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pour away このページをアンテナに追加 RSSフィード

掴めそうで掴めない情景、淡く、うっすらと。

記憶の中にぼんやり灯る物語。

2007-01-10

[] 少年と竜 11:22  少年と竜 - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  少年と竜 - pour away

少年は竜に憧れた

誰をも近づけさせない凛々しさ

大空を力強く引き裂いていく翼

空気をどこまでも震わせる咆哮



少年は剣に怯えた

鈍く冷たい光を放つ金属

何かを壊す為のものと



青年は剣を取った

誰が為に

優しい心に突き刺さるのは己の剣



青年は竜を前にした

幾多の戦いを共にしてきた剣を手に

より強きを挫く事を理由に



青年は倒れる竜を見ながら泣いた

自分は何よりも恐ろしい怪物なのかもしれないと

やせた白い肌にその剣を携えて

返り血を浴びて紅く染まる頬は幼子のように



失くしてしまった剣を振るう理由

誰も戦いたくなんてない

そう言いながら笑って剣を振るう

誰もが同じ顔をしているから自らをも騙すのか

この世界でいつまで剣を振るい続けるのか

世界を旅する理由なんていくらでもあるのに