2011-03-07
■ 放映された番組最初の5分

「審査にうつられる前に、弊社社長より犯行声明の発表がございます」
「犯行声明。私どもは30年にわたり皆様に喜んでいただけますよう食品開発をしてまいりました。おかげさまで定番商品も今や50種を越え、ついにはこの国民的人気番組に出演させていただけることとなりました。誠にありがとうございます。
ですが、私は考えるのです。私たちも万全を期して商品開発をしておりますが、全てがヒット商品とはなりません。お客様に受け入れられなかった場合、業績は下がり、開発担当者のみならず全社員の給与に影響を及ぼします。社員は商品開発に生死を掛けているといっても過言ではありません。
その血と汗の結晶である商品たちを『まずい』の一言で切って捨て定番の座から突き落とし、新商品をお蔵入りにする審査員の皆様は、一体どれほどの覚悟を背負われていらっしゃるのでしょうか。『悔しいけどうまい』程度のぬるい褒め言葉で他の商品を祀り上げ、それで相殺されるなどとお考えでしたら甘いにも程があります
私は考えました。ならばそれ相応の覚悟を背負っていただこうと。
これより十品の定番商品と新商品をご賞味いただきます。審査員の皆様が『不味い』と一言おっしゃるたびに、ここに控えております弊社体育会系社員が金属バットで皆様の関節を一つ砕きます。また減点一点につき骨折一箇所とお考えください。
これがドッキリなどでなく私どもが本気であることを認めていただくために、当番組出演を決め、バックマージンを受け取った広報部長がこれより割腹致します。
(暗転。悲鳴と唸り声。再び映像。血まみれの会場と返り血を浴びた、日本刀を持った社長)
如何でしたでしょうか。では審査のほどよろしくお願い致します。
まず一品目は定番商品の○○です。そちらのメガネの方、おいしいでしょう?……なるほど覚悟を持った方なのかあるいは私どもの本気をなめた方なのか。
(再び暗転。打撃音、悲鳴)
もう一度聞きます。おいしいでしょう?ええ、そうですね。ありがとうございます。
ではそちらの女性のかた。おいしいでしょう?……おいしくはないですか?……泣いてちゃわかりませんよ、おいしいでしょう?……うん、おいしいですね。
では点数をお願いします……シェフの方、どこの骨がいいですか?そうですか、では鎖骨からにしましょう。
続いて二品目。そちらのかた、おいしいですか?……おいしいですか。おかしいですね、弊社一の料理下手の総務部員が調理したのですが……あなた、自分の舌に誇りもって審査してますか?はいおいしくないと。わかりました。では膝を……」