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虚構の辺、現実の庵

2009-03-29

「ときどき分類のへたっぴな大人がいてびっくりするよなあ」「する、する、あたしもすると思うの」

| 12:44 | 「ときどき分類のへたっぴな大人がいてびっくりするよなあ」「する、する、あたしもすると思うの」 - 虚構の辺、現実の庵 を含むブックマーク はてなブックマーク - 「ときどき分類のへたっぴな大人がいてびっくりするよなあ」「する、する、あたしもすると思うの」 - 虚構の辺、現実の庵

 こまっしゃくれた兄妹がお喋りをしていました。

「おまえ、クジラって知ってるか?」

「知ってるよ、知ってる、レティシャ知ってるもん」

「じゃあなんだかいってみろよ」

「こんな、こおんな大きいおさかなさんでしょう。ボスタフの百万倍おっきいの」

「嘘ついてら、百万倍なんかあるわけないだろ」

 そこへ通りすがりの大人の男の人がやってきて、微笑ましい子供の会話にやはり微笑みを浮かべながら、誘われるように話しかけました。

クジラは魚じゃないんだよ、ほ乳類なんだ。君たちのペットの黒豚くんと同じなんだよ」

 妹は宇宙にも似た黒くて深い目をぱちくりさせながら首をかしげました。「ボスタフと同じ?」

 ところが兄の方は大人の男の人を小馬鹿にして笑います。

「これだから大人はさ、駄目なんだ、頭でっかちで本質が見えてないんだぜ。なあ、レティシャ、お前いってやれよ、お魚さんってなんだ?」

「うんとね、海を泳いでいるの。泳いでいるのは川でもいいのよ。ひれがついていてさわさわって泳ぐの。こんなね、こんな、えっとね、鯛焼きみたいな形してるの」

「だろう? だのにこのおじさん、おかしいんだ、クジラはボスタフと同じですだってさ、笑っちゃうね! どこのどなたがクジラを魚類といいましたかってんだ。僕らはクジラが《おさかなさん》っていったんだ。それともボスタフにはひれがついてるってんだろうかね、大人の目はよく分からないや。ボスタフは長いこと水の中に潜っていられるんだろうかね、大人の考えることはよく分からないや」

「レティシャもわかんないよ、パパはね、ママのこと一番愛してるっていうのにレティシャのことも一番愛してるっていうのよ、一番って一番のことなのにね、変でしょう」

「それは変じゃないんだぜ、一番ってのはたくさんあっていいんだ」

「本当? でもかけっこは一等賞は一人だけしかいないのよ」

「いいったらいいんだ。言葉の幅ってんだ」

「知ってる、レティシャ知ってるもん、言葉の幅でしょう、こんなね、おもちみたいに伸びたりするの」

「伸びたりなんかするもんか! 知ったかぶり! でもレティシャだって大人の知ったかぶりには舌を巻くぜ」

「べろべろをまくの? メカレオンみたい?」

「馬鹿、カメレオンだろ。まあ、いいんだ、そんなこと。些細なことさ。その些細なことが分からないのが大人なんだ。たとえば、ほら、前にベジタリアンって覚えただろう」

「お野菜しか食べないひとのこと! 知ってる、知ってる!」

「俺だって、お前が知ってることくらい知ってるさ」

「ベジタラヤンはね、お肉は生きているから食べちゃいけないっていうの」

「そうさ。でな、ベジタリアンを批判する人はこういうんだぜ、お野菜だって生きてるだろうって。馬鹿だよなあ! クジラをほ乳類っていう大人みたいに馬鹿だぜ、だってそうだろう、それは正しいけど、それがどうしたのってもんじゃないか。お野菜は生物さ、そりゃ知ってらあ。レティシャも知ってるだろう? でもさ、それじゃ植物には肺があるのかよ、目があるのかよ、それから、お肉みたいな味がするのかよ、なあ? そこに生えてるタンポポとうちのボスタフ、てんで別ものじゃないか、そんなこと子供だって分かるぜ、なあ? 植物が生物の一種だからってどうだってんだい、ベジタリアンがいってるのは《どうぶつ》のことだぜ、そんなの当たり前じゃないか」

「ボスタフのほうがきっと美味しいよ! ポポンタはね、苦いの、すっごく苦いのよ、知ってる、レティシャ知ってるもん!」

「だろう? レティシャに分かることが大人には分からないんだぜ、まいっちゃうよ!」

「まいっちゃうね」

「俺たちも注意しなくちゃいけないぜ、そんな大人にならないために気を付けないと」

「きよつけ! まえにならえ!」

「そうそう」

「でもどうやってきよつけるの?」

「そんなこと知るもんかい。それより今日こそはマッシュのやつをこらしめてやろうぜ!」

「いや! レティシャ怖いもん、マッシュね、レティシャ見るとガウガウいうのよ、ウーッて唸るの、だからいかない!」

「平気さ、ボスタフをつれてくんだから。川に突き落とすんだ。噛み付かれちゃたまんないから、僕らに吠え立てたらどうなるか教えてやるんだ」

「ボスタフがいっしょだったらレティシャも行く!」

「よし、じゃあ決まりだ」

 大人の男の人はボスタフには予定があることを教えてやった。「君たちのお母さんが買い物につれていくといっていたよ。荷物持ちにするんじゃないかな」

 兄妹は歓喜の叫びとも悲鳴とも分類しがたい声を発しながら自宅へ引き返していった。

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