Hatena::Groupneo

pour away このページをアンテナに追加 RSSフィード

掴めそうで掴めない情景、淡く、うっすらと。

記憶の中にぼんやり灯る物語。

2008-11-13

[] 匂いの記憶 15:50  匂いの記憶 - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  匂いの記憶 - pour away

最初の記憶。

自動販売機の前。

ぱさぱさした缶のココア。

大袈裟に着膨れた彼女はパースの狂ったマスコットみたいだった。



「お疲れ様です」

(がしゃん)

「はーこれこれお疲れお疲れ」

(かしゅ)


…なんだろうこのイラっとした気持ち。



「自宅は北極ですか」

「愛くるしいと思わない?」

「ペンギンみたいではありますね」

「ペンギンは北極には居ませんー」

「じゃあ熊みたいです」

「嫌なヤツね」

「お互い様です」





「だからなんでそんな言い方するんだよ!」

「わからないならもういい!!」



ココアの味。

腕を強く引いた勢いでココアはこぼれてコートに掛かった。





「男の子みたいだね」



と悪戯っぽく微笑む。

横目に見る彼女はとても機嫌が良さそう。

今までなんだと思ってたんだ?

みたいって?

???

聞き返しても、突き詰めても、余計にわからなくなるだけだった。

カップホルダーには飲みかけのココア。舌を火傷してひりひりしてた。





彼女のミルクみたいな匂い。

香水をつけないからシャンプーじゃない?って言ってたけど違う。女性の匂い。昔から知っているような。

ココアに混ぜて飲んでみたいと。