Hatena::Groupneo

ファッキンガム殺人事件 RSSフィード

2006-03-11

blogger 狩り(1)

blogger 狩り(1) - ファッキンガム殺人事件 を含むブックマーク はてなブックマーク - blogger 狩り(1) - ファッキンガム殺人事件

楽しい飲み会のはずだった。気のおけない同僚たちのささやかな飲みのはずだった。なのにイワキの野郎が全てをぶち壊した。

「ヤマダさんて blog やってるでしょ」

俺の表情は変わらなかった。変わらなかったはずだ。

ヤマダ
30 歳男。 5 年目。俺。
トノマ
30 歳男。 5 年目。俺の同期。変人で有名。仕事はできるが、会話のセンスがどこかずれている。
サトナカ
28 歳女。 3 年目。常識人として有名。他の奴らは教養あふれる才女だと思っているようだが、俺はこいつを相当ディープなオタクだと思ってる。入社直後に割り当てられた PC の名前を「Melchior(メルキオール)」と設定したのを俺は見逃していない。
イワキ
23 歳男。 2 年目。空気を読まないことで有名。他の奴らは「読めない」と思っているようだが、俺は「読まない」だと思ってる。嫌い。
ホホエミ
22 歳女。 1 年目。ボケ可愛いことで有名。他の奴らは舌ったらずな天然ちゃんだと思っているようだが、俺は相当な女狐だと思ってる。何気に会話への反応速度が違う。

「やってないよ。何で?」
「いや、なんとなくネットとか好きそうじゃないですか」
「いや、普通だし」

こいつの意図がわからない。何か根拠があって言っているのか、それともカマをかけているだけなのか。

「そういうイワキくんこそ blog 持ってるんじゃないの。でなきゃそんなこと気にしないでしょ」
「や、僕はやってないですよ。忙しくて書くヒマなんかないじゃないですか」
「いや、そこを何とか時間見つけてやってるんじゃないの。たまに早く帰るじゃない」
「あれはカレー食いに言ってるだけですよ」
「なるほど、カレー専門 blog か」
「違いますって」

他の奴らはニヤニヤしながら俺とイワキを眺めている。畜生。何笑ってやがる。ぶっちゃけ俺はお前らも全員 blogger だと思ってるんだぞ。そう思って他の奴に話題を振ろうとした矢先。

「あ、わたし blog 書いてますよ」

ホホエミがさらりと言いやがった。

「えー! 知らなかった! ホント?」

サトナカが妙に驚いたような声を出す。怪しい。

「ホントですよお」
「どんなの書いてるの?」
「えー、つまんないことなんですけど」
「教えて教えて」
「じゃあ URL 教えてよ」

トノマが PDA を取り出しやがった。

「やー、それは恥ずかしいからちょっと」
「いいじゃん、言っちゃいなよ
「ホントやめてくださいよ〜」
「もうここまで言っちゃったら同じだし」

話を合わせながら、俺はホホエミの計算高さに内心舌を巻いていた。こいつは会社バレを考えて表ブログと裏ブログを使い分けてるタイプだ。そして blog の話題が始まった瞬間に表ブログ使い捨てる決心をしやがった。恐るべき手練だ。

(続く)