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飛び去った季節のアナロジーに、いつも思いを馳せていた。舞い落ちる枯れ葉をジグソーパズルの一片と見立てて、頭の中で組み立てる。応じるものか、過ぎゆく悲しみに。ひるがえした手のひらの上に偶然舞い落ちてきた紅葉のひとひらを捕まえて、握りつぶした。秋を殺してしまった。
いつもおぼろげに見えているのに姿をとどめようとしないあの数式や、あるいは気まぐれな男たちのように、私の前に現れては消えてゆく者どもは、みな残酷だ。だからこちらも速度を上げて、抜刀し、殺すしかないのだ。
しかし、いつまでたっても鈍重な私は、結局のところ真っ白なノートに向かって、アルファベットやギリシャ文字を書き連ねては解くことのできない問題を日がな一日考えるのだった。まるで長い長い初恋を患っているようで、甘酸っぱさはとうに苦みに変わっていた。
一人で酒を呑みながら、書かれなかった小説について考えている
テクストはある物語を指し示すことはできない、物語はモナドであって、それを特定の文字列のモナドで表象することは不可能だ。
今日の事件もまたすでに存在した物語なのだ。
ひとつのテクストは解釈によって無数の物語を得る。それは許されていることだ。
俺は理屈をこねたいのではないのだ、テクストが欲しいのだ。もっと知的で、愉快な。
もはや物語は原型の順列組み合わせのみでなりたつ順列都市なわけだが、そのアナグラム的ナラトロジーのなかにすら、俺は希望を見いださずにはいられない。