安寿土牢

2008-07-24

SFオタが非オタの彼女にSFを軽く紹介するための10冊 SFオタが非オタの彼女にSFを軽く紹介するための10冊 - 安寿土牢 を含むブックマーク はてなブックマーク - SFオタが非オタの彼女にSFを軽く紹介するための10冊 - 安寿土牢

(注:リクエストがあったので書いた。対比だけを考えたのでこれで彼女をSFに導入できると考えると馬鹿を見るよ)

(7/25追加注:これをブックガイドとして使うのは間違っています!ブックガイドとしての使用には耐えません!)

改変元ネタ:http://anond.hatelabo.jp/20080721222220




まあ、どのくらいの数のSFオタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、「オタではまったくないんだが、しかし自分のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、その上で全く知らないSFの世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、SFのことを紹介するために読ませるべき10本を選んでみたいのだけれど。

(要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版だな。彼女にアニメを布教するのではなく相互のコミュニケーションの入口として)

あくまで「入口」なので、時間的に過大な負担を伴うまだ終わってないシリーズ、出るといって一向にに出ない続編ありは避けたい。

できれば短編、長くても三部作にとどめたい。

あと、いくらSF的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。

映画好きが『カリガリ博士』は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。

そういう感じ。

彼女の設定は

(注:改変しようとして読んでイライラしてきたので略/やっぱり書いた)

SF知識はいわゆる「Sci-Fi」的なものを除けば、レム、ストガルツキー程度は読んでいる。

血圧は低いが、血行が良い。

という条件で。

まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。

ニューロマンサー(ギブスン)

まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「サイバーパンク以前」を濃縮しきっていて、「サイバーパンク以後」を決定づけたという点では外せないんだよなあ。長さも三部作だし。

ただ、ここで老害トーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。

この情報過多な作品について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報を彼女に伝えられるかということは、老害側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。

夏への扉(ハインライン)、時をかける少女(筒井)

アレって典型的な「オタクが考える一般人に受け入れられそうなアニメ(そうオタクが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのものという意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには一番よさそうな素材なんじゃないのかな。

「SF老害としてはこの二つは“小説”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。

ピニェルの振り子(野尻)

ある種のSFオタが持ってる宇宙への憧憬と、JAXA監修のオタ的な考証へのこだわりを彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにも野尻抱介的な

「童貞」を体現するスタン

「童貞的に好みな女」を体現するモニカ

の二人をはじめとして、オタ好きのするキャラを世界にちりばめているのが、紹介してみたい理由。

世界の中心で愛を叫んだ獣(エリスン)

たぶんこれを見た彼女は「ドラマ原作だよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。

この系譜の作品がその後続いていないこと、これがアメリカでは大人気になったこと、アメリカなら実写テレビドラマになって、それが日本に輸入されてもおかしくはなさそうなのに、日本国内でこういうのがつくられないこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。

銀河英雄伝説(田中)

「やっぱりSFは子供のためのものだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「宇宙大作戦」でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この作品にかける田中の思いが好きだから。

断腸の思いで削りに削ってそれでもOVA110話、っていう尺が、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、その「捨てる」ということへの諦めきれなさがいかにもオタ的だなあと思えてしまうから。

OVAの長さを俺自身は冗長とは思わないし、もう削れないだろうとは思うけれど、一方でこれが宮崎や富野だったらきっちり1時間40分にしてしまうだろうとも思う。

なのに、各所に頭下げて迷惑かけてを作ってしまう、というあたり、どうしても

「自分の物語を形作ってきたものが捨てられないオタク」としては、たとえ田中がそういうキャラでなかったとしても、親近感を禁じ得ない。作品自体の高評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。

征服王コナン(ハワード)

今の若年層でコナン読んだことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。

グインよりも前の段階で、ヒロイックファンタジーとかはこの作品で頂点に達していたとも言えて、こういうクオリティの作品がパルプフィクションでこの時代に書かれていたんだよ、というのは、別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなくSF・FT好きとしては不思議に誇らしいし、いわゆるシュワルツェネッガーでしかコナンを知らない彼女には見せてあげたいなと思う。

果てしなき、流れのはてに(小松)

小松左京の「目」あるいは「絵づくり」をオタとして教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。

「SFを生きる」的な感覚がオタには共通してあるのかなということを感じていて、だからこそ『トップをねらえ』最終話は果てしなき、流れのはてに以外ではあり得なかったとも思う。

「SFを生きる」というオタの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「オタクの気分」の源は果てしなき、流れのはてににあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。

愛に時間を(ハインライン)

これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。

こういうポルノ小説風味の願望充足をこういうかたちで小説化して、それが非オタに受け入れられるか気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。

涼宮ハルヒの憂鬱(谷川)

9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的にハルヒを選んだ。

ギブスンから始まって谷川で終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、冬の時代以降のラノベSF時代の先駆けとなった作品でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい作品がありそうな気もする。

というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10冊目はこんなのどうよ、というのがあったら教えてください。

「駄目だこの老害は。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。

こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。


追記:知るか馬鹿。

追記:7/25ΑΩ→ハルヒに戻す。