2006-02-25
貸し猫
僕らの民明書房 |
勝手なストーリーで写真を飾り立ててみようシリーズ 第一回 「貸し猫」
猫を貸そかとあの人訪ね 借りてきたよな猫被り
「シュレディンガーの猫ごっこがしたい」と先輩が言い出したときは真剣に頭を抱えた。理系の男ってのはどうしてこうバカばっかりなのか。
仕方がないので、うちのプリとキュアをダンボールに入れて先輩の部屋まで運んだ。
「で、どうするんですか」
「そこ置いといて。見るから」
フローリングの床にダンボールを置く。先輩は部屋の反対側のソファに腰掛けて、眼鏡の奥からダンボールを眺めている。わたしはソファとダンボールの真中に立って、先輩とダンボールを交互に見る。
「…楽しいんですか?」
「すごく楽しい。だって、確率的にはその中の猫が生きてるかどうか不定なわけだよ。ワクワクするだろう?」
「動いてますけど。思いっきり」
ついに自分で蓋を開けて顔を出してしまった。
(おなかすいた)
(ごはんくれないの?)
期待に満ちた視線。
「…炭酸ガスとか使えばおとなしくなるかな」
「ダメーッ! 先輩本気でしょ! 絶対ダメーッ!!」
そのあと、台所を借りてプリとキュアと先輩のごはんを作った。先輩は猫の額がどうとか言いながらプリとキュアを追いかけ回している。呆れながらお皿を出した。あれに付き合うわたしもいい加減ヒマだよね、と思いつつ。
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