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pour away このページをアンテナに追加 RSSフィード

掴めそうで掴めない情景、淡く、うっすらと。

記憶の中にぼんやり灯る物語。

2004-01-19

[] 頭蓋に響く鈴の音 20:09  頭蓋に響く鈴の音 - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  頭蓋に響く鈴の音 - pour away

りーん・・・

鈴の音がどこからともなく聞こえる



後ろの方から

近くも無いけれどそんなに離れてもいない

なぜか後ろを見なくても後ろの風景がわかる

見ているわけではない



目の前はただ黒いだけだ

眠っているのだろうか?

だとしたらこれは夢か?

夢を見る事はあったが

夢を聴くのは初めてだな



りーん・・・

目が覚める



明かりの点いていないペンションの一室

窓の外は少し吹雪いている

雪明りが部屋の中に入ってくる

携帯の時刻を見るとAM:3:32と青白いLEDが光る

子供じゃあるまいし

この時間に友達を起こすのも悪いしな

備え付けの羽織に袖を通しながら部屋を出る



りーん・・・



誘うように響く鈴の音

触らぬ神に祟りなしって言うしね

ラウンジで何か寝付けるような飲み物でも買って戻ろう



深夜のラウンジに煌々と自動販売機の明かりが

暖かいココアを買って戻ろうとする



なぜか足は外へ向かう

足だけではない体が動かせない

外へ出て行く自分の体

それを見ている自分



りーん・・・



吹雪はさっきより強くなっている

自分から離れた自分のものだった体

吹雪を物ともせずに歩き続ける

止まった・・・

何かを見ている・・・

吹雪きもいつの間にか止んでいた



りーん・・・


少し向こうに自分がもう一人佇んでいた

そのまま此方に近づいてくる

勢いを増して

立ち止まっている自分を日本刀のようなもので一閃

何事も無かったかのように崩れ落ちる自分

降り積もった雪面に綺麗な血液が飛び散る



りーん・・・



目が覚めるとペンションのベッドだった

昨日の夜の吹雪はウソみたいに晴渡っている

枕元には冷え切ったココア



りーん・・・