2008-10-23
■ [other] 僕は空を見ている。だだっ広い丘に寝転んで。精一杯強がるように自分の体広げて。

夏の終わりに疲れた芝が罪悪感のようにちくちくと肌を刺した。
その整った顔と同じように綺麗な言葉と簡潔な文脈で片付けようとするきみ。
悲しそうな顔もかわいいなと思った。
枯れた秋の心地よい匂いをおなかいっぱいに吸い込む。
景色の隅に僕をみているきみが映っている。胡坐をかいた猫みたいに不恰好に座り込んで。
遠くに走る車のフロントガラスがちかちかっと陽の光を反射している。
一緒に暮らしていく事は同じ方向を見る事だとか一緒に手を繋いで歩いて行くだとか言うけれど、少なくとも今まで僕らはそんな事はなかったし、しなかった。
いつも違う何かを互いに見ていたし、これからもそうだろう。視線が絡むのは夜の間だけ。
触れたくない、触れられないものも腐敗して枯れて。リビングに飾るのもいいかもしれない。
どこまで許せるか許してもらえるかを競い合ったりもして。奪い合ったパイをぶつけ合った。
炭鉱夫みたいだねときみは言った。
そうだねと僕は答えた。
持ち合わせはやり過ごす為の優しさしかなくて、後の空しさに耐えられる質さえない。暴力にも似た快楽に串刺しにされて漂う。
どうして?。不安を形にしたような雲が目の前の光を遮った。
袖を引っ張って屋根のある場所を指差すきみ。風もあるからだめだよという僕をよそに歩き出す。
起き上がり、服についた草とかを払い落として後に続く。
あっという間に親の敵のような雨粒が流れ込んできた。
強い風に煽られてびしょ濡れになる僕ら。
だから言ったのにという顔をする僕。舌を差し込んでくるきみ。嬉しそうないつもの笑顔にほっと胸を撫で下ろす。
僕は少し驚いた顔をしている。背中から腰骨。同じように濡れているベンチに座り込む。
爪が肌に食い込んで血が流れる。器用な指に露わにされた僕のを口に含むきみ。
思いっきり噛まれた。
