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pour away このページをアンテナに追加 RSSフィード

掴めそうで掴めない情景、淡く、うっすらと。

記憶の中にぼんやり灯る物語。

2007-07-29

[] きみをありったけ抱き締めた 14:10  きみをありったけ抱き締めた - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  きみをありったけ抱き締めた - pour away

「抱き締めて? きつく息もできなくさせて」

抱き締めたはずのきみは霧散した

腕の隙間から気持ちの狭間から現実とそれ以外の間へ向けて

訳がわからなくなって抱き締めていた手でそこをこじ開けた

綿菓子みたいなきみの残滓が肌に当たって砕け散った

きみが抜けて開いたその空間の違和感がある場所に指を差し込む

抱き締める時と同じようにさらに力を込めて

差し込んだ指先を中心に罅が音も立てずに拡がる

その先で口元を緩くこっちを眺めているきみ

手を千切れそうな程伸ばす

きみはきみを中心にきみの中へ吸い込まれていく

このまま掴めずに・・・?と不安ともやもやした恐怖が顔を歪ませる

見慣れた天井

隣にはすーっと静かに寝息をしているきみ

放り出された手に自分の手を繋いでみる

高鳴った心臓もお構いなしにぼやけ始める思考

これも夢かもしれない

明日になったら何も覚えて居ないかもしれない

もしかしたらきみの手だけは全部覚えているかもしれない