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2006-05-12

自作解説・拷問三部作

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「初めて続き物を完結させたので、少しだけ自作について説明します。後書きカッコ悪い。」

耳は指か、或いはドラえもんによろしく

「もともとこれを書いたのは、あの口に出すも忌々しい萌え企画に対する怨念昇華することが目的でした。私怨創作の動機になりうるという好例です。転んだからにはタダでは起きないのです。」

「発想の原点は人を殺してはならないで書いた以下のコード。」

obj.each_finger {|f| cut(f) }

「これもあの口に出すも忌々しい萌え企画の発案者を(中略)という欲求から生まれたコードなんですが、それはそれとして、タイトルの『或いはドラえもんによろしく』は割と気に入っています。最後によろしくと付ければ全て OK です。『人間・失格』も『人間失格によろしく』にしておけばよかったのに。これを『よろしくメソッド』と呼びますがそれはまた別の物語です。関西ヤクザの間では耳と指を切り取って押入れに閉じ込める拷問を『ドラえもん』と呼ぶそうですが、それもまた別の物語です。」

「もちろん拷問三部作パク・チャヌク監督復讐三部作を強く意識しています。この短篇では『復讐者に哀れみを』のテーマである「憎しみは何も生み出さない」を拝借しました。」

優雅なレイセイが最高の復讐である

タイトルは『優雅な生活が最高の復讐である』と、『絶対可憐チルドレン』に出てきた台詞「復讐ゆう料理は冷めてからがオイシイんや!」から。」

「これもあの口に出すも忌々しい以下略を発案した人を以下略したいという社会不適格者の欲望を具現化した話ですが、初めて取材らしきものをした記念すべき短篇です。人力検索はてな - 現在の日本で合法的に人肉を食べる方法を教えてください。のことですけど。」

復讐三部作の『オールド・ボーイ』(傑作!)からは「周到に準備された拷問」というテーマを拝借しました。創作にあたって注意したことは「如何に法を犯さずに相手に最大限の苦痛を与えるか」です。質問の方で書いている「拷問としてのカニバリズムが合法的に成り立つのか」ですね。成功しているかはともかく、思考実験として非常に楽しかったです。」

「作中に出しているガランティーヌはもちろん『鉄鍋のジャン』からの引用タイトルに『或いはセレーヌ楊によろしく』と付けようかとも思いましたが、さすがに止めました。」

きみとぼくの疲れる世界

タイトルは『きみとぼくの壊れた世界』より。しかし当然この本は読んでおりません。『最終兵器彼女』以来セカイ系は苦手です。」

復讐三部作の棹尾を飾る『親切なクムジャさん』から借用したテーマは、ズバリ「愛」です。まあ、あの忌々しいあれも愛ゆえに生み出されたものなんでしょうから、オトナ語的には「光栄です」というべきなんでしょう。こちらがその愛に応える義理はありませんけどね。だからこの短篇で最初に書いた部分は「あなたがどれだけわたしを愛しても、わたしは絶対にあなたのものにはなりません」です。キレてないですよ。 xx-internet をキレさせたら大したもんですよ。」

「それから、これは偶然ですが、三部作タイトルの最初の文字を続けて読むと「みゆき」になります。というわけで、せっかくなので三部作に登場した拷問者の名前は「みゆき」とします。指を切っている女の子も、頭のおかしいお嬢様も、付き合いのいい恋人もどきも、みんな「みゆき」です。今決めました。どうでしょう、そう思って読むと萌えてきませんか。このサイトの今後の課題として「如何に常識的な萌えシチュエーションを使わずに萌え小説を書くか」という問題があるので、コメント蘭で意見を聞かせていただければ幸いです。まあ本当にコメントが来たら片っ端から消しますけどね。意見なんか聞きたくありません。そんなに萌えが欲しけりゃ青空文庫夢野久作でも読め。」

「ついでに書いておくと、わたしのブルー萌え山月記ではないと思います。いや、萌えとかツンデレとかは読み手側が決める概念なので反論しても仕方ないんですが、「肉落ち骨秀で、眼光のみ徒らに炯々とし」って描写はいいんでしょうか。あれは単に「わたしのブルー」という言葉を再定義というかファックするための話であって……、まあいいや。面倒臭くなってきた。」

「まとめ。そうねえ。誰かが部外向けにちゃんとした萌え小説を書いてあげるといいんじゃないかな。」

xx-internetxx-internet2006/05/14 21:12コメントは削除すると書きましたよね?

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2006-05-10

きみとぼくの疲れる世界

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「退屈ですか」
「いえ、楽しいですよ?」
「それはよかった、と言えばいいんでしょうか」
「そうですね」
「……しつこいかもしれませんが、もう一度訊かせてください」
「? どうぞ?」
「あなたはわたしが嫌いなんですよね?」
「ええ。あなたがどれだけわたしを愛しても、わたしは絶対にあなたのものにはなりません」
「……」
「ふふふ。嬉しいですか」
「嬉しいはずがないでしょう」
「嘘。あなたの被虐的な性格はよく知っていますよ」
「いい加減なことを言わないでください。わたしは普通です」
「自分のことを普通だなんて言う人が普通なわけないじゃありませんか。この変態。あはははは」
「あなたはわたしに殺されると思ったことはないのですか」
「ありますよ。しかし、そうなったら結局あなたは破滅します。わたしの目的が果たされることに変わりはありません」
「それほどわたしが嫌いですか」
「大嫌いですねえ」
「……はははは」
「ふふふふふ」
「でもあなたはこうしてわたしと会って話してくれる。それはわたしに対するいやがらせですか」
「そのとおりです。わかってくれますか」
「"真に人を破滅させるものは絶望ではなく希望である"…、誰の言葉でしたかね。わたしはいま、心からあなたを殺したくて仕方ありませんよ」
「やってみればいいのに」
「……」
「ふふふふふ」
「もしかして、あなたはわたしを愛しているのではありませんか」
「そうかもしれませんね」
「本当ですか」
「そんなわけないじゃありませんか」
「……」
「ふふふ。あはははは。あなたと話すのは本当に楽しい。退屈なんかするわけないじゃないですか。バカじゃないの。あははは。そうですね、わたしはあなたを愛しているのかもしれませんね。あははははは」
「…わたしがこの苦しみから逃れるには、どうすればいいんですか」
「そんなことわたしが教えると思いますか」
「……」
「ふふ、そうですね、死ねばいいんじゃないでしょうか」
「……」
「ああ、でもそんなことはお止めになって! あなたが死んだらわたしも生きては……く、あはははははは」
「…帰ります」
「あはははは。また誘ってくださいね、お待ちしています。あははははは」

2006-04-20

優雅なレイセイが最高の復讐である

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「うあああああ」
「兄さん」
「ようこそ、お兄様」
「おまえ、手は、足は」
「そうか、兄さんは知らなかったね。僕は病気だったんだ。左手も左足も切り落とさなきゃいけなかったんだよ」
「そんな馬鹿な」
「お兄様、弟さんは医師との合意の下に手足を切断したのですよ。れっきとした成人である弟さんの決断に、他人のあなたが文句を言うのは筋違いですわ」
「他人? 実の兄弟に向かって他人だと?」
「文字通り"他人"ですわ」
「兄さん、悲しまないで。僕の手足は無駄になったわけじゃないんだよ」
「そうですわ、だからこそお兄様をこの席へ招待させていただいたのです」
「何を、いったい何を」
「失礼とは思いましたけれど、お先にいただかせてもらいましたわ。ガランティーヌですの」
「何の話を」
「お肉に詰め物をしてフォンで煮るフランスのお料理ですわ。本場では若鶏や鴨で作ることが多いんですの。でも、鴨では脂が多すぎて、少々くどくなってしまうのです。その点バスケットボールで鍛えた弟さんの左腕は理想的でしたわ。皮下脂肪も少なく、筋肉は引き締まって…」
「ああああああ」
「兄さん、とっても美味しいんだよ」
「こんな、こんな、こんなことが許されると」
「何がいけませんの? 日本法律に「人の体を食べてはいけない」とでも書いてありまして? 傷害罪にも暴行罪にも当たりませんわ。何より、これは弟さんの意志に従った結果なのですよ。そして、お兄様にも警告したはずですわ。ここに来れば不愉快な思いをされるかもしれない、場合によっては死ぬより辛いことをご覧になるかもしれないと」
「お前は誰だ。どうしてこんなことを」
「直接にははじめまして、お兄様。わたしはかつてあなたに傷つけられた者ですわ。でも、そんなことはこの美味しいお料理の前では些細なこと」
貴様貴様
ここだけの話、左足は失敗でしたの。肉の風味を生かそうとしたのは間違いでしたわ。どうしてもくどさが残ってしまいますの。今回はその反省を活かして香草で煮込みましたのよ。コクを出しつつ匂いを消して、さっぱりとした冷製に仕上げましたわ。常識の中の常識を越えて、料理人もいい経験をさせていただきました。弟さんにはいくら感謝してもし足りませんわ」
「やめろ、もうやめてくれ」
「でも、一つ困ったことがありますの。せっかくの極上のガランティーヌですけれど、わたしたちには少々多すぎますの。腕というのは意外に大きいものなのですね。そこで、弟さんのたっての希望でお兄様を招待させていただきましたの」
「うあああああ。くああああ」
「お兄様、あなたには二つの選択肢がありますわ。弟さんの腕によりをかけたお料理を召し上がるか、さもなくばこの芸術作品を野菜クズや魚の頭と一緒に生ゴミにしてしまうか」
「もうやめろ、やめてください」
「どちらをお選びになっても結構ですのよ。あ、それから、お帰りの際にはレシピ差し上げますわ。骨をはずした後の下ごしらえにコツがありますの。他では滅多にない貴重なノウハウですわ」
「許してください、お願いです、許してください」
「それは筋違いですわ、お兄様。あなたがわたしを傷つけたとき、あなたはご自身の行動をご自身の意志で選択されたのでしょう? でしたらいまさら何を謝るのです? あのときから今まで、あなたは変わらずあなたですわ」
「兄さん、泣かないで、兄さん」
「さあお兄様、冷たいうちにどうぞ。わたしは今までこんな美味しいものをいただいたことがありませんわ」

2006-04-02

耳は指か、或いはドラえもんによろしく

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「痛いです痛いです」
「私の仕事はあなたの指を切ることです」
「許してください」
「それは私の仕事ではありません」
「なぜ私はこんな目に遭わなければならないのですか」
「さあ、あなたが罪を犯したからではないでしょうか」
「痛いです本当に痛いです」
「安心してください、止血は万全です。あなたを殺すことは私の仕事ではありません」
「痛い痛い痛い」

「切り終わりました」
「とても痛いです」
「私の仕事は終わりです」
「許してください」
「私の仕事は終わったので、許すも許さないも私の仕事ではありません。あれ? 電話がかかってきました」

(はい、終わりました。はい…そうですか、しかし…。はい、わかりました)

「困りました。ボスはあなたを更に痛めつけろと命令しています」
「許してください」
「それは私の仕事ではありません。しかし困りました、私の仕事はあなたの指を切ることでした。指を切り終わった私はあなたをどうすればいいのでしょう」
「どうもしないでください。お願いですから許してください」
「あなたは私に仕事をするなというのですか。なんてひどい」
「痛いです。指が痛いです」
「その言葉は正確ではありません。『指だった場所が痛い』と言うべきでしょう」
「痛い痛い痛い」
「耳は指だと思いますか」
意味が分かりません。痛い」
「あなたは耳が指ではないと証明できますか」
「なんてひどい人だ。許してください。何でもしますから許してください」
「耳が指ではないと証明してください」
「耳は指ではありません。呼び名が違います」
「親指と小指も呼び名が違います」
「どちらも指です」
「でも違います。なのに親指も小指も指。なら耳も指であって構わないと思いませんか」
「耳には爪がありません。指ではありません」
「爪がなければ指ではないのですか。なら爪をはがされた指は指ではないのですね」
「おそらく」
「では爪をつけた耳は指なのでしょうか。ここにあなたの指がありますが、この爪をはがしてあなたの耳に」
「耳は音を聞くところです。指は物をつかむところです。耳は指ではありません」
「では、耳で物をつかめればいいのですね」
「おそらく」
「ここにあなたの指があります。この指をタバコのようにあなたの耳で」
「許してください」
「それは私の仕事ではありません。安心してください、指がなくても死なないように、耳がなくても死にません。即ち指は耳です」