ひたひたと足音がついてくる
どこまでも
足元に伸びる
黒い影
黒い犬
振り返ると気配だけ残して
一陣の風が吹く
風と共に
風の中に
その気配を見張る
見つからないように
決して見つからないように
彼らの遠吠えが響いている
どこに逃げても無駄だぞと
未熟な私は恐れて震える
でももしかしたら
喰いちぎられて捨てられる事を望んでる
待ち侘びている