安寿土牢

2006-12-13

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炎の中で茂吉がのたうっている。耳障りな高周波は彼奴の断末魔ではない。産声だ。

茂吉は山火事と共に現れる。後に火と雷を司る荒ぶる神に姿を変え、今も茂吉信仰として一部地域に残っているが、それは故なきことではない。茂吉は火によって生じ野火のように広がる。

業火に踊る茂吉にまっしぐらに迫る影は三つ。石布に包まれた狐の面。貞吉五番、十八番、そして二十八番であった。ちりちりと衣の表を焦がす火を潜り抜けた三人は三発の砲声で茂吉を沈黙させた。代償に十八番が腹を貫かれて絶命した。

「あれが茂吉か」

高みからすり鉢状の窪地の底を見下ろしていた男がつぶやく。その声は冷淡で、だがかすかに震えていた。男の脇にはもう一人狐面が控えていたが応えはない。

「しかし、無様だ。一人一殺などとうそぶく余裕などないのだぞ」

「……存じております」

「ふん、水野様によると天文方が数多の茂吉の襲来を予想したそうじゃ。その数見当もつかぬと」

「当方にも土御門様よりそのような警告が御座いました」

「禁裏に通じておると申すか」

「我ら、狐狸の類に御座いますれば」

人外の化生ゆえ政事とは関わりを持たぬ。そのように男は理解した。

「では行くか。案内せい」

「は」

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何でデスノートルールがあるんだっけ?