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pour away このページをアンテナに追加 RSSフィード

掴めそうで掴めない情景、淡く、うっすらと。

記憶の中にぼんやり灯る物語。

2006-04-20

[] 悪夢 14:59  悪夢 - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  悪夢 - pour away

気がつくとだれかを殴っていた

僕はそのだれかに馬乗りになり殴り続けている

鈍い感触が真綿に包まれたようにさらに鈍い

握りきった拳からは血が噴出して肉が見えている

そのだれかの顔は歪みきっている

それでも僕は殴り続けている

そのだれかはできの悪い粘土細工みたいに果てている

僕は何を考えているのだろう

僕の頭の中がここからではわからない

ここは何処なんだろうか



僕が殴っているはずなのに僕は遠くからみている

けれども自分の顔もだれかの顔もぼんやりとして見えない

僕はきっと鬼のような顔をしているんだろうか



疲れをしらない機械みたいに同じ動作を続ける

その暴力的な絵に沿ぐわない小さな背中はとても悲しく見えた

辺りは赤茶けた岩ばかりで黄色い砂が俟ってた

風がどこか遠くから唸り耳鳴りのように響く



そのだれかがにやりと笑った

跡形もないけれどなぜか解かった

僕の目からは涙が流れていた






「・・・ねぇ だいじょうぶ?」



重たい頭を起こして時計を見る

アナログな針が暗闇に浮かび上がって午前4時を指している



「あぁ・・・どうかしたか?」



水差しから直接水をごくっと飲む

渇いた喉に浸み込むぬるい温度



「泣いてるわ」



乾いた涙の跡を指で擦る



「なんだかおかしな夢をみたんだ」



目が覚めたこの世界の方が現実味がない事に恐怖を覚える



「疲れてるの?」



疲れてるんだと自分に言い聞かせる



「ん なんでもないよ 寝なおすね おやすみ」



目頭を押さえて目を瞑る







あの夢が何を表しているのかはわからない

もしかしたら自分の暴力的な欲望なのかもしれない

そのだれかも誰だかわからない自分だったのかもしれない

自分で自分の弱さを殴りつけて消したかった

それでもそれ自体が弱さという事なんだろう

最後のだれかの笑いが意味するところは

そしてそれに気付いて涙を流す僕

僕が殺してしまった僕



脳は眠っている間に記憶したものを整理すると聞いた事がある

その記憶が移動する過程で記憶の断片を夢としてみるそうだ