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pour away このページをアンテナに追加 RSSフィード

掴めそうで掴めない情景、淡く、うっすらと。

記憶の中にぼんやり灯る物語。

2008-11-13

[] 毛布に包まって 22:57  毛布に包まって - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  毛布に包まって - pour away

考え事をするのが習慣になっている。

寝付くまで時間が掛かるのはこの癖のせいだ。

手や足の先が冷たい。冷え性の彼女より冷たいのはなぜなんだろうか。

眠ると彼女は暖かくなるのに自分は冷たいままだ。

自分と同じ毛布。安心する。犬みたいだって笑われる。半分ずつなのに。

何がしたいんだろうか。何が間違ってた、かはそんなに重要じゃない。

でも、どこか上辺を撫でるだけの付き合いに思えて。

どこまでも続く砂浜を歩いていた。

灯台の灯りと、海の向こうの島の灯りだけ。

波の音がこんなに大きいなんて初めて知った。海の寝息。

夜の空よりも暗い砂浜に二人のくぼみが延々とできていった。

もう歩き始めた位置なんて見えなくて、戻るなんて事は考えてなかった。

そのまま、歩き続けて、ホテルの軒先に着いた。雨が降ってきたから中に入ってセックスをした。

とても良くて、とても悲しかった。セックスは死の象徴という人が居た気がするが、彼女とのそれはどこか終わりを思わせた。延々に続く砂浜。

シーツに擦れた皮膚が赤く剥けた。背中には彼女の立てた爪の跡から血が出ていた。彼女のサイン。

腕の中で彼女はずっと窓に当たる雨を見ていた。大きな眼を開いて。猫。

明日が来て。明後日が来て。そして終わる。寄せては返す波。

互いに分かり合えないから、気持ち良くて。

話す事も諦めて、ただ待ってた。それが来るのを。予感。それだけで繋がって。

すれ違ってすり減って疲れて。体液のないセックス。

あんなに気持ちいいのに、こんなに下手くそで。