2011年05月31日 火曜日
■ [語り部]一○ホウシ 
男「うわああーついに親方を殺してしもうた、人殺しになってしもた!わしは一体なんということをーーー」
女「何を抜かすかボケナスが。実にいい気味じゃ、毎夜毎夜ヒイヒイせめたてられておったら仕舞いにはガバガバになってまう上にポンポコポンにはらんでしまうところであった、早めにこの腐れ田舎泥棒のヒヒジジイを殺してくれて実にありがたいことじゃ」
男「えええなんということを言うのじゃ姫様、わしもたいがいな奴じゃが人殺しなどということをしでかしてしもうてはもうこの世におれん仏様におすがりするしか」
女「やかましいわ、お前がわらわの屋敷にクソガキのころから遊び相手としてすんどる時から、はよにわらわを貫通姦通しくさったおかげで、わらわはこうなってしもたんやないけ。父上があまりの痴態にあきれ返って、わしは屋敷を追い出されるわ、拾われたところがこのような盗賊だかなんだか知らんがクソ小悪党だとは!しかも、エエイ、ちくしょうめ、キエーーーッはらわたが煮えくり返りよるわ、毎日毎日なぶりおってからにぐぬぬぬぬ」グリグリグリグリ
男「おおお、えらい柄がわろうなってしまわれて…!!なんとおいたわしや姫様」
女「ナニイーッ!お前のせいやないか、父上に何回言われても毎夜毎夜忍んできよってからに!恥ずかしい奴め!おっ立てよってからに!」
女「うるさいわ、わしはお前に最初に無理やりメチョメチョにされてからお前のことを、チクショウ、一生愛して離さん、それがわしの復讐じゃ、愛情じゃ、一生離しませぬぞ」
女「まあでもお前がわらわを助けにこの盗賊だかに弟子入りしてきてくれたのは感謝しておる」
男「それはまあ」
女「ふーむ…そうだな、お前はついに人殺しになったんじゃのう」
男「…」
女「わらわはもちろん誰にも話さぬ。これからもお前はいっそうわらわに仕えるように、のう?」
男「ヒイイイ!!」
女「とりあえずこのジジイの貯めた金銀財宝はわらわのものじゃ、ちょうどよい、こやつは鬼であったということにしようガッポガッポじゃ」
男「姫様あんた最悪やな」
女「そして捕らわれておった不幸なわらわは金とともに家に帰る」
女「何を言うておるか、お前はそうだな、どっか知らんが適当な家の三男ということをこの金でねじ込んでやる。その後はわらわと暮らせ、結婚できるだろう」
男「か、通い婚…」
女「あ?お前は人殺しだかくされ盗賊の下っ端のままでいたいのか?アアン?後ろ盾にわらわの家があるし出世も安泰じゃ」
男「姫様の言うとおりにいたしますウエーン超怖い」
あんまりめでたくない
参考文献
一寸法師 楠山正雄