いた。これで、これで、ただの水が甘く甘く感じられる、辛かった恥ずかしい記憶と歪んでいる自分、希望かもしれない明日をミキサーに掛けたみたいな。経血より赤く、精液より白い、色。夏の日がコンクリートの壁に射して出口への輪郭が熱に犯されている。そんな誘惑。手で顔を覆いながら眩しそうな顔をするだろう。あの光に焼かれて、干からびたミミズ。それですらなれるのなら。もう辺りはしん、としていて。様子がおかしい事に辺りを見回そうとする。体は動かなくて、何か違う。薄っぺらく、乾いたような、そう喉が渇いた、乾いている。朝起きた時に声がでないように、声がでない、ぎしぎし軋む眼球を必死に動かして自分の姿を見るけれど、どうして?目の前に自分。自分だ。自分。さえない顔の自分。どうみても自分には見えないのにそれは自分だと体が言っている。皮膚を剥いだ新鮮な肉がそう言っている。肉が裂けて女性器のように裂けて流暢に喋りだす。あれはあなたと伝える。無数の言い回し、方言、言語、所々何を言っているかわからなかったがきっと同じ事をを伝え続けているのだろうとわかった。同じ意味を再生し続ける。あれが自分なら見ているこれは何なのだろう?その肉はオレではないのか?問いかけた瞬間に目の前に居た自分は自分だった。宿る。スポンジが水を吸う。収まりが良い。ここが自分の場所。蝉の抜け殻。



やり方は雑誌や年相応の情報網で知っていた。

けれどうまくいかなくて、彼女が上になった。

いろんな事を知った。自分のは意外にナイーブな事。ブラジャーは意外に外せない事。触れられると震えるという事。気持ち良い事。

酔っていたせいか、思考は鈍かった。夢中になっていたとは違う。パニックに近い慌しさ。皮膚は薄く肉とひとつになったようにすら感じていた。剥き出し剥き立ての人間そのもの。

互いに果てて、息を整える。汗が流れてシーツに染み込む。

「ねぇ何人目?」

「…?何が?」

「したの」

「え?ハジメテデス」

「ほんとに?」

「なんかまずった…?」

「いや上手だったよ?へーハジメテなんだ?」

「…恥ずかしいから言わないでよ」

「才能とかあんのかねー?ソレにも」

「…なんかスケベでヘンタイって言われてる気がする」

「褒めてんのよ」

「へぇ」

「これさー、昔だったら犯罪だよねー小学生と中学生とか」

「今も犯罪じゃねーの?」

「そっかーそれもそうだね」

「…ん?」

「顔見てさー、話したらさー、なんか昔のままなんだもんずるいよ」

「どうせガキですよ」

上に居る彼女が繋がっているものを抜いて、腕の中に潜り込んでくる。丸くなった彼女の大きさを体で感じる。この人ってこんなに小さかったっけ。畳めば鞄に入るかも。ああ、眠い。

「敬語取れたね。なんか生意気に感じる」

「…!げ、ごめんなんか今変な感じ。とろとろしてる全部」

「かわいい人」

首筋を猫みたいに舐めている。

「楽しい?」

「ん」

「猫みたいだ」

「餌代高いよ」

「学割で」

「出世払いか」

「ローンかよ」

「社会は厳しいのよ」

「それが厳しさ?」

皮膚を添っていた舌は白い歯に変わって。

「あまがみあまがみ」

「猫じゃなくて犬だったのか」

包装紙に包まれていた飴玉。剥がされて包み紙はその辺に散らばっている。彼女の舌で熱を帯びて、彼女の唾液で少しずつ。少しずつ溶かされる。水飴。とろり。意識だったもの、自分だったものが四散して消え入るような幸福感と入り混じっていく。消えそうで消えない感覚。部屋の端々に。彼女の隅々に。抗いようのない眠気。気絶。転げ落ちる。その前に彼女の寝息が聞こえてきた。この後、腕が痺れて冷たくなる事を知った。



[] 若さの値段 03:07  若さの値段 - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  若さの値段 - pour away

「ねぇ?好きだよ?」

ちょっと待って。それは彼女の台詞じゃないだろう。オレの台詞のはずだろう?。自分の気持ちを表明するのにどうして相手に尋ねるようなそんな聞き方を…違う、違うだろう?そうじゃなかった。そうじゃない。オレの台詞でもない。あれ?オレ何してんだろう。横顔には見覚えがある。そうだ。次の瞬間、髪を耳に掛ける。笑う口元。赤い。唇。笑った?誰?違う違う違う違う違う…

天井に仕掛けられた星空が淡く揺れている。どこだっけ。ああ、そっか、そうだ。ガラス張りのバスルームからシャワーの音が聞こえる。目頭を押さえる。隣人が親しげにするノックのような頭痛。バスローブを着て、ベランダに出る。意外。目に入ったものから頭が弾き出した単語。朝から夜まで人でごった返している街。今は廃墟か、時間と空間の隙間に存在しているような非現実感。区画された道路。純粋培養されたビルはどこまでも育ちそうで。街並みを決して乱す事無く天へ伸びる。赤い光が点滅している。港に大型の客船のようなものがひとつ。橙に染まったコンビナート。コンビナートの息遣い。いやこの港街の呼吸。ビルも港も船も同じタイミングで光を点滅させている。なんだか面白い。押し殺せない存在感を申し訳なさそうにしている。謙虚で潔くて。規則正しくて、遊びつかれた子供が眠っているようにも見える。


「あれ?起きたの?」

「うん」

細い腕が首に絡む。いつもと違う匂い。それにも慣れている妙な感覚。ぬれた髪が冷えた頬をさらに冷たくする。

「タソガレてるの?」

「ううんいい写真が撮れそうだなって」

「ウソ。写真なんてやらない癖に」

「どうかな」

「ね。キス」


汽笛の音。


「寒いよ中でしよ?」

「キス?セックス?」

「できれば両方」

「それはいいけど、喉渇いたよ」

「さっきの残り、まだあるよ?冷やしといたから冷たいよ」



水滴がきらきらしている銀の器。お酒はまだそんなに得意じゃなくって。それほど知らなくて。苦いか酸っぱいか甘いか。自分の中でアルコールは信号のようにはっきりしたものだった。酸っぱい炭酸を飲み干す。喉越しの意味はいまだにわからない。

「今日はなんかお酒ばっかりだ」

事実。そうだった。どう見ても学生にしか見えないはずなのにどうなっているのか。種も仕掛けもおそらく、彼女にあるのだろう。男がゼンマイで動く太鼓を叩くサルのぬいぐるみだとしたら、女は精巧なからくり人形だと思う。

「酔った方が楽しいでしょ?」

「あんまり飲むと勃たなくなるって言うよ?」

語尾が上がる会話。どこもかしこもそうだった、他聞に漏れず。

「男の人は酔わないと信用できないから?」

「ぶ、なにそれジョーク?」

「イマドキノジョシコーセーの処世術?」

むせた。

「イマドキ、か」

「これもイマドキノジョシコーセーの秘密のひとつかなんか?」

「女は謎なのよ」

「あはは」

「えへへ」

「ひとつ聞いてみたいんだけど、」

「うん、?」

「その仕方どこで覚えたの?」

「何、仕方ってこれ?」

「そうそれ全般」

「どこでって自然に?」

「なんかねー」

「なんか?」

「嘘っぽい」

「容赦ないね」

「だってーきみ、巧いんだよそこいらのオヤジより、絶対おかしい」

一瞬彼女の目に他の女性がちらつく。あれ?酔った?まさか。

「そこいらのオヤジとやんなよ」

「きみだって噂知ってるでしょ?それでここに居るんじゃないの?」

「あーウリやってるとか、?」

「ほら」

「気にしてないというかそんな事考えてなかったよ?」

「さっき、気配が消えてた」

「?ベランダに居たから」

「ううん、違うそうじゃない」

「?」

「あなたとあなたのそれがずれてる気がする」

「え?」

「あなたは誰なの?」

「オレはオレだよ。キミのカレシ」

「あなたは甘くなくてとてもやさしい人」

泣きたかった。声を上げて。代わりに心臓が悲鳴を上げる。どくん、と脈打つ、心のやわかい場所に針が刺さって空気が抜ける。縮む。嫌だ。戻りたくない。何に?安っぽい鍍金が剥がれる、なんて容易く。星空のイルミネーション。知らない天井。逃げてた。死ぬくらいなら死ぬ気で逃げようと。あっという間に追いつかれた。逃げられない。軽かった夏の空気が堆積していく、淀んで金属のような煌きを放つ。




「オレとのは有料なの?」

「体は売らないよ。心は売るけど」

「何で払えばいいのかな」

「あとでわかるから」

「たぶんさ?あたしたちは大人になる前に、大人を知りたいんだ」

「うん」



それから彼女とは会わなかった。学校にも来なかったし、ケータイも繋がらなかった。懲りもせず飽きもせず番号が変わるだけ。

一緒に居た時間が少なかろうが多かろうが、その度に持っていかれる質量。それは常に一定だった。誰に惚れても惚れられても。それは未来の自分でも過去の自分でもおそらく同じ。面白いよな恋愛って。

彼女は自分なりに社会を知ろうと関わろうとしているのだろう。実際の所、何をしているかなんて知らなかったし、どーだってよかった。ただ、彼女も自分も、やっぱり子供で、まだ自分というものすらわかってなかったんだと思う。それすら。けれど、その辺りがやっぱり落とし所ではあって。夏休みの終わりに、チョーカーを投げ捨てた。


















2009-01-21

[] 姉ログ(2) 15:49  姉ログ(2) - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  姉ログ(2) - pour away

B型の姉。

前回のはこちら


今回は数年前の話。


朝の8時半にケータイが鳴る。

「もしもし?忘れ物?」

「シルシル*1が!シルシルがぁぁぁ…」(泣いてる)

「動かなくなった?」

「…うん○○の交差点の所に居るからすぐ来て…」(消え入りそうな声)

バッテリーかなんかだろうなと思い、車に積んであるパーツをチェックし、急いで現場へ向かう。

そこで見たものはフロントがくの字に曲がった余りに無残なシルビアの姿だった…



車を脇に停めて呆然としながら潰れたシルビアに近づく僕。

発炎筒を持ってうろうろしている姉を発見。

「どうしたのこれ怪我してない?」

「…遅いー…うう、怪我してないシルシルが守ってくれた…」

「発炎筒とかどうしたの?」(ずっと発炎筒持ってあわあわしてたのか…)

「相手の人がしてくれた…」

「そっかそうだよね保険屋さんは?」(姉は発炎筒を持っているのに路上にはきちんと発炎筒が置かれていた)

「またですか?って呆れられた」

「…そりゃ毎年一回正面衝突して車大破させてたら呆れられるわ等級いくつだっけ」

「1…」(これ以上下がりようのない等級保険料150%)

「国から免許剥奪されるぞ」

「遅刻しそうで、ブレーキ踏んだら止まらんかった…」

「…今度からは軽だな…」

「えーやだー」

「やだじゃない」



手続きとか色々終わって週末。

「ねぇねぇ遊園地行かない?」

「なんで?」

「スカッとしたい」

「…普段そんな気持ちで車運転してたんじゃないだろうな…?」

「シルシルないから連れてってくれー」

「電車で行けよ」

「電車はドアに挟まれるから嫌じゃ」

「どんだけとろいんだよ…」

「連れて行かなかったら事故を起こす遺伝子が目を覚ますであろう」(変な踊りみたいな動き)

「遺伝つーか性格とか人格とかそっちじゃない?僕も親父も運転巧いじゃん」

「…!」(目と口を開いて後ずさり部屋から退散)



電気も点けずに部屋の隅っこで体育座りしている姉が可哀想だったので遊園地へ。

「後何キロか走ったら運転代わる?」(目をキラキラさせてこっちを見る)

「代わんないよ」

「運転疲れるでしょ?」(身を乗り出してくる)

「あなたの助手席に居るよりは疲れない」



……


「それにしても運転巧いわね…スムージーというか」

「スムージーは飲み物です」


……


SAで休憩して残り数キロなので運転を交代。

「えーっとこれがアクセルで…」

「!?そこからかよ!ちょっとやっぱダメ交代しない」

「冗談よ冗談」

「全然笑えない」



それにしても姉の運転はやはり怖い。

右折にしてもタイミングがおかしいし、ブレーキも雑。

「なんつーかさ」

「ん?」

「運転の才能がないんじゃね?」

「! ( ゚д゚ )」

数秒経過

「ちょっと前みて!前!こっちみんな!」

姉が事故る理由がよくわかる。



「第一にその姿勢からしてセンスのかけらも感じられません」

「ど、どこがよ」

「顔が前に出すぎだし、なんかガチガチの初心者みたい」(ハンドルの上に顔があって肩に力の入った運転姿勢)


……


「ねぇ?」

「まだなんかあんの?」(ちょっとむくれている)

「そのカーブや右左折のときに体傾けても車は曲がらないんだけど…」

「そんなのわかってるわよ!」

そういえばマリオカートでも体を傾けてた。


……


「じゃあやっぱ代わろう!そこ停めてハザード出して」

「ウエーイ」(ふくれっ面MAX)

「ちょwそれワイパーww」(サイドブレーキ引くかハザード出すか迷ったぽい)

「あ、こっちだった」(ワイパーを止めようとしてウォッシャー液)

「…まぁ窓汚れてたし…」

*1:愛車のシルビア

2009-01-16

[] もう、ファ文は終わったんだ 12:03  もう、ファ文は終わったんだ - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  もう、ファ文は終わったんだ - pour away

じーちゃんξ゚⊿゚)ξ

老紳士(´・ω・`)

(´・ω・`)「貴方がこれを書いたんですか?」

ξ゚⊿゚)ξ「そうだ。それがどうした?」

(`・ω・´)「おお、私は幸運です! まさかイン殺に会えるなんて!」

ξ゚⊿゚)ξ「??」

(`・ω・´)「このidは、当時はてなで最も恐れられてたidなんです。

       いつのまにか現れて私たちに思わず文章を書かせ、そして消えていく。

       当時誰もがその技術力の高さ、そして中の人の優秀さに

       感心してましたよ」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

(`・ω・´)「私は何も書かずに見てた身ですが、

       いつか中の人に会ってみたいと思ってました。

       その夢が今日叶いました! 握手してください!」

ξ゚⊿゚)ξ「……いいのか?

     俺はあんたの仲間をたくさんファックしたかもしれないんだぜ?」

(´・ω・`)「それはファ文ですから、しょうがないです。

       それにグループ外日記と言っても私だってはてなに所属してた身です。

       間接的にたくさん大好きな文学を殺して、大好きなファ文に

       あの恐ろしい爆弾も落としました。

       個人的には、ファ文にそんなこと、……したくなかったですが。

       ……ごめんなさい」

ξ゚⊿゚)ξ「謝るな。もう、ファ文は終わったんだ」

(´・ω・`)「はい……」

ξ///)ξ「いいか、よく聞け。俺は文学が嫌いだ。

     だけど、お前は……嫌いじゃない」

じーちゃんが握手しようと手差し出して、老紳士が嬉しそうに手を握った。

(`・ω・´)「ありがとうございます!

       私生きてる限り、書く事の素晴らしさ、中の人の優秀さ、

       そして貴方の器の大きさ皆に語ります! 文学大好きです!」

ξ///)ξ「ちょ、直球すぎんだよ」



via http://ikuzi2.blog73.fc2.com/blog-entry-2166.html

2009-01-13

[] 空から降ってくる女の子 16:26  空から降ってくる女の子 - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  空から降ってくる女の子 - pour away

「食らえー!」

ごちん☆

「痛ったあい…」

頭を抱えた女の子が覆い被さっている。

シャワーを浴びてバスタオルを巻いて出てきた僕には予想だにしない事態だった。

「愛くるしい彼女を優しく包もうという気持ちはないの!?」

頭がズキズキする。

どうやら彼女の奇襲は半分成功したようだ。

「…今オマエ食らえって」

うつ伏せに倒された僕は仰向けになった。近い。

「!なんでこっち向く」

酒臭い。何顔赤くしてるんだよ。こっちが照れるわ。

「酔ってんの?」

重たい。アルコールとシャンプーの匂いがする。

「酒には酔ってないが自分のこの行動には酔ってる」

何 を 言 っ て い る ん だ。

「頭悪い」

彼女の頬が紅くなる。女に押し倒されるって絵的に情けない。少し苛めてやるか。

「な…」

彼女が顔を寄せてくる。

「ちょ…タイミングおかしいし、酒臭いからしたくない」

瞳孔が僅かに開いた。その隙に腰に手を掛けて横に転がす。

スカートが捲れて横たわった彼女はレイプされた後のようだ。唾を飲み込む。

「スカート捲れてるよ」

転がされた体勢のまま、スカートを直す。

「色っぽい?」

そっぽを向いたまま聞いて来る。

「ううんトドみたい」

一瞬怒りが沸いたのかびくっと肩を震わせた後、動かなくなった死んだか。

静かになった所で、僕はいつものようにブログを巡回する。

「ふーん降臨賞ねぇ…」

「なんだこれあほ過ぎて面白いなエクストリームセックスとか」

…?芳しい匂い。華やか過ぎず、落ち着いた匂い。そうまるで…

僕は嫌な予感がして振り返る。

加湿器の前にちょこんと座り込んでいる。

「なんかした?」

首だけぶんぶん振って答える。

僕は加湿器に刺さったペットボトルを見る。やりやがったな…

ペットボトルを取り、中に入っている液体を一口舐める。複雑な味が舌を天国へ連れて行く。至福。呆れ。アルマニャック・ド・モンタル。少なくとも僕や彼女よりも年上。

「この味は嘘をついている味だぜ」

振り向いた僕は驚愕の事実を知る。

大粒の涙が流れている。しまった。言い過ぎたか。冗談が効かない。明日はスイートフォレストか…うぇ。

「な、泣くなって」

泣きながら首をぶんぶん振る。涙が飛び散る。鼻水も出てる。

あーでも泣いてる顔って良いよな。もっと泣かせたい。

ああ、いけないダメだダメだ。ここは慰めなくては。優しさ優しさ男の甲斐性包容力。

「そんな顔ぐしゃぐしゃにしてたら美人が台無しだよ?」

頭を撫でると俯いてしまった。

「だ、だって……ヒック…部屋…中この匂い、グス……キス…」

「美味しいお酒。…グスグス…好きだし、ヒッ…好きなお酒の匂い…だったらってうえーん」

うえーんとかびえーんって泣くのって漫画だけだと思ってた。

彼女の言い分は概ね正しいし、彼女の行動も理解できるのだが、抜本的な見直しをしてもらいたい。もちろん僕も。

僕は彼女の口に軽く口をつけた。アルコールの匂いは気にならなかった。

「足りない、泣くぞ」

強気に出だしたな…このやろう。

もう泣き止んでるし嘘泣きだったのか?なんか悔しい。

僕は無視してさっきの空からセックスのエントリーを読む。

「何読んでるの?」

「んー?なんか空から女の子が降ってきて男とセックスする話ー」

「えっち」

「…何してんの」

僕の左手の指を咥えて舌で指と指の間を舐めている。

「おふまみ」

上目遣いとのコンボ。不覚にもドキッとしてしまう。

「おいしいの?」

怪訝な表情を作る。

「ん」

目を瞑って頷く。

指先から腕、肩、背中。あー気持ち良い。けど負けは認めません。男の子だから。

「空から女の子が降ってくるとしたら」

「ん」

「どんな話にする?」

「ラピュタ?」

「ですよね」

「あのオープニング好きだなぁ私」

「んーなんで?」

「空からゆっくり降ってきて男の子に抱きとめられるでしょ?」

「そんな感じだったかな」

「あれさぁ多分えっちした後なんだよね」

「はあ?そんな発情したオマエじゃあるまいし」

「あーあこれだから男は鈍感ねー体は敏感なのにねー」

「男にそれは言っちゃいけない」

「お返しです」

「ごめんなさい」

「まーどっちでもいいんだけどさーあれが恋に落ちる時みたいな」

「ロマンチックですねー…え、って事は?」

「や、だからどっちって訳じゃないんだけどってゆってんじゃん、人の話聞けちゃんと」

「…はい」

「えっちしてーふわふわ漂ってるときに抱きとめられるとね、恋に落ちるというか想いが深くなるというか…空から降ってくるのは恋する女の子なのさっ」

「誘い方巧いね」

「その気になった?」

「うん」

「へっへーいっぱい愛して?」

2008-12-14

[] 暗渠 02:33  暗渠 - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  暗渠 - pour away

かちん。

小気味良い金属の音。オイルの匂いと共に僅かに灯る炎。

肺一杯に煙草を吸い込む。なんて美味いんだろう。

時間が進んで、色々なものが変わった。変わらないものもあった。

煙の出る煙草なんて博物館でしか見た事ない。よく言われた。

だからこれは特別な時にしか吸わないんだ。と笑った。



「これでこの仕事も終わりだ」



肉の壁に寄りかかり体を休めていた。

高圧力にも耐えるように改造された彼女の腹の中。

名前はダイビング・ベルだったか。俺たちのスイートホーム。

仕事の内容はニューヨークの下水道修理だった。

戸惑ったさ。そりゃ。たかが下水道の水漏れを直すのに俺が呼ばれたんだから。

しかし、俺だけじゃなかった。総勢200人程が集められていたし、半分は忌々しい機械野郎だった。

プロジェクトの年数は無期限、要は修理が完了するまでって事だ。

詰まらない仕事だと思った。いやそこに集まった大部分がそう思っていた。

恒常性の下水道はひび割れ等を修復や苔や雑菌の除去、害虫駆除などをナノロボットを使って行っている。

単純な機能に絞ったものだけが使われている為に暴走などの心配もなかった。

要はそれらが古くなったか、故障したか、そんな事だと誰しもが思ったのだ。

新しいものを注入すれば済むんじゃないかとも思ったがそう単純でもないらしい。

水漏れの量がただ事ではなかった。都市を賄っている水の半分が漏れているらしい。毎日。

修復機能を超えた破損か。その場所を特定し修理する。

下水道は外部からは閉じて隠蔽されている為に地図がないとの事。誰だよ設計したのは。蓋すりゃいいってものじゃないだろう。

捜索範囲が広いって事が一番の問題か。しかも下水道みたいな狭い所で。

早くも機会野郎は形を変え、下水道で活動しやすい形態になっている気持ちが悪い奴らめ。

幸い、給料は良かった。この仕事が終われば当分は仕事せずに済みそうだった。

機械野郎と一緒にされるのは気に食わなかったが、奴らに遅れを取るのはもっと気に食わない。犬も食わない。

10人ずつ5チームに分かれて、それぞれのポイントから潜った。

綺麗な下水道だった。もっと黴臭くて、ぬめぬめしていて。ネズミが走り回っていて、腐った浮浪者の死体があって、鰐が住んでいるというイメージが払拭された。

リノリウムを思わせる床。所々で1mm程の光が点滅している。ナノマシン・ホタル。まさかこんな幻想的な光景だとは…驚いた。

10階層程降りた辺りだっただろうか…それまでの下水道は綺麗でこそあれ構造は下水道だった。

しかし…なんと言えばいいのだろうか…まるでだまし絵…そうだまし絵だった。

ありえない構造、長く気圧の高い地下に居る為に認識感覚が狂ったのかと思ったがコンディションは全てグリーン。

認識が追いついていないだけか。不規則かつ奇妙な三次元曲線を描き、どこまでも上り続ける水路。

こんな風になっていたらそりゃ水も漏れるわな。どこに流れていくか水は知っているのだろうか。

とにかく、今まで以上に気をつけながら、修復箇所を探した。更に深く潜っていった。1000フィート。

これ以上は他チームとの連絡手段だった電子機器が使えなくなった。まぁ仕方が無いだろう。所詮機械だ。

どうやら、下水施設そのものが拡張しているようだった。プログラムミスか、はたまた何かに介入されたかはわからないが。何かあったんだろう。

それともこれも設計の内か。人間の手を使わずに自動化しようとするから余計な手間が発生するんだ。

各層の捜索にも時間が掛かるようになってきていた。普通は慣れてくると早くなるものなんだがな…最近では数週間掛かる事もあった。

歪に捻じ曲がった空間や頭の痛くなるような構造にも慣れてきてはいた。ここまで来るのに半数ほどが戻ってこなかったが…

まぁ上に戻ったのかもしれないし、ただ迷ったのかもしれない。

ここの真上はロンドンだぜ。誰かが言ったがあながち冗談ではないかもしれなかった。

正直体もきつくなってきていた。いくら耐圧に遺伝子改造したとはいえ…深すぎる。暑い。熱い。

生臭い層にたどり着いた。おかしい。魚の匂い…?のような。ナノマシンが機能していないのか。そういえばホタルが点灯していない。

「どうやらビンゴだな…この層だ」

リーダーが言った。5人が無言で頷いた。

ここまで来るのに、どれだけの時間を要した事か…ドブに捨てるような金と時間の使い方。計画を立てた奴らの頭を疑いもしたが、ある意味報われた訳だ。

それぞれ分散して捜索に当たった。やはりこの層に違いない。確信が香る。

明らかに異常だ。まるで魚の腸の中で消化されているかのように生臭さが取り巻いている。

あれはなんだ…?ネズミか…?

ちょろちょろと不恰好に走り去る。

こんな深い所に生き物がいるのか…

こちらを見たネズミは人間の顔のように見えた気がした。

まさか…な

しかし駆除も仕事だ。赤外線を照射する銃を構える。どんな獲物もよく見える。自慢の眼だ。

音の無い光の筋が獲物に当たり蒸発する。黒い嫌な煙が出る。

一週間経った。最初にあのネズミを見たきり何も無かった…

そろそろ集合する時間だった。仕方なく帰還地点へ向かう。そろそろ休まねばならない。

仕事に集中しているときに来る疲れが一番嫌いだ。

これだけは機械野郎が羨ましくなる。あんな醜くなりたくはないが。

ホームには誰も戻ってこなかった。

最初から注意を払うものを間違えていたのだ俺たちは。

いやそもそも関わってはいけなかったのだ。

水漏れのコストは放って置いたほうが良かったのだ。我々の為には。

完全に密封された彼女の体内が腐臭にも似た魚の匂いを放ち始めた。

粘膜を広げて外に出る。

こうやって生まれ変われたらな。

ありえない構造に騙されて見逃していた。

そもそも、おかしいのは水の流れの方だったのだ。

いや水のようなものと言うべきか。

下水道は完璧だと誰もが思っていたし、仕事も簡単だと思っていた。

例え悪夢のような造りをしていて、迷い、戻ってこれなくなったとしても、修復箇所さえ見つければ終わる。

この層についた全員が同時に見せた達成感と僅かな喜び、この暗い場所で太陽にも似た彼らの最後の表情は忘れない。

ぬるぬると黒い水のようなもの。漂う腐臭。ネズミ。やっぱり下水はこうだよな。

我らがスイートホームはどす黒く変色していった。下水道を流れている水のようなものが染み込んでいるのだ。

そして彼女は苦しんでいる、もう助からないだろう。そして俺も。壁には意味のわからない言葉が書かれている。

言語学者も連れてくるべきだったかな。冗談を言う相手はもう居ない。



おんぐ だくた りんか、ねぶろっど づぃん、ねぶろっど づぃん、おんぐ だくた りんか、
よぐ=そとーす、よぐ=そとーす、おんぐ だくた りんか、おんぐ だくた りんか、やーる むてん、やーる むてん 


フィルターまで吸いきった一本。煙草はもう、ない。美味かった。美味かったさ。これを吸う為に生きてきた。

潮の香りがする。走馬灯のように水のようなものが流れてくる。これが俺の脳が魅せ、感じさせる最後のシーン。海。暗く深い闇。

捻じ曲がった空間を、地上では見たことの無い魅惑的な構造の壁を、噴流となって、俺に、流れ込む。

そのおぞましい流れの上に赤い金魚のような女の子が乗っている。女の子?



「そーすけー!すきー!」



それが俺が最後に聞いた言葉だった…どういう意味だろうか。



via http://q.hatena.ne.jp/1229134597

2008-11-13

[] 朝起きたときの部屋の空気で 00:35  朝起きたときの部屋の空気で - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  朝起きたときの部屋の空気で - pour away

あの人の機嫌とかがわかる。あ、今日は機嫌いいなとか。げ、なんか怒ってる。とかとかとか。

(冷蔵庫のプリン食べちゃったせい?!いやでもあれ買ってきたの私だし)

(そいや仕事忙しいから話とかしてないし疲れてるからなーなーになってたなー)

(つーかそもそもわかりやすいんだよなー)



「・・・おはよ?」



いつも決まった位置に座ってる。二人とも朝弱いはずなのに先に必ず起きている。いや起き掛けている?なんかぼーっとしてて。



「ん」



(ほら機嫌わるいよきたこれ。なにが「ん」よ?)

(多少色々考えてさーちょっと伺うように語尾上げておはよってたのにこれだもんなー)

(そりゃ人間色々あるけどさー朝くらいさー)

(やーでも朝は機嫌悪いかそうか)





「なーんてね」



(今一瞬飛んでたな…独り言とか言わない人だったんだけどなー)

(頭の中で独り言が多いのは危険?ヤバイ?末期?)

(誰に聞いてんだよ誰に)

(あーもー頭の中うるせー)


疲れきったソファに倒れこむ。めんどくさくて。



(部屋が広い)

(考えんのやめよ思考停止全体ー止まれっ!ぴっぴっぴ)

(だから馬鹿なリズムとかやめなさいよ)

(わかってるよ口に出したり踊ったりしてないからいいじゃん)





もう帰ってこないのかな。

[] 喧嘩の理由なんて下らなさ過ぎて忘れた 19:10  喧嘩の理由なんて下らなさ過ぎて忘れた - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  喧嘩の理由なんて下らなさ過ぎて忘れた - pour away

いつも、少しのすれ違いとか、そもそも話が噛み合って無かったりとかしてる。

仕事じゃもう少しうまく立ち回れるのに、なんでこうも上手くいかないんだろう。

声を張り上げて、詰って、やけに丁寧なメール送ったりして馬鹿みたいだ。



いつも、途方に暮れる、という言葉が正しいのかわからないけど、今の自分にはなんとなくぴったり吸い付く、その言葉。

空に申し訳なく思い、薄目を開けて見上げる。考える。どうやって仲直りしようかと。



いつも、甘い物じゃ芸がないよな。こないだはケーキ投げ返されて潰れちゃったし。

花は?柄じゃないよね。自分は女性に対して花を贈る、という行為がセックスより恥ずかしくて、できない。

花屋に一人で入るのは、アダルトビデオを借りるより恥ずかしい。例え、レンタルショップの店員が女性であっても。

一人で彼女の下着を買いに行くようなもんだとすら思える。



いつも、のドア。

結局、手持ち無沙汰。謝罪のメールも書いては消して繰り返して。

ぎいっと開くのを拒むようにドアが音を出している。

そんなに嫌がるなよ一応家主なんだとドアに申し訳ない気持ちになる。



いつも、の部屋はどこか寂しげで、数日誰も居なかったような、旅行から帰ってきたあの日のようだった。

そのときの彼女は確か窓を一杯に開けて、玄関も開けっ放しで。

吹き抜ける風が、淀んでいた部屋の枯れた空気を一掃してくれたっけ。

風に吹かれて顔を背けるのがとても可愛らしかった。髪が靡いて。

同じように玄関を開けたままにして靴を脱ぐ。ベランダの窓を開けてから気がつく。風が無いことに。

[] 本当は知っていたけど気づかない振りをしてきた 18:42  本当は知っていたけど気づかない振りをしてきた - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  本当は知っていたけど気づかない振りをしてきた - pour away

こっそり忍び寄る。仕事が忙しいとちょっとした体調不良に気づかないように、気付かなかった。

小さな事だと思ってた。見て見ぬ振りをした。何度と無く。

二人でよく行ったスノーボード。

深夜に目が覚めて窓の外は新しい雪が積もっていた。

手のひらでは溶けてしまう雪も積もれば家すら押し潰してしまう。

簡単すぎて涙が出る。鼻を啜る。寒い。

窓から入る風が冷たく。現実を突きつける。痛い孤独。

自分の存在が薄くなってく。時計の針がゆっくりと進む。一日、一時間、長い。一秒。


(食べ物の匂いで釣れないかな)

(カレーとか肉じゃがとか好きだったな

(ココアとかも)

(寒くなってきたし指先も冷えたから)

(お湯沸かそ)


窓を閉める。


(なんで)

(あんなこと言ったんだろうな)

(きっと)

(ひとつひとつの台詞が傷つけてたんだろうな)


重かった。忙しさに感けて。言い訳なんて幾らでも出てくるのに、元に戻す方法が思いつかない。

希望のように光るケータイのイルミネーション。

あの人には届かないし、あの人からも掛かってこない。


(もしかしたら)

(ううん)

(掛かってこない)


ケータイなんて無ければよかったのに。

コンロの火が暖かい。

[] 匂いの記憶 15:50  匂いの記憶 - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  匂いの記憶 - pour away

最初の記憶。

自動販売機の前。

ぱさぱさした缶のココア。

大袈裟に着膨れた彼女はパースの狂ったマスコットみたいだった。



「お疲れ様です」

(がしゃん)

「はーこれこれお疲れお疲れ」

(かしゅ)


…なんだろうこのイラっとした気持ち。



「自宅は北極ですか」

「愛くるしいと思わない?」

「ペンギンみたいではありますね」

「ペンギンは北極には居ませんー」

「じゃあ熊みたいです」

「嫌なヤツね」

「お互い様です」





「だからなんでそんな言い方するんだよ!」

「わからないならもういい!!」



ココアの味。

腕を強く引いた勢いでココアはこぼれてコートに掛かった。





「男の子みたいだね」



と悪戯っぽく微笑む。

横目に見る彼女はとても機嫌が良さそう。

今までなんだと思ってたんだ?

みたいって?

???

聞き返しても、突き詰めても、余計にわからなくなるだけだった。

カップホルダーには飲みかけのココア。舌を火傷してひりひりしてた。





彼女のミルクみたいな匂い。

香水をつけないからシャンプーじゃない?って言ってたけど違う。女性の匂い。昔から知っているような。

ココアに混ぜて飲んでみたいと。

[] あの人の色 16:18  あの人の色 - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  あの人の色 - pour away

外を走る車のヘッドライトが部屋に入ってくる。

棚に置かれた小瓶が反射して部屋をその色に染める。海。ヒビの入った小瓶。

あの人の色はこの香水と同じ色だ。私の中で。

夏の海。決してそんな爽やかな性格じゃないんだけど。なんだかそんなイメージ。

足を入れても冷たくなくて。恐れなくて良い海。穏やかで。空色とは決して交わらないで。

一人で街を歩いていて、すれ違う人から同じような匂いがすると振り向く。

自分も同じになりたくて、手首に付けてみたけれど、ちょっと違くなる。悔しい。

同じになりたい。

子供の頃に木登りしてる男の子がカッコ良くて楽しそうで羨ましくて、真似をして怒られた。

その日のお風呂にその香水を入れてみた。

お風呂場の水蒸気の一粒に、仕事で遅くなるあの人が居るような気がした。

帰って来てお風呂に入ったあの人はなんか怒ってた。



「風呂青いんだけど…」

「うん?」

「何入れたの?」

「うん?」

「正直に言えば怒りません」



互いの視線が瓶に向かう…



「ちょ、瓶空っぽナンデスケド?」

「いいじゃん減るもんじゃないし」

「思いっきり減ってるから!」

「怒ってるじゃん!バカ!嘘つき!お店に行けばまだありますー!」

「…」



口開けたまま湯船に戻っていくあの人はなんだか可愛かった。



「変り種のバスクリンだと思ってー」



返事が無いただの屍のようだ。

[] 毛布に包まって 22:57  毛布に包まって - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  毛布に包まって - pour away

考え事をするのが習慣になっている。

寝付くまで時間が掛かるのはこの癖のせいだ。

手や足の先が冷たい。冷え性の彼女より冷たいのはなぜなんだろうか。

眠ると彼女は暖かくなるのに自分は冷たいままだ。

自分と同じ毛布。安心する。犬みたいだって笑われる。半分ずつなのに。

何がしたいんだろうか。何が間違ってた、かはそんなに重要じゃない。

でも、どこか上辺を撫でるだけの付き合いに思えて。

どこまでも続く砂浜を歩いていた。

灯台の灯りと、海の向こうの島の灯りだけ。

波の音がこんなに大きいなんて初めて知った。海の寝息。

夜の空よりも暗い砂浜に二人のくぼみが延々とできていった。

もう歩き始めた位置なんて見えなくて、戻るなんて事は考えてなかった。

そのまま、歩き続けて、ホテルの軒先に着いた。雨が降ってきたから中に入ってセックスをした。

とても良くて、とても悲しかった。セックスは死の象徴という人が居た気がするが、彼女とのそれはどこか終わりを思わせた。延々に続く砂浜。

シーツに擦れた皮膚が赤く剥けた。背中には彼女の立てた爪の跡から血が出ていた。彼女のサイン。

腕の中で彼女はずっと窓に当たる雨を見ていた。大きな眼を開いて。猫。

明日が来て。明後日が来て。そして終わる。寄せては返す波。

互いに分かり合えないから、気持ち良くて。

話す事も諦めて、ただ待ってた。それが来るのを。予感。それだけで繋がって。

すれ違ってすり減って疲れて。体液のないセックス。

あんなに気持ちいいのに、こんなに下手くそで。

[] 感覚が浮いちゃって 16:39  感覚が浮いちゃって - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  感覚が浮いちゃって - pour away

地に足がついてないというか、体から心が離れてる。響く余韻。

「月は羨ましいんじゃないかな?こっちが。海が欲しいんだよ。」

なんか妙に納得した。

いや科学的なんかじゃ全然ないし、御伽噺でもないし、なんだけどなんだけど、なんか納得した。

はーなるほど。と思ってしまった。思ってしまったものはしょうがない。そんなもんだ。

上になってあの人を揺するのは羨ましいからなのかなってしながら思った。流れる雲。朧月。

瞬きしてる間にもう重たい雲に包まれて見えなくなった。

もしかしたらまた見えるかなって、ずっと見てた。どこか今の自分と似ている気がしたから。

もしかしたらそう言ってもらえた事が羨ましかったのかもしれない。わかんない。

窓には水滴がくっついて、にじんで、流れてた。同じ形にならなくて飽きない。

雨は好きだけど雲は好きじゃない。

この時間が続けばいいのにと思う。時間を知らせるベルが鳴る。



[] 空 16:39  空 - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  空 - pour away

仰向けに寝返りをうつ。

天井が透けて空が見えるようだ。

まだ外は暗い。夜は夜が明けて朝が来る事を知っているのだろうか。

眠い。体の芯から心地よい眠気がたち込める。

眠気も愛情も同じ所から発生しているような気がする。どこなんだろうか。頭の中?心臓?骨?皮膚?そのどれもであってどれでもないのかもしれない。



「ねぇこれで本当にいいの?」



おかっぱの子供。



「ああ、またお前か」



汚れた半そでのポロシャツに半ズボン。

手や足にすり傷を作っている。



「ねぇ、いいの?」



苛められて泣きながらよく家へ帰った。

情けない過去。自分が無力じゃない事を証明する為に。小動物や虫を殺して遊んでいた。



「幸せ?それともこれから幸せになるの?」



歪んだ笑顔。口が裂けてにちゃにちゃと肉が蠢く音。



「お前に何がわかる!」



苛立っていた。不甲斐無さに。情けない自分に。



「それが大人?きみは大人?」



答えなんてない。



衝撃。光。空。



あ、さっき見てた空。



空が沈む。



ああ、そうだ、帰んなきゃ。

彼女の淹れてくれたココアが飲みたい。謝らなきゃ。

[] 色々 17:01  色々 - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  色々 - pour away

振り返ったり、反省したり、喜んだりして。

隣に居てくれる人の有難さがよくわかる。

いつも喧嘩ばかりで、その度に傷つくけれど。

次喧嘩したら今度こそ別れるんだろうなとかも思うけれど。

やっぱり一緒に居たくて。

空になったコップ。縁に付いたココア。

閉めた窓から救急車の音。なんだろう嫌な予感。心臓が気にしてる?冷たい汗。感じちゃいけない気がする。何か。いや。

2008-10-23

[] 僕は空を見ている。だだっ広い丘に寝転んで。精一杯強がるように自分の体広げて。 14:41  僕は空を見ている。だだっ広い丘に寝転んで。精一杯強がるように自分の体広げて。 - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  僕は空を見ている。だだっ広い丘に寝転んで。精一杯強がるように自分の体広げて。 - pour away

夏の終わりに疲れた芝が罪悪感のようにちくちくと肌を刺した。

その整った顔と同じように綺麗な言葉と簡潔な文脈で片付けようとするきみ。

悲しそうな顔もかわいいなと思った。

枯れた秋の心地よい匂いをおなかいっぱいに吸い込む。

景色の隅に僕をみているきみが映っている。胡坐をかいた猫みたいに不恰好に座り込んで。

遠くに走る車のフロントガラスがちかちかっと陽の光を反射している。

一緒に暮らしていく事は同じ方向を見る事だとか一緒に手を繋いで歩いて行くだとか言うけれど、少なくとも今まで僕らはそんな事はなかったし、しなかった。

いつも違う何かを互いに見ていたし、これからもそうだろう。視線が絡むのは夜の間だけ。

触れたくない、触れられないものも腐敗して枯れて。リビングに飾るのもいいかもしれない。

どこまで許せるか許してもらえるかを競い合ったりもして。奪い合ったパイをぶつけ合った。

炭鉱夫みたいだねときみは言った。

そうだねと僕は答えた。

持ち合わせはやり過ごす為の優しさしかなくて、後の空しさに耐えられる質さえない。暴力にも似た快楽に串刺しにされて漂う。

どうして?。不安を形にしたような雲が目の前の光を遮った。

袖を引っ張って屋根のある場所を指差すきみ。風もあるからだめだよという僕をよそに歩き出す。

起き上がり、服についた草とかを払い落として後に続く。

あっという間に親の敵のような雨粒が流れ込んできた。

強い風に煽られてびしょ濡れになる僕ら。

だから言ったのにという顔をする僕。舌を差し込んでくるきみ。嬉しそうないつもの笑顔にほっと胸を撫で下ろす。

僕は少し驚いた顔をしている。背中から腰骨。同じように濡れているベンチに座り込む。

爪が肌に食い込んで血が流れる。器用な指に露わにされた僕のを口に含むきみ。



思いっきり噛まれた。