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pour away このページをアンテナに追加 RSSフィード

掴めそうで掴めない情景、淡く、うっすらと。

記憶の中にぼんやり灯る物語。

2008-01-15

[] 初夢 14:44  初夢 - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  初夢 - pour away

じっとりと空気が重たい

さっきまで感じていた冬の冷たく硬い軽い空気は何処へ行ったのか

どうやら横になっているようだ

寝ているのか倒れているのかはわからない

踵と腰と背中に硬い岩のような感触

僅かに温かみがある

目をゆっくりと開ける

ぎらりと太陽が覗く

「眩しい」

男は誰もいない空に向かって漏らした

目が乾く痒い

目と目の周りをゴシゴシと擦る

瞬きをした

目を開けたら暗い教室

男の姿勢は同じく横たわったままだ

隅に椅子を逆さに乗せられた机が寄せられている

男は気付く

「夢か」

立ち上がり伸びをする

朝起きたときにする癖だ

体の節々に血がいきわたるように筋肉を起こす

骨が軋みながらベキベキと声を上げる

男は何かおかしいと思う

「・・・何かいるな」

横目に窓の外を見る

一色の黒

それ以外なにもない

「手抜きやがって背景くらい入れろよ」

男は夢の出来に愚痴をこぼした

男は身を翻して廊下に飛び出る

今いた場所に鬼のような小男が突如現れた

教室の入り口で身を潜めて様子を伺う

教室の天井が壊されている

どうやら小男はそこから降りてきたらしい

しかし引っ掛かる

何かで気が付いたが音がしなかった

小男は鈍器のようなものを持っている

振り回した

寄せられていた机が砕けて辺りに散乱する

そして男は確信する音が聞こえないと

なにやら小男が鼻を動かしている匂いを嗅いでいる様だ

「こっちに気付くか・・・?」

男は教室の入り口から出口に向かってポケットの中のケータイを投げる

廊下に落ちるケータイ

音はやはり聞こえない

小男はその容姿からは想像できないスピードでケータイが落ちた場所へ飛びつく

「最悪、向こうは聞こえるのかよ」

男は反対方向へ走り出していた

小男がこちらに気付き追いかけてくる

なぜか先ほどの敏捷さはない

男は前を向いたまま猛然と走り続ける

男は前を向いたまま小男を観察した

数が増えている

1m進む事に鼠算式に増えているようだ

もう廊下の彼方まで小男で犇いている

「気持ちわりい」

それぞれ同じ顔ではなく微妙に異なっている

手に持っているものや身に付けているものなども違うようだ

黄土色の体毛に覆われている

目は黒色で見えてないようにも思える

耳が頭の上に小さく生えている

角のようではない

変色し溶けた歯が下卑た笑いを浮かべる口から見える

「こんなゴブリン見たことないな

 FFでもMTGでもLORでも・・・何がモデルなんだ?」

小男の一人が手にもった鈍器を男に目掛けて投げた

軽いモーションから物凄いスピードで鈍器が放たれる

カタパルトかっつーの」

男は身を捻ってかわすがわき腹が抉られる

ゾリッと嫌な感覚

思わず咽返る

口から血が溢れる

手をやるとダラリと中身がぶら下がっているのが分かる

尖った骨に指先が当たる

突如目の前にガラスの壁が現れる

「行き止まり!?」

そのガラスの壁に鈍器が刺さる

破裂

ガラスの破片

画面にはGAMEOVERの血文字

誰もいない観客席の真ん中に座って足を投げ出している

スクリーンで見みながら呟く

「これで終わり?」

男はめんどくさそうに一人ごちる

「ああ、またか」

自分の匂いの染み付いたシャツを鏡の前で肌蹴ている

浮いた肋骨の何本目かの間に小さな痣があった

見ようによっては心の記号にも見える

男は痒そうにガリガリと痣とその周辺をかいた

白い肌に爪の痕が蚯蚓腫れのように赤く引かれる

この呪いを掛けた占い師・・・だったか今はもう顔すら思い出せないが

この痣が浮き上がるとそいつの言葉を思い出す

「あんたの体のどこかにあんたの運命が浮き上がる

 その事を覚えておきなさい」

もちろんそんな世迷い事を真に受けてる暇なんてない

ただこの痣が浮かぶと自分の身に何かが起こる事は確かだった

それはどれもこれもが難癖揃いだった

そして自分の力などでは何も出来ない類のものばかり

突然ストーカーに合うだとか

目の前で電車に飛び込む人が出るだとか

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「これが初夢・・・ね」

この夢を夢判断とかする人のとこに持っていったらなんて判定されるんだろうか

こんな夢が正夢になり得る訳がない

ケータイのアラームが鳴る

寝惚けながらアラームを止めてモソモソと布団から出る

寒い

もう一回ぬくもりに潜り込む