鰐と雨量 このページをアンテナに追加

2007-12-25

お前ら来年の聖夜まで口ジッパーしろ

| 06:44 | お前ら来年の聖夜まで口ジッパーしろ - 鰐と雨量 を含むブックマーク はてなブックマーク - お前ら来年の聖夜まで口ジッパーしろ - 鰐と雨量 お前ら来年の聖夜まで口ジッパーしろ - 鰐と雨量 のブックマークコメント

「孤独な青春だの抑圧された経験だの望まない性だの自意識スードラだのについて小説や詩やお歌やドットエムピージーや論説や何かかんかをぶちあげている文芸部員と非文芸部員どもに言う。お前ら一年黙れ。語りえることについても語りえぬことについても沈黙しろ。より正確に言えば語りえることを持つな。一切の文化芸術的な昇華表現能力を失って単純に泣いたり笑ったりだけできるようになれ。

 一言で言えば俺と、俺たちと一緒の立場になれということだ。理由は嫉妬だ。俺はお前たちが羨ましい。喜びを怒りを悲しみを楽しみを絶望を希望を悩みを苦しみを幸せを人に伝わり認めてもらえる形にして吐き出せるお前らが妬ましい。感情は宙に浮かべることはできない。背負いきれない感情と持て余した思考を、お前らは形を変えて投げ出せば受け止めてもらえるんだ。そりゃあ形を変えるのに多少の苦労はあるだろうがそれが何だ。俺なんかより多く苦労してようがそれがなんだ。内圧の逃がし場所があるんだろうが。処理方法があるんだろうが。俺みたいにどうしようもない鬱憤を吐き出しようもなく愚痴を言う相手もおらずただ溜め込んでる奴とは大違いだろうが。ザルに100リットルの水を注ぐよりバケツに10ccの水を注ぐ方が限界に近づくんだ。俺はもう限界なんだ。爆発しそうなんだ。

 俺がどう限界でお前たちをどれほど恨めしくおもっているかはもう書かない。書く方法が分からないからだ。どうすれば伝わるかが分からないからだ。だからもう一度これだけは言うぞ。お前ら来年のクリスマスまで口にジッパーしてジップロックして俺と同じ苦しみを味わえ。分かったか!」

 そこまで言った時、若者の腹が内部から破裂した。『スティッキー・フィンガーズ』のスタンド能力、『ジッパー作成』で若者の体内で隠れていた男が姿を現したのだ。精悍な顔立ちにオカッパ頭の彼の名はブチャラティという。

「やれやれ……どうやら行ったようだな」

 ブチャラティは周囲を見回し、追っ手が行き過ぎた事を確認した。足元に倒れた若者を見下ろし、少しだけすまなそうな顔をした。

「悪いな、急ぎだったんだ。しかし『ジッパー』がどうとかわめいていたが……こいつオレの『能力』に感づいていたのか? ……いや、まさかな」

 それだけ言い残しブチャラティは夜の街へ走り去っていく。残された若者は何が起こっているかわからないまま、『ジッパー』のあとが消える前にブチャラティを追っていたギャングに見つかり拷問されて命を落としたのだった。

→not to be continued...

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2007-12-18

小説の精霊がぼくに語りかけてくるんだよ

| 23:14 | 小説の精霊がぼくに語りかけてくるんだよ - 鰐と雨量 を含むブックマーク はてなブックマーク - 小説の精霊がぼくに語りかけてくるんだよ - 鰐と雨量 小説の精霊がぼくに語りかけてくるんだよ - 鰐と雨量 のブックマークコメント

  あなたは自分の弱さを小説に書いている。その小説が認められている。ステキね。でもそれって、あなたの弱さを書いた小説が認められてるんであって、あなたの弱さが認めらてるんじゃないからね。将来的にも認められる根拠にはならないから勘違いしないでね。もしかしたら小説の読者さんはあなたの弱さで面白い小説って言う利益を受けてるから認めてくれるかもしれないけど、周りの普通の人たちは迷惑なだけだから。弱さはいつまでたっても認められないのよ。強くならなきゃ駄目なのよ。



第三回ゆらぎの神話小説コンペ投稿作改稿「無題(初題ミュリエンティの憂鬱)」

| 18:02 | 第三回ゆらぎの神話小説コンペ投稿作改稿「無題(初題ミュリエンティの憂鬱)」 - 鰐と雨量 を含むブックマーク はてなブックマーク - 第三回ゆらぎの神話小説コンペ投稿作改稿「無題(初題ミュリエンティの憂鬱)」 - 鰐と雨量 第三回ゆらぎの神話小説コンペ投稿作改稿「無題(初題ミュリエンティの憂鬱)」 - 鰐と雨量 のブックマークコメント

 小説を書こうと決めた。私が無になる前に。いや、私は既に無だ。何一つできることはなく何一つなしとげず何一つ得ることも与えることもない私は無だ。そんな私でも言葉は分かる。だから小説を書こうと決めた。それは無から有になる魔法だ。何もできない私が何かをする。私は魔法使いになりたい。けれど。けれど何を書けば良いのか分からなかった。私は無だから。私には何もないから。私はどこまでも空っぽで目の前には言葉の海が無限に広がっている。一つ言葉を掬ってみた。意味があるとは思えなくて投げ捨てた。どうすれば良いのか分からない。途方もなくて途方に暮れる。どうすればいいか分からなくて泣いた。一滴落ちた涙は言葉の海に溶けて何の意味もないようだった。私には書くことがない。書けない。書けない。書けない。いや、違う、そうだ、書けないことを書けば良いんだ。この苦しみを。この辛さを書けば良い。私を満たしている。ほら見ろ、私はもう書いている。さあ続きを書けば良い、今を書けば良いんだ。私は苦悩している。この焦がれる思いをどう吐き出せばいいのか分からないのだ。何も浮かばない頭からは一言の言葉も浮かばないでああ嘘だ、違う、違うじゃないか、もう駄目だ、失敗だ、大嘘だ。何を書いても間違いだ。私は気付いている。私の苦しみはそんな場所にはない。もうこんな所にはない。「苦しいのです」とか「途方に暮れ」とか「焦がれる思い」とかそんな、そんなものはないんだ。そんなものは、全て嘘だ。私には分かっている。私の書くことは嘘ばかりだ。あの人たちも、書く苦しみをまざまざと生々と書いているあいつらも嘘ばかりだ。あいつらは書いているじゃあないか。書けるくせに書けない苦しみを書くなんて、詐欺だ、欺瞞だ、全部ペテンだ。私は違う、本当の苦しみを知っている。だって本当に書けないんだから。無力さを知ってる。絶望を知っている。私は本物だ。私は本当に書けない。いやそれも嘘だ。違う。書いてしまったから駄目なのだ。私は何をしてるんだ。何かを書いている。これは何。小説? そんな体を取っていない。しかし小説ではないと言う理由なんてない。では小説としていいのか。苦悩を書いた小説。だからそれは嘘だ。書いてしまったら書けない苦悩なんか大嘘だ。じゃあ書いていないのだ。これは苦悩を書いた小説なんかではない。すると、どういうことだ。私は何をしてるんだ。小説を書くと決めたのに、それが、私は、これは何だ。これは無だ。何でもない。何の意味もない。私はまだ何もできていない。

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2007-12-17

大好きな自分へのご褒美

| 01:18 | 大好きな自分へのご褒美 - 鰐と雨量 を含むブックマーク はてなブックマーク - 大好きな自分へのご褒美 - 鰐と雨量 大好きな自分へのご褒美 - 鰐と雨量 のブックマークコメント

 自分の怠惰さが原因で同じ失敗を繰り返した。そのことを人から責められた。自分の悪さを確認した。自分の弱さを確認した。改善点を挙げた。成長方法を考えた。成長には苦労が必要だった。苦労に耐えるなんて出来るわけないと思った。もう一度自分の弱さを確認した。苦労に耐えて成長していくことを考えた。それだけで怖くて苦しくて涙が出た。自分の弱さを再確認した。もうあきらめて忘れようと思った。楽しい事を考えようとした。無理だった。寒くて暖房を強めた。空えずきを繰り返した。自分の弱さを再確認した。寒くて毛布を頭から被り丸くなった。楽に生きる以外のことを追求したくない。迷惑をかけないとかどうでも良い。成長なんて糞喰らえ。自分が死ぬか皆が苦しむかだ。そう開き直った。どうすれば良いのか分からなかった。何をしたら良いのか考えた。楽に生きられるようになるには苦労が必要だと思った。悪意に耐えるには強さが必要だと思った。自分の弱さを再確認した。何を考えればいいのか分からなくなった。涙が出た。冷や汗が出た。反吐が出た。包丁を出した。アタシは死ななかった。スイーツ(笑)。

FaiyazFaiyaz2012/10/16 14:16Smack-dab what I was looknig for-ty!

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2007-12-15

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2007-12-07

フリーゲーム最萌トーナメント支援しそこね文

| 15:06 | フリーゲーム最萌トーナメント支援しそこね文 - 鰐と雨量 を含むブックマーク はてなブックマーク - フリーゲーム最萌トーナメント支援しそこね文 - 鰐と雨量 フリーゲーム最萌トーナメント支援しそこね文 - 鰐と雨量 のブックマークコメント

「……お母さん? 何、してるの?」

 鏡台の前に座った母の背に、少女は戸惑ったような声を上げた。

 腰まで届く蒼い髪と信じがたいほど白い肌、それにふわりとした薄いクリーム色のワンピースが、青空を思わせる。母を見つめるどこか焦点の緩い瞳は、兎のように紅い。

 彼女の言葉に母と呼ばれた女は振り返り、虹の様に華やかに笑った。

「おめかし。今日は私が行くわ。あの人たちにも話は通してある」

 その声も、そして外見も、とても『母』と呼ばれる年には見えないほど若い。

 やはり腰まで届く長い灰色の髪と蒼い瞳、純白のワンピース。

 何も知らない人間が見れば、十人が十人とも年の近い姉妹、と考えるだろう。

 もっとも、彼女たちを知らない者など世界に何人いるのか。

 世界を守る人造英雄、"Wars Like Singing"の二体を知らぬ者など。

「……どうして?」

 蒼髪の少女が戸惑ったように眉を寄せ尋ねる。

 『母』は腕を組み、少なくとも態度だけは母親然とした様子で答えた。

「あなた最近いきすぎよ、体が持たないわ」

「そんな……あたしは大丈夫――」

「それに、今日は母の日だもの」

 目を剥いた少女の反論を遮って、『母』は人差し指を立てる。

 指摘という言葉を体現するように、或いは天井の先にある空を示すように。

 彼女の型番、"WLS-01"を表しているのではないだろうが。

「あの子だってカーネーションを用意して待ってくれてるはずよ。だったら、私が行ってあげなきゃ悪いじゃない」

 蒼髪の小女は躊躇いながらも『母』に反論する。

「余空ちゃんは……そういうのを気にする子じゃなかったの。だから――」

「母親が子供を迎えに行っちゃいけない?」

「…………」

 今までで一番穏かに発された言葉に、しかし少女は口を封じられた。

 何度か開いた唇からは吐息しか漏れず、腰元で拳を握る。

 その小さな拳も、『母』を睨もうとする瞳も、不安定に震えていた。

 言葉にはできず、しかし絶対に譲りたくない、そんな気持ちが溢れていた。

 彼女の様子をしばらく眺めてから、『母』はくすりと笑った。

「冗談よ、そんな目で見ないで。あの子にはあなたがいないとダメ、なんでしょ。一回話したっきりの母親なんかじゃなくって、ね」

「っ!」

 からかわれていたと気付き、蒼髪の少女は唇を引き結んだ。

 俯いて、目も合わせずに早足で『母』の隣を抜ける。

 『母』は優しげな微笑で彼女を見送る。

「行ってらっしゃい、真祐。暗くなったら帰ってくるのよ」

 蒼髪の少女――真祐は振り返らない。

 しかし、決然と顔を上げ、はっきりと返した。

「……じゃあ、行ってきます、お母さん」

 彼女の視線は、遥か遠い空へ向けられていた。

 『妹』の待つ、遥か遠い空へ向けられていた。


※この文章は犬 丼 帝 国 -circulate blue-様製作のSTG『RADIOZONDE』を下敷きにしているかもしれません。

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