安寿土牢

2008-09-08

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十五少年漂流記を読んで


Aさんは泣いてしまいました。

沖で船が燃えているからです。Aさんのお父さんの船です。Aさんのお父さんも一緒に燃えているからです。Aさんのお父さんは僕達が十五少年漂流記みたいなことしたいねといっているのを聞いて、僕達をこの島まで連れてきてくれたいい人です。

この島もAさんのお父さんの会社の持ち物なのだそうです。僕達はゴムボートでこの島に上陸しました。僕らを下ろしてAさんのお父さんは食べ物とかをとりに戻りました。他のみんなのお父さんお母さんも何人かが、まだ船にいました。お父さんお母さん達を迎えにAさんのお父さんはボートで戻りました。ボートはひとつしかなかったのです。

Aさんのお父さんが船に乗り移るのが見えました。誰か他のお父さんが手をさし伸ばしているのが見えました。そして船が爆発しました。

Aさんが泣き止むまで待っていたら、日が暮れてしまいました。日が暮れて海が近づいてきました。砂浜で泣いていたAさんはびっしょり濡れてしまいました。


Aさんのお墓を作りました。

Aさんは体が熱くなってて、乾いたところに寝かせたんだけど気がつくと息をしていませんでした。みんな泣きました。BくんはAさんが好きだったので一番泣きました。CさんとDさんもかわいそうかわいそうと言って泣きました。

僕らは力をあわせてAさんのお墓を掘りました。


リーダーを決めました。みんなで手を上げて多数決で決めました。

リーダーになったE君が最初にしなければならかなったことは、Dさんのしょけいでした。Dさんは見つけた食べ物を一人で食べてしまったので、罰を与えなければならなかったのです。Dさんは泣いてあやまりました。ごめんですむなら警察はいらないとE君はいいました。無人島には警察がないので僕らが自分達で何とかするしかないのです。


F君のしょけいのあと、CさんとG君がいなくなりました。F君のしょけいは間違っているとG君はいったので、E君は怒りました。それだけじゃなくてG君リーダーをもう一度選びなおそうともいいました。僕らはみんな怒りました。一度決めたリーダーをすぐに替えるなんて無責任じゃないかと思ったのです。G君はだまりました。

次の日の朝、G君とCさんはいなくなっていました。CさんはG君のことが好きだったのでついていったんだと思います。


みんなをどれい扱いするので、みんなでE君をやっつけました。カクメイだと誰かが叫びました。みんな口々にカクメイだカクメイだと大喜びしました。でもみんなカクメイってなんだかよく知らないんだと思います。

カクメイのあと、E君の頭をつかってみんなでドッチボールをしました。


H君とI君がおぼれてしずんでしまったので、B君とようやく二人きりになれました。がけの上にH君とI君の分のじゅうじかをたてました。

「ぼくら、アダムとイブだね」とB君はいいました。やっとぼくを女性としてみてくれたのがとてもうれしかったです。

僕はウンと泣きながらうなづいて、B君をつきとばしました。B君は海に落ちました。下は大きな岩がごろごろしていたので、頭をうって死にました。


僕が十五少年漂流記を読んだせいで、みんなのお父さんお母さんは焼け死にました。Aさんは病気になって死にました。B君は突き落とされて死にました。Dさんは吊るされて死にました。E君は棒で撲られたり突きさされたりして死にました。F君は首を絞められて死にました。H君とI君は毒でしびれておぼれ死にました。

CさんとG君は、運がよければ島の反対側にある橋を渡って、人のいるところにたどり着けるかもしれません。

Aさんのお父さんはいいひとなので、二人きりでいるときに、僕がミステリーツアーって何ってきいたら、今度つれてってあげると言ってくれました。だから僕は爆弾の作り方とか毒の本とかいろいろな本を読んで勉強してワクワクして待ちました。Aさんのおとうさんのおかげで、この長い夏休みに、僕が十五少年漂流記を読んでやりたかったことは全部やれました。

この宿題をビンに入れて海に投げようと思います。遠くに船が見えるのできっと拾って先生に届けてくれると思います。



「本を読むことで人間は変わる」

……という物語なのです。

「この本を読んだことで私はこのように変わりました」

……という、美しい物語を描いてください。

http://d.hatena.ne.jp/filinion/20070831/1188565304

夏がくるたびに違う異性を連れて「この人と会って私は変わりました」なんていう人間にろくな人はいません。先生達はどうやら暇つぶしにあなた達の心を覗きたい様ですが、真面目にそれに付き合う必要はありません。

読書はそれ単体でとても楽しいものですし、本を読んで誰かに伝えたいことがあれば、少なくともネットの上にはそれを読んでくれる人がいます。が、伝えたいものがないときは無理して伝えることはないのです。宿題としてはあらすじを書いて最後に面白かったですと付け加えるだけで十分だと思います*1。そうやって宿題をしのいでも、この程度の文章なら書けるようになれるのです。

頭のいい意地悪な人には、また別の宿題のこなし方があります。あなたの宿題を読む義務が先生にはあるのです。だから、あなたが先生の心をえぐるようなことを書いても先生は最後まで読まなければなりません。あなたにどんなことができるか考えましょう。

ただ、私のように小学校先生に「あなたは言葉をナイフのように使う」と言い捨てられないようにやりすぎには気をつけましょう。

*1:とはいえあらすじにまとめるのも難しいには難しいですが、こちらはそれなりに役に立つ訓練です