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掴めそうで掴めない情景、淡く、うっすらと。

記憶の中にぼんやり灯る物語。

2008-11-13

[] 喧嘩の理由なんて下らなさ過ぎて忘れた 19:10  喧嘩の理由なんて下らなさ過ぎて忘れた - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  喧嘩の理由なんて下らなさ過ぎて忘れた - pour away

いつも、少しのすれ違いとか、そもそも話が噛み合って無かったりとかしてる。

仕事じゃもう少しうまく立ち回れるのに、なんでこうも上手くいかないんだろう。

声を張り上げて、詰って、やけに丁寧なメール送ったりして馬鹿みたいだ。



いつも、途方に暮れる、という言葉が正しいのかわからないけど、今の自分にはなんとなくぴったり吸い付く、その言葉。

空に申し訳なく思い、薄目を開けて見上げる。考える。どうやって仲直りしようかと。



いつも、甘い物じゃ芸がないよな。こないだはケーキ投げ返されて潰れちゃったし。

花は?柄じゃないよね。自分は女性に対して花を贈る、という行為がセックスより恥ずかしくて、できない。

花屋に一人で入るのは、アダルトビデオを借りるより恥ずかしい。例え、レンタルショップの店員が女性であっても。

一人で彼女の下着を買いに行くようなもんだとすら思える。



いつも、のドア。

結局、手持ち無沙汰。謝罪のメールも書いては消して繰り返して。

ぎいっと開くのを拒むようにドアが音を出している。

そんなに嫌がるなよ一応家主なんだとドアに申し訳ない気持ちになる。



いつも、の部屋はどこか寂しげで、数日誰も居なかったような、旅行から帰ってきたあの日のようだった。

そのときの彼女は確か窓を一杯に開けて、玄関も開けっ放しで。

吹き抜ける風が、淀んでいた部屋の枯れた空気を一掃してくれたっけ。

風に吹かれて顔を背けるのがとても可愛らしかった。髪が靡いて。

同じように玄関を開けたままにして靴を脱ぐ。ベランダの窓を開けてから気がつく。風が無いことに。

[] 匂いの記憶 15:50  匂いの記憶 - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  匂いの記憶 - pour away

最初の記憶。

自動販売機の前。

ぱさぱさした缶のココア。

大袈裟に着膨れた彼女はパースの狂ったマスコットみたいだった。



「お疲れ様です」

(がしゃん)

「はーこれこれお疲れお疲れ」

(かしゅ)


…なんだろうこのイラっとした気持ち。



「自宅は北極ですか」

「愛くるしいと思わない?」

「ペンギンみたいではありますね」

「ペンギンは北極には居ませんー」

「じゃあ熊みたいです」

「嫌なヤツね」

「お互い様です」





「だからなんでそんな言い方するんだよ!」

「わからないならもういい!!」



ココアの味。

腕を強く引いた勢いでココアはこぼれてコートに掛かった。





「男の子みたいだね」



と悪戯っぽく微笑む。

横目に見る彼女はとても機嫌が良さそう。

今までなんだと思ってたんだ?

みたいって?

???

聞き返しても、突き詰めても、余計にわからなくなるだけだった。

カップホルダーには飲みかけのココア。舌を火傷してひりひりしてた。





彼女のミルクみたいな匂い。

香水をつけないからシャンプーじゃない?って言ってたけど違う。女性の匂い。昔から知っているような。

ココアに混ぜて飲んでみたいと。

[] 毛布に包まって 22:57  毛布に包まって - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  毛布に包まって - pour away

考え事をするのが習慣になっている。

寝付くまで時間が掛かるのはこの癖のせいだ。

手や足の先が冷たい。冷え性の彼女より冷たいのはなぜなんだろうか。

眠ると彼女は暖かくなるのに自分は冷たいままだ。

自分と同じ毛布。安心する。犬みたいだって笑われる。半分ずつなのに。

何がしたいんだろうか。何が間違ってた、かはそんなに重要じゃない。

でも、どこか上辺を撫でるだけの付き合いに思えて。

どこまでも続く砂浜を歩いていた。

灯台の灯りと、海の向こうの島の灯りだけ。

波の音がこんなに大きいなんて初めて知った。海の寝息。

夜の空よりも暗い砂浜に二人のくぼみが延々とできていった。

もう歩き始めた位置なんて見えなくて、戻るなんて事は考えてなかった。

そのまま、歩き続けて、ホテルの軒先に着いた。雨が降ってきたから中に入ってセックスをした。

とても良くて、とても悲しかった。セックスは死の象徴という人が居た気がするが、彼女とのそれはどこか終わりを思わせた。延々に続く砂浜。

シーツに擦れた皮膚が赤く剥けた。背中には彼女の立てた爪の跡から血が出ていた。彼女のサイン。

腕の中で彼女はずっと窓に当たる雨を見ていた。大きな眼を開いて。猫。

明日が来て。明後日が来て。そして終わる。寄せては返す波。

互いに分かり合えないから、気持ち良くて。

話す事も諦めて、ただ待ってた。それが来るのを。予感。それだけで繋がって。

すれ違ってすり減って疲れて。体液のないセックス。

あんなに気持ちいいのに、こんなに下手くそで。

[] 空 16:39  空 - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  空 - pour away

仰向けに寝返りをうつ。

天井が透けて空が見えるようだ。

まだ外は暗い。夜は夜が明けて朝が来る事を知っているのだろうか。

眠い。体の芯から心地よい眠気がたち込める。

眠気も愛情も同じ所から発生しているような気がする。どこなんだろうか。頭の中?心臓?骨?皮膚?そのどれもであってどれでもないのかもしれない。



「ねぇこれで本当にいいの?」



おかっぱの子供。



「ああ、またお前か」



汚れた半そでのポロシャツに半ズボン。

手や足にすり傷を作っている。



「ねぇ、いいの?」



苛められて泣きながらよく家へ帰った。

情けない過去。自分が無力じゃない事を証明する為に。小動物や虫を殺して遊んでいた。



「幸せ?それともこれから幸せになるの?」



歪んだ笑顔。口が裂けてにちゃにちゃと肉が蠢く音。



「お前に何がわかる!」



苛立っていた。不甲斐無さに。情けない自分に。



「それが大人?きみは大人?」



答えなんてない。



衝撃。光。空。



あ、さっき見てた空。



空が沈む。



ああ、そうだ、帰んなきゃ。

彼女の淹れてくれたココアが飲みたい。謝らなきゃ。

2008-01-06

[] コイカラ(3) 13:47  コイカラ(3) - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  コイカラ(3) - pour away

誰かに何かに言い訳をしながらそれでも書きたいと願う

願い?わからないきっと祈りながら明日がいい日になりますようにって

そんな事に似ている



きみとホテルの一室に居た

拝み倒したように来た

情けないなできる自信がない

急に怖くなった

服を一枚ずつ脱がすのも

喘ぐ声を聞くのも

望んでいたはずなのに

消えないいつかの彼の影

自分はピエロみたいなもんなんだよなぁ

多分きみは・・・

下らない事考えないで目の前の人に集中しろよ

思えば思うほど考えれば考えるほど

できる限り優しく

きみの優しさに応えるように

でも結局うまくできなかった

それだけがセックスじゃないって頭ではわかっていても

帰りの車

ウィンドウガラスの向こうの景色に車内が映りこんで

なんとなく好きだなぁと思った


きみを旦那が待つ家の近くに送る

僕は妻の待つ家に帰る

なんだか人間関係ってすぐ絡まるもんなのかなぁ

めんどくさいな色々とか

自分のせいだってわかっているけど

人生は楽しいんだけれども

2007-12-04

[] コイカラ(2) 13:25  コイカラ(2) - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  コイカラ(2) - pour away

持て余した時間で映画とか見て

やっぱりいつもの居酒屋のカウンターで呑んで

帰り道にまたねって手振ってキスして



え?あれ?なんで?キス!?

僕から?きみから?

甘いお酒の味

頭の中が痺れる

甘いお酒の味よりももっと甘く

甘いきみの匂いよりももっと甘く

別の生き物みたいな舌があったかくていやらしくて

あーもーこりゃダメかも負けそう

恋愛で勝ち負けとかないって言うけど

惚れたら負けってなんでか思うんだ



今度は頻繁に夢をみるようになった

決まってきみがいる夢

ただ夢の内容は笑っちゃうほど脈絡無くバラバラ

二人でセックスをする夢だったり

学生服で登下校していたり

きみが僕を追いかけてきて首を切り落としたり

最初は遊んでたゲームや見ていた映画

今までの思い出とかが影響してるのかと思った

けどすぐに違うと気が付いた

まるで見た事のない景色に記憶

サイケデリックな色した空

猫の舌みたいにざらざらした風

夢の中特有のぬるい泥沼みたいな足場

そして左手だけじゃなく舌にもきみの感覚が木霊するようになった

ああこの夢は皮膚が見せているんだ

脳が蓄えた記憶の断片が夢になっているのではなく

皮膚が蓄えてきた見えざる記憶

少しずつ毒に冒されていくような感覚

命を落として土に還る動物達のビデオを思い出す

あれはきっとこんな風に甘い滅びの感覚

死は優しいし唯一の公平だと思う



彼氏がいるかどうかは確認できなかった怖くて

でも居るんだろうという予感はあった

キスしたことも酔っ払って覚えていないかもしれない

膝が震えだしてその場に崩れ落ちそうになる

大丈夫まだ好きじゃない好きじゃない好きじゃない

自分に呪いをかけるように何度も何度も膝の震えが収まるまで唱えた

頭の中には自分の心臓の鼓動音が速く低く響いていた



友達と呑んでいるときにメールが来た

「近くにいるんだけどどこで飲んでる?」

彼女を迎えにいった

彼女は男と居た

思ったほどの衝撃は来なかった

こんなものかとも思うほど

その日は楽しく呑んだ

二人の話を聞きながらたくさん笑った



彼の親しみの篭った彼女の呼び方にイライラする

二人の日常が垣間見える毎に感情が揺れる

彼女の手が彼に触れる度に頭の奥が重たく熱を帯びる



----



自宅で目を覚ました

昨日一緒に呑んでいた友人が部屋の隅で鼾を立てている

すんと鼻をならすと僅かに女の匂いがした

フローリングの床にはラメがきらきらと落ちていた

あれから自宅に戻ってきて呑んだのか

熱めのシャワーで酒の匂いを落とす

排水溝に全部流れてしまえばいいのに

湯気をまとい濡れた頭を拭きながら部屋に戻る

携帯電話が点滅している事に気が付く

彼女からのメールだった

メールに書かれた時刻を見ると今朝早くに届いている

今はもうお昼過ぎだ

昨日結構酔ってたみたいだけど大丈夫?

数回他愛のないやりとりを繰り返す

今日は自棄酒にでも付き合ってもらうかな

僕は眠りこけている友人を見る



----



あれからも僕らは何度か呑みに行ったり遊びに行ったりしている

友達という関係に満足しきっている訳ではない

けれどそれでいいこのままでいい

少なくとも今は

2007-12-03

[] コイカラ 14:58  コイカラ - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  コイカラ - pour away

ただなんとなく今の気持ちとかそんなものを書き留めて置こうかと思ったんだ

それだけだよ

ここには巧いストーリー展開もタメになる話もない

勢いだけで書いてみるもちろん推敲なんて野暮な真似はしないつもり

たまには感情の赴くままに自分の中の生に近い部分をキーボードに

多分きみと出会ってから結構な時間が経った

もう何年になるのかな

そうやって思い返す位はねと思うんだ

だからって訳でもないし記念にって訳でもない

ただ思い返して数えてみたらそれだけ経っていたってだけで

ここの文章もきみにすぐ見つかるかもしれない

それだったらこんな事書かないでメールにしてって思うんだろうか

でも見つからないかもしれない

この見つかりたいような見つかりたくないような気持ちわかるかな

子供の悪戯みたいだって笑うんだろうな

これだから男って馬鹿ねっていつもの口調で

そう少し照れながら膨れっ面で腕を叩くきみの顔が浮かぶよ?

ああなんか書いていたらただの惚気話になってきた

なんで好きになったのかなって少し考えてみたんだ

頭ではうん頭ではさ違うんだ

いやごめんそれも変な言い方なんだけどキライって訳じゃなくてさ

ちょっと待って!そんな顔しないで言い方が悪いのは謝るってばごめんなさいもう少しだけ読んで下さい

最初にたまたま何かで手繋いだときがあったんだ

きみは何気なく何かに捕まるつもりだったんだと思う

思いもしなかったきみの手の感触に驚いて僕が見返すと

「あ ごめん丁度良かったから少し手貸して?」

とかそんなような事言ってた

手離すときに掌を軽くくすぐって

その時は別になんとも思ってなかったんだ

ただ皮膚にその一瞬の肌の触感が本当に薄くだけど僕の肌の表面に残った

油膜みたいなソレに僕は悩まされた

掌の感覚が少しおかしいのだ

日常生活には問題はないまったく

けれども朝のスタバコーヒーを飲んでいるカップを握ったときの掌に

仕事から帰ってきて車を停める際にブレーキを踏んだときのハンドルを握る手の中に

何も誰も頼んでもいないのに柔らかい妙な感覚が再生されたんだ

きみの指が僕の掌をなぞる感覚が

握られていたカップは床に落ちて店員の仕事をひとつ増やした

僕は訝しんで掌を握ったり広げたりを繰り返した

なんともなかったいつもの手だった

不恰好で指を鳴らす癖の為に節が太くなっている手

少し首を捻って店を出た後にコーヒーが台無しになったなとため息をついた

それから何日かに一回程度でその現象は現れるようになった

初めは神経がおかしいのかとか霊的な何かが僕の掌をくすぐっているのかとかそんな風に思っていた

(そんな事をする幽霊なんて聞いた事もないしメリットもないだろうとしか思えないが)



何回かの後にあ!と思い出した

あの指だ

はーうざってえ

なんでこんな事に?

本当にあの指か?

確かめようと思ってきみに会う事にした

呪いを掛けられたら掛けた本人に会うのは常套

買い物に付き合ってとかそんな理由で

やっぱり何気なくきみは手を繋いできた

掌に意識が集まる



これだ



って掌が言ってる

は?掌が言ってる?なにそれちょっとまってくれよ

勝手に決めるなって僕の主導権は僕の脳にあるんだから

それともお前あれかこの左手は寄生獣か?

それなら納得がいく

納得はいくが右手でミギーだから左手だとヒギーだぞ?

安っぽいアダルトの喘ぎ声じゃあるまいし恥ずかしい

アホな事を考えてる場合じゃないその間にも掌からゾワゾワした感覚が増えて上ってきている



これだ

これだ

これだ



無数の細い糸みたいな感覚が甘く厭らしく掌から手の甲へ

手の甲から手首へと上がってくる

思わず僕は手を離した

これは危ないおかしい気味が悪いきみが悪い

僕は何気ない顔で手洗いへ向かった

鏡の前で大きく深呼吸して鏡をみた

大丈夫顔には何も出ていない多分

手を洗う念入りに

アルバイトでしていた飲食店での手の洗い方

指の股から掌へ手の甲を洗って水でゆっくりと洗い流す

三回繰り返す

また掌を握ったり拡げたりを何回か繰り返す

皮膚の感覚と脳の感覚が剥離している

絶望にも似た真っ暗で寂しい感情が押し寄せる目頭を押さえる



おいおいイイのかよ

よくないよあの子彼氏いるんじゃないの?

確かそんな事言ってたような気がするぜ

まーモテそうだし

でもお前(脳)は別になんとも思ってないんだろ?

じゃあ傷が深くならない内に止めとけって

掌のヤツだって少しすれば収まるさ

脳内での会議は十数分に及んだ



追記

テキストプレイぶって一気に書いてみたけど余りに酷いところがあったので直しました(ヘタレ)

中途半端で終わっているのは単に力尽きたからです(一息とか無理)

最近のショックな出来事はファ文で書いてる創作より偽装の実体験の方が創作に見えると言われた事です(人生は小説より奇なり)

2007-08-31

[] 泣いているきみがあまりに愛しいから 16:39  泣いているきみがあまりに愛しいから - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  泣いているきみがあまりに愛しいから - pour away

泣かしたい

泣いて欲しい

僕のために

2007-07-29

[] きみをありったけ抱き締めた 14:10  きみをありったけ抱き締めた - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  きみをありったけ抱き締めた - pour away

「抱き締めて? きつく息もできなくさせて」

抱き締めたはずのきみは霧散した

腕の隙間から気持ちの狭間から現実とそれ以外の間へ向けて

訳がわからなくなって抱き締めていた手でそこをこじ開けた

綿菓子みたいなきみの残滓が肌に当たって砕け散った

きみが抜けて開いたその空間の違和感がある場所に指を差し込む

抱き締める時と同じようにさらに力を込めて

差し込んだ指先を中心に罅が音も立てずに拡がる

その先で口元を緩くこっちを眺めているきみ

手を千切れそうな程伸ばす

きみはきみを中心にきみの中へ吸い込まれていく

このまま掴めずに・・・?と不安ともやもやした恐怖が顔を歪ませる

見慣れた天井

隣にはすーっと静かに寝息をしているきみ

放り出された手に自分の手を繋いでみる

高鳴った心臓もお構いなしにぼやけ始める思考

これも夢かもしれない

明日になったら何も覚えて居ないかもしれない

もしかしたらきみの手だけは全部覚えているかもしれない

2007-07-03

[] 或る男 00:28  或る男 - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  或る男 - pour away

いい男になりたい

いい男で居たい

いい男で在り続けたい

他の誰でもない君の為に



電気を消した部屋

シーツの上で膝をついてもぞもぞと動くシルエット

包まれるように口の中に入っていく

自分の尖った一部

そこから背筋を通って頭へ抜ける快感

器用に絡みつく舌の濡れた感覚

素直に反応する体

自分の頭や心にはない

体だけの特権にも思える素直さ

体は素直だよなっていうどこかの陳腐な台詞が頭をよぎる

集中できないからとこちらから触るのは拒否された

与えられる一方的な快楽に罪悪感が浮かび上がる

されている感覚に金を払って性を買うという事を思い出す

快感と焦れったさが交錯する

耐え切れなくなった自分の手は

甘い声を漏らしながら動く頭を髪を撫でる

頭から首筋

うなじに肩と指を滑らせる

胸の辺りで手を払われる

されるだけじゃなくてしたいのに

女々しい思いと行為に集中できない自分が嫌になる

口でされている時に満ちる支配欲

この人は今だけは確実に自分だけの人なんだと思える

その反面

ひどく残酷にもなる

「もっともっと」と頭の奥から聞こえてくる

小さな頭を掴んで力を込める

戸惑い困惑した声を無視してさらに力を入れる

「もっと咥え込んで」

ぞっとするほど低い声

自分の声?

苦しそうに咳き込む君をみて

脳の奥が熱く焼けていく

自分の手はもう鋼鉄のように硬くて脳の制御が効かない

喉の柔らかい部分の感触に赤い感情が燃え盛る

細く小さいカラダを守ってやりたいと思う

同時に

同じ強さの気持ちで壊してやりたいと思う

白く熱い液体を飲み干して笑顔で抱きついてくる君

ひどい事をしたという事よりも

自分の中の汚い部分を自覚した事に感じる罪悪

欲望に焼かれた体と冷たい思考

それを受け入れてくれる君

もっと

いい男になりたい

もっと

いい男で居たい

もっと

いい男で在り続けたい

もっと

熱く

もっと

冷たく

もっと

優しく

もっと

残酷に

2007-05-18

[] 言葉にできないものたち 13:10  言葉にできないものたち - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  言葉にできないものたち - pour away

輪郭や存在や境界や規律

ありとあらゆるコトやモノやヒトに引かれた線

断ち切って越えて引き直して

皮膚で別け隔てられている二人だから

互いの湿った温度をいとおしいと思う

もし僕の声が絶える時が来たら

最後にあなたの名前を呼びたい

その時僕は僕のその声を以ってあなたの名前になる

2007-05-15

[] ゆらゆらゆらゆら 13:32  ゆらゆらゆらゆら - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  ゆらゆらゆらゆら - pour away

人は考える葦だなんて誰か言ってたけど

悩んで進む事のできない僕は何なんだろう

頭蓋の中の柔らかいその奥に閉じ篭る

悩んだり考えたり思ったりを行ったり来たりしている

生温い午後の細波だったり

風に吹かれる君の髪だったり

いつまでも波に漂っていたいと思う

いつまでも君の髪を見ていたいと想う

ふと考えては浮かれたり落ち込んだり

ゆらゆらゆらゆら



一緒に居るときは今までの事を思い出す

後姿や手を振る君に重なるいつかの君

投げかけられる言葉に

触れられる指先に

時間が止まり

思考は奪われる

どうして一言一句一挙一動にこんなに振り回されるのだろう

ゆらゆらゆらゆら



たぶん君は何気ない言葉を

たぶん君は何気ないタイミングで

たぶん君は何時も通りの君で

たぶん僕の中に君の言葉は刺さって抜けないだろう

たぶん僕の時計は君が秒針を動かしているのだろう

たぶん僕は昨日までの僕じゃなくて



君のものになった僕なんだろう

2007-05-06

[] 始まりがあれば終わりがあるなんて 14:39  始まりがあれば終わりがあるなんて - pour away を含むブックマーク はてなブックマーク -  始まりがあれば終わりがあるなんて - pour away

いつからこんな風に考えるようになってしまったんだろう

きっとあの時だってわかってる

どうしようもない事なんてのはどうしてもあって

それは本当にどうしようもなくて

受け入れることも流すこともできない



きみの顔を見て安心して

きみの笑っているところを見て楽しくなって

きみと手を繋いで永遠を知って

きみの髪や肌や舌や膣の柔らかさに優しくなって

きみが寝息を立てるのを見てもっと愛しくなって

きみが手を振るのを見送って切なくなって



僕の頭の中とか心とかいう入れ物はすぐきみで一杯になって

溢れて流れて空っぽになって千々に揺れる

辛くてしんどくてもう嫌だって思うのに愛しくて

変わることを拒否してきた自分が

自分の中に誰か何か

他の何かが入り込んでくるのがそんなにイヤじゃなくなってて

イヤだった感覚が今は心地よくて

たぶんそれはきみだからで



きみの視線や髪に手をやる仕種や足の組み方

きみのつける香水や好きなお酒や遠くを見る目

きみの心臓の鼓動から呼吸のタイミングに

目を奪われ心は動かされて

僕はへたくそな人形劇みたいに

風で飛ばされる洗濯物みたいに



苦しくて狂おしくて切なくて愛しくて